コラム
前略 墓の中から 第4章 ここはどこ?わたしは・・・最終話
2013年9月24日 公開 / 2020年8月25日更新
「さすがにこの量を納骨している間ずっとはお経あげてくれなかったね」
「まだ半分こえたぐらいだからな」
遺骨は相当数あるらしい。いったいこのお骨はどこからきたのか?
「身元確認できなかったり、家族が引き取りに来られなかった遺骨もこれだけあるとびっくりだよな。以前はこんなに早くたまらなかったよ」
この言葉の主は火葬場の職員で今日遺骨を運んできた人。
「行き倒れとか孤独死とか結構多いんだよね。仕方なく火葬した後も2年は待つんだけど引き取り手がない場合は合葬しないと火葬場の事務所内も遺骨だらけで。孤独死された方の部屋の押し入れとかにもさらに遺骨があったりすると一緒に保管するんだよ。増えるわけだ。」
もしかすると自分は孤独死をしてここに来たのかもしれない。
そんな気になった。
「墓地管理側では、ご家族の希望や事情によってお墓に納骨できない人の遺骨を預かるのですが、やはり週に1度合同納骨行っています。この3年くらい、少なからず遺骨がなくて実施されない日はないですね。」
もう一人はこの墓地の管理人だった。
どうやら時々蓋があいては落ちてくる遺骨はこの人が作業を行っていたのである。
「同じような量であったことを考えると自分の場合はこちらのケースかもしれない。
家族がいなかったのか、自分の意思なのか。
それとも家族に何か事情があったのか?」
自問自答を繰り返すが思い出せない。
また作業する二人の声が聞こえてきた。
「でもさ、ここって無縁塔だから誰が入っているか記載しなくていいじゃない。家族の事情でここに埋葬された人って無縁じゃないはずなんだけどそれでいいのかな~」
「基本的には誰が入っているか管理サイドは一切答えないことになっていますけど、故人を訪ねてくる人なんてまずいませんよ。家族の事情とかっていっても供養する気持ちがないから持ってくる人が多いのかなて最近思います」
ここに知りたかった核心があった。
「無縁になるって、生きてきた存在すら否定されてしまうのか?
だから何もおもいだせないのか?
もう考えても仕方ない、ずっとねむってしまおう」
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