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ミネラルを知る~総論編~

松田友和

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テーマ:生活習慣

食に関する情報に振り回されないために

私たち人間が生命活動を維持していくためには、栄養素が必要です。そのために、人間には食欲が備わっており、食べることは喜びであると同時に生きていくために欠かせない行動でもあります。糖尿病を持っていても食べることの喜びを失わないようにしてほしいと常々実感しています。その一方で、何を食べるかが元気で長生きに欠かせないことも事実です。テレビやネットで食に関する様々な情報があふれています。
「ある種の食品が体に良い。」
「これを毎日摂取すれば長生きできる。」などなど。
確かに健康に良いと言われている成分はたくさんあります。
例えば、三大栄養素と言えば、糖質、脂質、蛋白質ですが、生命維持のためには適量を摂取し続ける必要があります。そういう意味では、身体に良い成分です。五大栄養素とは、三大栄養素に、ビタミンとミネラルを加えたものです。さらに、第6の栄養素として、食物繊維も大切です。当コラムの[食物繊維を知る https://mbp-japan.com/hyogo/kaisei-dmcenter/column/5058199/]]を参照ください。
それぞれの栄養素を生命維持に必要なだけ摂取していくことは大切です。一方で、身体に良いという何か特定の食品ばかり食べていることが本当に身体に良いことなのかは疑問です。実は「本当に正しい食事」とはどんな食事なのかは、未だに結論が出ていません。さらに「食」には楽しむという要素も必要です。同じものばかり食べていては、楽しみもなくなってきます。やはり、食事療法の基本は様々な食品を適量、バランスよく楽しく食べることではないでしょうか。物凄く食べたいものを我慢して、身体に良さそうなものだけを食べることが本当に健康的でしょうか。食べたいと感じているものが、実は身体が欲しているものであるという考え方も一理あります。
ただし、重要な栄養素はしっかり摂取しておく必要があります。そのため、食に関する様々な情報に振り回されないためにも、栄養素のことを知っておく必要があると思います。そこで、今回は五大栄養素の一つ、「ミネラル」について考えてみたいと思います。

ミネラルとは

ミネラルは英語のmineral(ミネラル)から由来しています。英語のミネラルには、鉱物という意味もあります。今回、話題にしているミネラルは日本語にすると無機質と訳せますが、一般的にカタカナのミネラルが汎用されていますので、ここでもミネラルで統一します。
ミネラルは私たちの身体を構成している成分の中で、主要な4元素(酸素、炭素、水素、窒素)以外のものの総称です。難しそうに聞こえますが、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リン、マグネシウム、鉄などと言えば、耳にされたことがあるのではないでしょうか。ミネラルは人体の構成成分であり、実は100種類以上もの種類があります。これらのうち、食事などにより摂取しなくてはならないものは、必須ミネラルと呼ばれ、16種類です。この16種類のうち、コバルト、硫黄、塩素を除く13種類に関しては、厚生労働省は発表している「日本人の食事摂取基準」において、摂取すべき基準が設定されています。これらの13種類は、体内に存在する量によって、多量ミネラル(5種類)と微量ミネラル(8種類)に分類されます。
〇多量ミネラル(5種類)
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン
〇微量ミネラル(8種類)
鉄、亜鉛、銅、マンガン、ヨウ素、セレン、クロム、モリブデン


必須ミネラルは体内で合成できないため食事などにより摂取する必要があります。不足した場合は欠乏症やさまざまな体調不良の要因になり得ますが、摂りすぎた場合にも過剰症や中毒を起こすものがあるので、サプリメントなどによる過剰摂取にも注意が必要です。ミネラルは、互いに吸収や働きに影響をあたえ合うことがあるため、バランスよく摂取することが必要です。

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松田友和
専門家

松田友和(内科医)

医療法人社団翠藍 糖尿病内科まつだクリニック

糖尿病専門クリニック。糖尿病専門医による薬物療法に加え、認定看護師や療養指導士など糖尿病専門スタッフがチームで食事療法や運動療法も行う。フットケア外来、禁煙外来、糖尿病患者友の会「ばんぶぅ会」もある。

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