笑って楽しんで1/2遠距離介護

小橋広市

小橋広市

テーマ:認知症介護者の憂鬱

私は現在、月1回、
お袋の遠距離介護のために
実家に帰っています、
明日のその日。

新幹線の車窓から景色を見ながら
お袋がまだ認知症ではなかった頃、
実家に帰るのが楽しみだった頃を思い出します。

お袋が認知症になって4年がきます。
あんなことを話した、こんなことをしてくれた。
思い出すのは楽しいことばかり。

ちょと前まで、
お袋の介護のために義務感で帰っている
自分が恥ずかしくなることがあります。

去年までは毎日していた電話も
まったくしなくなりました。
ことの発端は、ひかり電話のルーターの電源を
お袋が抜いたことで電話が通じなくなったこと。

ここでひとつの不安が出てきたのです。
もしかして電話することで
息子の存在感が高まるのと同時に
孤独感を併発させることになるような気がするのです。

不思議なもので、
「楽しいから話す」と「義務感で話す」では
まったく双方の心の状態が違うので
認知症の人は表情や心の動きに敏感で
すぐに察知します。

こんなことを愚痴っても
「気持ちを切り替えるといいですよ」と
他者はアドバイスしてくれます。

それは他人事だから言えること。
当事者は分かっていてもできないことが
いっぱいあります。



笑って楽しんで画像



義務的にやっているので
罪悪感という重い鎖がココロに残り、
事あるごとにそれが顔を覗けます。

義務感は「◯◯しなければならない」とか
「◯◯するべきだ」というような言葉で
心が縛られます。

「しなければならない」と考えていると
相手にも嫌な感情が伝わるし、
自分自身を支えることができなくなります。


こんなブルーな状態から抜け出せました。
私の思考のクセを思い出したんです。

それは、「人から偽善に思われないか」
と考えるクセ。

これは昔、私の中にあったトラウマで
それを思い出して開き直れました。

義務、おおいに結構
義務感でやってお袋が楽しめるのなら
結果オーライということです。

そう思うようになって
罪悪感がスーッと引いていきました。
介護者の多くは、どのように
認知症の方に接すれば理想的かを理解しています。

それが罪悪感などで自分自身を縛り
理想と現実のギャップで思考停止するから
怒りの感情が暴走し始めるのです。

介護は先が見えないので
色んな不安と葛藤しながら続けています。
どんなに不安でも先で起こる出来事は予測できません。

だから、

つい、怒りが爆発しても
後で相手が笑ってくれたら良しとする。

できることしかできなくても
やれたら良しとする。

悩み不安な自分も良しとする。

罪悪感も義務感も不安も怒りも
すべて受け入れた時に何かが腑に落ちます。
それで結果オーライ。




【小さな行動】
物事を受け入れるには
自分自身が納得できる割り切り方
(落としどころ)を書き出すこと



 

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小橋広市
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小橋広市(講師)

一般社団法人Self&Lifeコンディショニング協会

なりたい自分になる勉強会やセミナーの開催及び、居心地が良い環境の中で、生きやすくなるための講座や相互交流ができる「心ホッとコミュ」というコミュニティを開放しています。

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