重心を感じて立つ うまさきせつこのボディコントロール
妊娠中のレッスンで思うこと
ダンサーに赤ちゃんができた時
さあどうしようかと皆さん悩むところだと思います。
ここで、するべき、やめておくべきというのを語る気はありません。
うちでは昨年、2人のダンサーに赤ちゃんができました。
最初のひとりの時は
ちょうど舞台前で作品もできていましたが、
私的には無理をさせるのは嫌だったので
作品を彼女がいないバージョンで作り直すつもりでいましたが
本人は出ますと言いました。
微塵も不安を抱えていない顔で
必死でもなく、ごく当たり前のように言う彼女を見て
こちらも覚悟を決めました。
リハーサルを進めながら注意深く見て
少しでも、これは・・と思うことがあれば
すぐにやめてもらうことも考え
できる限り負荷の少ない状態で作り直し
万一の場合、ご家族に一生恨まれることも覚悟しました。
時に気持ち悪くて、体を休める場面はあったものの
その他は一度も心配なこともなく
無事本番を済ませ、見ている方は誰も気づきませんでした。
ご家族にねぎらわれ
どれだけほっとしたかわかりません。
彼女はその後も出産3日前までレッスンを続け
超安産で出産しました。
産まれました!超安産♡(2017年7月4日)
続くもう一人も当たり前にしていることを自然は受け入れる(2017年12月26日)
少しでも不安そうにしていたら、賛成はしませんでしたが
掛け値なしに2人も当たり前でしょ?という顔をしていました。
2人も体の声をきちんと聴けているなと思いました。
注意深く見てはいますが、長年踊ってきている人たちなので
本人の判断に任せました。
無理をしている時はわかりますが、2人も不要な無理はしませんでした。
レッスン中はお腹に赤ちゃんがいることを忘れるくらい
赤ちゃんが自分の体の一部になっているそうです。
見ているとそれがわかるので、
レッスン中にはやはり流れがあるかどうかを確認しながら
見守り
むしろ、レッスンが終わってからの階段であるとか
滑りやすい床とかでは必ず寄り添って
危ないことがないように気を付けていました。
今、彼女はレッスンに戻っていますが
早くも2人目がお腹にいます。
子育てしながら、仕事にも戻り
体の意識を欠かさずに暮らしていたことがわかります。
こういうことも、お腹が大きくなるほどにできにくくなりますが
お腹を手で支えながら、注意して行います。
お腹を支えていると不安がないそうです。
逆に開脚などは、より楽にできます。
プリエなどはとてもきれいに安定してきます。
前回の妊娠の時、一度開きすぎて、心もとない感じになったので
坐骨の位置感覚を誘導して、安心できたこともありました。
今は1月の舞台の練習をよく見てもらっています。
私の踊りをよく知ってくれている人だからこその
視点があります。
それまで何もしていない人では、こうはできないと思いますが
体のことをよくわかっている人たちだから
本人の感覚に任せています。
少しでも怖い、不安だという気持ちがあるなら
無理にすることではないと私は思っています。
人は自分が納得することしかできません。
私に覚悟させるくらい、本人が当たり前にやりたいことだから
やってもらっているのです。
彼女たちを子供のころからよく知っている私が
大丈夫だと思うことだけを
本人が不安なくすることだけ。
これはやらないといけない、のない状態で。
自分の生活の中の「当たり前」にしている彼女たちに
大事なものをもらっています。