足の痛みと履きたいデザインの狭間に揺れる女性の気持ち・・・
生活支援や自立支援、介護の問題を考える際にキーワードとなるのが、「自己責任」と「自立」ではないかと思います。
日本では「自己責任」や「自立」の意味を突き放して捉え、個人の能力や資質の問題にしてしまいがちなのがとても残念です。
でも、よくよく考えてみると、「自己責任」や「自立」とは、正しい知識の啓蒙と、比較判断するだけの確かな情報と説明責任が果たされてこそのものではないでしょうか・・・?
不確かな状況と判断に値するだけの情報が無いままで「自己責任」の名の下に意思や行動を決定する事など誰にも出来ないでしょう・・・。
今、自分がどんな状況に置かれているのかが分からないままで「自立」を迫られれば、不安になるのは当たり前です・・・。
当相談室を訪れる50代以上の方に共通して感じるのは、不安やトラブルに対しての対処を欲していながら、その対処が合理的であるかの判断は、人任せにしてしまうという傾向です。
そうした傾向に陥る要因の一つは、原因や状況が良く分からないまま対処だけを受け入れ、合理的な対処法であるかの判断や結果は、対処した側の責任だと考えて、自己判断を回避する姿勢にあると思うのです。
すなわち私たちの意識の中には、原因や状況を判断するための確かな情報や比較対案を求め、検討する事を省き、手軽に取り組める対処だけを受け入れてしまいがちな傾向があるのではないでしょうか?
またその都度、新たな対処法に期待しつつ、効果が無いとなれば、また新たな対処法に目移りしてしまうという移り気な傾向はないでしょうか・・・?
原因や現状が分からないまま、目先の不安や不都合を解消することにエネルギーを注いでしまうという傾向はないでしょうか・・・?
進路が分からないまま、今どこに居るのかも分からないまま、とりあえず歩き回って疲労困憊してしまうような状況が続いているのではないでしょうか・・・?
当相談室の「足のカウンセリング」に於いて最も力を入れているのは、足のトラブルの原因をしっかりと把握し、理解して頂く事です。
そして、対処法に対してご自身が判断ができるように比較検討をして頂く事です。
原因と対処の関係を理解して頂くことです。
トラブルの原因を生活習慣にまで遡って追求し、生活習慣の改善に取り組んで頂く事です。
原因が分かれば、対処を受け入れ易くなる筈です。
自発的に改善の努力を受け入れるようになる筈です。
「自己責任」と「自立」が発揮され、自ら進んで足の健康管理に取り組むようになるのです。
「足と靴の相談室」ロビンフット長津田 http://www.robinfoot.co.jp/