マイクロアグレッションと、やさしさの距離
先日、東かがわ市ファミリー・サポート・センター様よりご依頼をいただき、令和7年度第3回スキルアップ研修会にて講師を務めさせていただきました。
今回のテーマは、
「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)に気づこう!」
日々、子育て支援の現場で活動されている皆さまに向けて
支援の場で起こりやすい“無意識の思い込み”や、
コミュニケーションのすれ違いについてお話しさせていただきました。
私たちは、見たいものを見ている
心理学には、認知のクセという考え方があります。
人は、目の前の現実をそのまま見ているようで、
実際には過去の経験、育った環境、価値観を通して世界を見ています。
つまり、
この人はきっとこういう人だ
普通はこうするべきだ
たぶん悪気があって言ったのだろう
そうした判断の多くは、事実そのものではなく、自分のフィルターを通した解釈です。
アンコンシャス・バイアスとは、
特別な誰かにあるものではなく、誰の中にも自然に存在する心の働きです。
思い込みに気づける人は、成長できる人
人は、自分の考えを正しいと思いやすい生きものです。
自分に都合のよい情報ばかり集めてしまう傾向があります。
だからこそ、自分の思い込みに気づける人は強いのです。
一度立ち止まり、
「本当にそうだろうか」
「別の見方もあるのではないか」
と問い直せる人は、人としてしなやかです。
支援の現場では、“正しさ”より“理解”が必要なときがある
子育て支援の現場では、家庭環境も価値観も悩みも、一つとして同じものはありません。
自分にとっての常識が、相手にとっての常識とは限らない。
その前提に立てるかどうかで、関わり方は大きく変わります。
心理学者カール・ロジャーズは、こうした姿勢の大切さを伝え続けました。
相手を変えようと急ぐ前に、まず相手の立場や感情を理解しようとすること。
その姿勢こそが、信頼関係の第一歩なのだと思います。
受講者の皆さまから届いた声
研修後には、多くの感想をいただきました。
・自分の中の思い込みに気づくことができ、今後の対応のヒントが沢山みつかった。
・日々の活動や人との関わりに活かしたい
・無意識のうちに思い込んでいることがあり、
気づかずに人を傷つけてしまうことがあるという ことがあり、思い込みは怖いなと思った。
・思い込みや決めつけをやめて、すぐに口に出すのではなく、
考えてから言葉にしたいと思った。
・なんとなく気づいていた無意識の思い込み、自覚なき差別を自覚しました。
自分の見方を反省し、視野を広げたい。
・思い込みや自覚なき差別の対処法を知ることができた。 など
その言葉の一つひとつに、学ぼうとする姿勢とあたたかさを感じました。
本当にやさしい人とは、何でも受け入れる人ではありません。
自分の価値観を押しつけず、
違いを違いとして認め、
相手を理解しようと努める人です。
相手を丁寧に見ること。
決めつけずに向き合うこと。
すぐに答えを出そうとせず、まず耳を傾けること。
その姿勢こそが、支援の土台になるのだと思っています。


