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松田友和(まつだともかず) / 内科医

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コラム

「ジェネリック」と「先発医薬品」の違いとは?

2020年4月11日

コラムカテゴリ:医療・病院

最近、それぞれの健康保険団体から、「ジェネリック医薬品利用促進のお知らせ」と題したお手紙が送られてきていませんか。その中には、「先発医薬品」を「ジェネリック医薬品」に変更した場合の薬剤費の差が記載されています。

〇 先発医薬品

様々な疾患に対して、本当に効果のある薬剤(新薬)を作るためには、莫大な労力とコストがかかります。そこで、国が保険診療で処方しても良いという基準をクリアした新薬の権利を守るために、新薬に対して特許を与えます。この特許権(原則20年)が存続している間は、他の会社は同じ成分で薬を製造することができません。その分、薬の価格は守られることになります。薬を内服する我々からすると、薬の価格が高止まりしてしまうという問題がありますが、新薬を開発した会社側からすれば、新薬を開発するために使用した莫大なコストを回収し、利益を挙げる期間ということになります。この特許権がなければ、新薬を作ろうとする会社は居なくなってしまいますので、必要な人の元に必要な薬を届けるためにも、特許権は重要な制度でもあります。

〇ジェネリック医薬品

しかし、新薬の特許が失効したあとは、どの会社でも、新薬と同じ有効成分を同じ量使用したお薬を作ることができます。これをジェネリック医薬品と言います。ジェネリックとは英語で、「一般的な」という意味です。欧米では、お薬を処方する際に、商品名ではなく、薬の成分名である一般名(ジェネリックネーム)を用います。これが世界共通で使用されているため、日本でも「ジェネリック医薬品」と呼ばれるようになっています。新薬(先発医薬品)の特許が切れた後に発売されるため、「後発医薬品」と呼ばれることもあります。

〇何が同じで、何が違うのか?

「先発医薬品」と「ジェネリック」の有効成分は全く同じです。さらに、生物学的同等性試験という効果を確認するための試験もクリアしているため、効能も基本的には同じです。

違いは、有効成分以外の添加剤や、薬の形状や色、味などです。添加剤の違いによって、効果にほんの少しの差がでる(同等性試験をクリアしていますので、大きな違いはありません)可能性やアレルギー反応に差がでる可能性があります。しかし、その一方で、より内服しやすく進化させたり、効果がさらに安定するという可能性もあります。

「先発医薬品」を「ジェネリック医薬品」に変更する最大のメリットはお薬代です。「ジェネリック医薬品」の価格は、「先発医薬品」の2割~5割程度に設定されています。月々のお薬代が場合によれば、1000円程度も安くなるケースもあります(もともとのお薬代や保険の負担額によっても大きく異なりますが)。

お薬代の負担が重く感じておられる方は、ジェネリック医薬品への変更を検討してみてはいかがでしょうか。変更することで、効果や副作用が気になる方は、まずは一度変更してみて、何か問題があれば、またもとの先発医薬品に戻してみるという方法もあります。

ご自身が内服するお薬ですので、疑問をお持ちの方は遠慮なく相談いただけると嬉しいです。

この記事を書いたプロ

松田友和

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