簡単、便利の落とし穴

最近流行りの靴の機能に「横ジッパー」というものがあります。

ウォーキングシューズなどの靴紐の横にジッパーが付いていて、靴の着脱を簡単、便利にするという日本独自の優れた？機能です。
ところが「横ジッパー」に慣れてしまうと、靴紐をまったく締め直さずに、ジッパーだけを使って脱ぎ履きするようになってしまいます。
それどころか、ジッパーの上げ下ろしを容易にするため、わざと靴紐をゆるめたまま履いている方もおられました。

通常、靴紐は履いているうちに少しづつ伸びてしまいます。靴がゆるくなっても気が付かないまま、なんとなく履き心地が頼り無くなる、つま先に足が突っ込んで足先が痛くなる、足首や膝が痛くなるといったトラブルの原因になっていることがあります。
そんな場合には、靴紐をつま先からしっかりと締め直して下さい。すると、たちまちフィット感が向上し、靴が軽くなり足首や膝が安定します。
当店でも横ジッパー付の健康靴がありますが、「ジッパーは脱ぐときには問題ありませんが、履くときには大きく開いた履き口を押さえて閉めて下さい。靴紐が伸びて緩くなりますので、急がない時はジッパーを引き上げてから靴紐を締めなおして下さい。」とアドバイスしています。

簡単、便利の陰に隠れた「足の健康」に対するちょっとした落とし穴。
小さな事のようですが、靴紐を締め直すという「手間を掛ける」ことで履き心地を維持し、足の健康を守ることができるのです。

「横ジッパー」は急いでいる時には便利なのですが、「足の健康」のためには靴紐をその都度調節するのが基本なのです。
急いでサっと履いたとしても、余裕のある時に改めて靴紐を締め直す一手間が「足の健康」を守る「スローライフ」な生活であると思います。

　「足と靴の相談室」ロビンフット長津田　http://www.robinfoot.co.jp/