ムズムズ感が最高のモチベーション
2013年3月29日の早朝、
突然、生涯感じたことがない違和感で目が覚めた。
全身、冷や汗でびっしょり、心臓が鉛の塊のように重い非常事態
それでも不思議と死ぬ予感はしなかった。
自力で病院に着き、早朝のひっそりとした受付で
夜間勤務していた頼りなさそうな男性事務員の対応で
はじめて「死ぬかもしれない」と思った。
結果的には、冠動脈8箇所が梗塞し、心筋の60%が壊死してしまいました。
生き延びたのは奇跡。
それは天から授かった「与命」だったかも知れません。
入院中に考えていたのは仕事のこと。
倒れる前、適職として携わっていた建築やステンドグラスの仕事は、
長年積み重ねてきた大切なものだけど身体の状態を考えるとこのまま続けることはできない。
仕事を失う恐怖・・・ ひどくショックを受けました。
私が建築の世界に携わったのは小学校時代の夢を叶えたことからです。
修学旅行で京都を訪れたとき、友だちに「将来は京都で暮らす」と宣言。
就職先を探す時も、私の中にあった京都に
たまたまあった1万円をポケットに入れ、何のあてもなく引っ越しました。
半年間の求職活動の末、就職出来たのが建築士事務所。
数年して、
建築士事務所で学んだスキルと人脈を元に、建築士事務所を立ち上げました。
そこで始めたのが"風、光、緑"といった、自然の要素を取り入れた家作り。
そして一番大切にしていたのは、お客様の話をじっくりと聴くこと。
しっかりとヒアリングしながら、お客様の理想の家を作っていく。
楽しい仕事でしたが、そんな楽しさとは裏腹に、設計事務所は非常にハード。
夜中まで仕事は当たり前。睡眠時間も3~4時間が普通でした。
付き合いも多く、食事は外食ばかり。お酒も飲み、タバコも吸っていました。
もちろん、そんな生活を長年続けることで身体はどんどん悲鳴を上げ...
重度の心筋梗塞で倒れ、しばらく入院生活に。
無我夢中で働いていた時は、「自分だけは大丈夫」という気持ちがどこかにあったのです。
気づいたときには病院の天井を見上げ、安静を余儀なくされた私がいました。
今までやっていた仕事ができず、絶望の中にいた私に、看護師さんがこんな言葉をくれたのです。
「小橋さんは悪い例だからね。周りに高血圧の友達とかいたら注意してあげて」
はっとしました。
入院したときに読んでいた、100歳を越えてなお現役で医師をされている
日野原重明先生の本に書かれていた言葉に衝撃を受けた事を思い出したのです。
「年をとれば肉体は衰え、不自由になり病にもなります。
それが老人になることです。しかし、不自由を受け止め工夫して対処すれば、
あるいは、サポートがあれば、精神は成長し続けます」
私が大病をしてもなお生かされた理由が分かった瞬間でした。
同じように健康を害してしまった人達に対して、
自分の体験からの気づきを伝えるために生きているのだということを。
一度身体を壊したけれど、自分や家族のために健康を取り戻したい人が私以外にもたくさんいる。
私と同じく健康でありたい仲間達のために、伝えられる事を伝えていこうと決め、
今までの仕事を思い切って手放しました。
それからというもの、生活習慣や脳科学の専門書を100冊以上読み込み、
あらゆる専門講座を受講し、生活習慣改善コーチの道へと進みました。
が、世の中はそんな甘いものではありませんでした。
生活習慣改善コーチといっても、お客様がいなければ生活できません。
体験セッションをお願いしても、男性は、私のように「自分だけは大丈夫」、
女性は、コーチとはいえ男性に生活習慣が乱れている相談はできません。
そんなことで、何年も、前にも後ろにも進めず行動できない状態が続き、
生活のために住宅の耐震検査や建築コンサルタントで食いつないでいました。
そんな時に、パートナーから、ある気付きと仕事のヒントをもらいました。
しかし、それでも「はじめの一歩」が出ずに悶々とした日々が続き、そうとう苦しみました。
パートナーは、私の行動にブレーキをかけているものをコーチングで一つひとつ外し
マインドセットを書き換えやっと行動できるようになったのです。
行動ができた一番の要因は、私の思い込みで弱みと思っていた強みの発見です。
私は、建築というカテゴリーの強みがあったにも関わらず
「大病したからもう建築の仕事はできない」という思い込みを持っていました。
そのため、建築に携われないという何とももったいない無意味な信念を持ってしまい、
前にも後ろにも動けない状態に陥ったのです。
身動きの取れない状態の時には観えなかったことですが、
「強み」の対局にある「弱み」の中に強みが隠れていることが多いのです。
ブロックが外れると不思議なもので、私と似た状態で苦しんでいる人に気付くようになりました。
友人で「お金」を頂くことに罪悪感をもっていた女性がいます。
彼女は前職を退職し、新しい資格を取って講師業をしていました。
新ジャンルに挑戦した彼女は「こんな私がお金を頂いていいのだろうか」と悩み、
行動が消極的になっていたのです。
彼女とセッションを行い、他にはない大きな強みを持っていることがわかりました。
普通ではない大変だろうと思われる状態での子育てをポジティブに捉えてやってきたのですが、
その経験は同じ状況の人たちへ大いに役に立ち励みになるものでした。
彼女自身が気づいていなかった強みをコンテンツにし、
今、彼女はビジネスを発展させています。
彼女の報告は私にとっては大きな喜びでした。
優秀な彼女が彼女の強みを生かし、多くの人を助けることができる。
多くの人の喜びを得ることができるのです。
こういったことから「はじめの一歩」がなかなか踏み出せない人へ私の経験を生かし、
彼女のような自身の強みを生かしたビジネスを構築してもらいたいと思っています。
ゼロから起業する女性のためのコーチ・コンサルタント。
女性は、あらゆる社会において、今や重要な役割を担っています。
でも現実は家庭や職場、ママ友など、人間関係で悩んでいる方が多い。
せっかく素晴らしい経験や能力があるのに、
思い込みでリスクを避け「はじめの一歩」が出ずに苦しんでいる女性を勇気づけて
活躍の場を手に入れることによって、
きめ細やかでバランスがとれた輝く社会になると信じています。
循環の中に在ること
小学生の頃、"雨"の循環について考えたことがあります。
雨が降り、土に還り、日が辺り蒸発し、雲ができ、そこからまた雨が降る。
この自然の循環を感じてから、私が生きてきた要所要所で、
『循環の中にいる私』を感じてきました。
ステンドグラスのときに扱っていたガラスも、建築の時の木材も。
すべて循環して還るもの。
そして、私の命も。
病気をしたことで、また大きな気付きを伝えられる。
たとえ絶望を感じたって、そこからまた、還っていける。
あなたの健康も、命も。
生きている限り、ちゃんと"循環"の中にあると。