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一旦導入した固定残業手当をやめる場合の課題とは

三谷文夫

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テーマ:労務管理

「固定残業手当をやめて、通常の残業代にもどしたい」

先日、このようなご相談をある総務担当者から受けました。
その経緯を聞くと、どうやら社長が人件費の見直しを計っているとのこと。

最近では、固定残業手当を導入したい、ではなく、
固定残業手当をやめたい、というご相談も増えてきました。

このような固定残業手当をやめる場合に発生する課題はこちら。

①固定残業手当代をそのまま減額すると、給与の支給額が減ることになる。
⇒労働条件の不利益変更になるため、労働者の同意が必要。

例えば、基本給25万、固手5万の場合、基本給25万のみにするというものです。
これは労働者にとっては納得いくものではないでしょう。
なかなか同意をとることは難しいものと思われます。

②固定残業手当代を含めた総支給額をそのまま維持する。

例えば、さきほどの例でいうと、30万円を新しい給与額とする、ということです。
確かに、今までと変化はないように思いますが、
残業が発生したら別途残業代も支給されるため、30万円プラス残業代となり、
企業にとってはコストアップとなります。

そもそも、固定残業手当導入の目的が、残業代を減らすため、ということが多いため、
いざやめようとすると、このような課題が発生します。

ご相談を受けた会社でもこれから見直しを計っていく予定ですが、
①②のような問題があり、賃金制度全体の見直しから行うことにしました。

安易に固定残業手当を導入すると、後々うまくいかないこともありますので、
その導入目的や適用対象者、手当額の妥当な範囲等、しっかりと制度設計してから
導入しましょう。

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三谷文夫
専門家

三谷文夫(社会保険労務士)

三谷社会保険労務士事務所

労務についての法的観点からのアドバイス、それに加えて人材育成、組織力向上についての研修を行うことができることが私の強みです。「明日から実践できる研修」をモットーに、現場ニーズに合わせた研修が特徴です。

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