信頼される医療従事者になるための心構えとマナーの重要性
病院に入る前に決まる印象
患者さんが病院を訪れた際に、最初に見るのは「病院の外観」です。
病院の規模はどれくらいなのか…、病院の作りは、どのようなコンセプトで設計されているのか。病院のまわりの掃除は行き届いているのか。窓や入口のガラスは汚れていないか…、私たち患者が見て「ほっ」と出来る、花や緑が多いか…など。目に映る病院の外観から、無意識のうちにも様々な情報を得て、病院のイメージや印象を感じ取っています。
ですがほとんどの病院では、それぞれの専門分野に相応しい印象を、患者さんに感じてもらえるようなこだわりや配慮が随所に施され、「ハード面」として徹底していることでしょう。クリーンなイメージを大事にしている場所ですから、当然ともいえます。もちろん患者さんも「病院=クリーン」というイメージは、大切な自分の体を診てもらう為にも、当然であり前提として訪れます。
皆様の勤務されている病院が、患者さんが求めるイメージに見合った外観で、先ほど申し上げたようなハード面はクリアされているとするなら…、次に病院のイメージを上げたり、下げたりする要因は何なのか…?
それは、病院に入って最初に出会う「人=ソフト面」で決定づけられるということです。
患者は病院の入り口で印象を感じとる
病院の入口を思い出してください。個人クリニックでも総合病院でも、何科でも、病院という場所の入口はガラス張りであることが多いと思いませんか? 中に入る前から、院内が見えているイメージがありますよね。人の出入りが多い病院だからこそ、入口で人と人が接触してケガなどがないように、出る際も入る際も、姿が確認しやすいよう配慮されているという理由が挙げられます。
また、クリーンで開放的なイメージを、ガラス張りにすることで、より高めているという理由もその一つでしょう。ですが見えやすい病院玄関や受付前は、先ほども述べた通り、患者さんの印象を左右するとても大切な場所と言えます。
「受付の人は、自分が来院したことに気付いているのか?」「もうすでに診察を終えて帰る他の患者さんは、どんな表情で会計を済ませ、投薬指導をうけているのか?」このように、患者自身が受付や玄関先で感じた印象は、その後の診察や治療の際の気持ちに現れてきます。病院に入り「冷たい印象」を感じとった患者さんは、診察室に通されても緊張感がぬけず、長い時間待ってやっと医師に病状を告げる機会がきたにも関わらず、硬くなって上手く症状を伝えることが出来ません。最初に受けたイメージや印象は、その後にまで影響するのです。
当然のことながら、病院は「いらっしゃいませ。」と出迎えの言葉がありません。
そのかわりに、「おはようございます。」「こんにちは。」といったお声かけと、「患者さんがいらっしゃったことを、私は認識しています。」と分かる、柔らかな表情とアイコンタクトが不可欠といえるでしょう。
ガラス張りで開放的。クリーンで院内の中が見えやすい。医療従事者からすると、当たり前の病院玄関と受付の有り方。今一度、患者目線で受付応対を見直してみませんか?
清潔感のある髪型やメイク、指先などに気をつけて
病院がガラス張りであるもう一つの理由として、受付スタッフが玄関ドア前で立つ患者さんをいち早く認識し、その病状に応じてすぐ行動に移せるようにする為です。車椅子が必要な場合もあるでしょうし、体調が悪くしっかり立てない患者さんをご家族が支えようとしている様子が見て取れたら、すぐ受付のスタッフが助けにいけるような目配り・心配りも必要と言えるでしょう。そういった目配り、そして最初に患者さんととったアイコンタクトで、患者さんの様子やその日の心身の状況を判断しなければなりません。
このように、ガラス張りで院内が見えやすくなった分、受付スタッフが気を付ける点は増えたといえるでしょう。さらに、常に見られていてクリーンな病院のイメージを印象づけるポイントとして「身だしなみ」の大切さが挙げられます。「身だしなみ」がきちんとしていないと、いくら立派な外観の病院であってもイメージは崩れてしまいます。清潔感のある服装・髪形やメイク。院内を案内したり説明する時の、指先はどうでしょうか?病院内では仕事が分業されていて、受付だけの担当の方もいるでしょう。しかし患者さんに触れる医師や看護師だけでなく、医療事務担当者や受付スタッフも、率先して清潔感のある身だしなみを、日々意識し整える必要があります。何よりも大事なのは、「職員全員が「身だしなみ」を心得、同じようにできているか」ということなのです。
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