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松田友和

チーム体制で患者を支える糖尿病医療のプロ

松田友和(まつだともかず) / 内科医

糖尿病内科まつだクリニック

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コラム

運動習慣が糖尿病患者さんの健康寿命を延ばす

2020年2月26日

テーマ:糖尿病

コラムカテゴリ:医療・病院

日本人の平均寿命は女性87.32歳で世界第2位、男性81.25歳で世界第3位(ともに2019年に厚生労働省が公表)となっています。一方、糖尿病患者さんの推定平均寿命は女性75.1歳、男性71.4歳(ともに2016年日本糖尿病学会が発表)となっています。糖尿病治療の目標は、糖尿病でない方と同様に元気で長生きすることですので、平均値でみると治療の目標はまだまだ達成できていないことになります。この要因の1つに、糖尿病であっても治療をせずに放置しているケースが相当数いらっしゃることも指摘されています。糖尿病診療は日進月歩で進歩していますので、ご本人と我々医療者が協力すればかなりの確率でコントロールでき元気で長生きできますので、まずはご安心ください。

さて、平均寿命とともに最近注目されているのが健康寿命です。健康寿命とは、誰かの助けを借りずに自立して生活することができなくなってしまうことを言います。日本人の健康寿命は、女性74.79歳、男性72.14歳(2016年厚生労働省調べ)ですが、やはり糖尿病患者さんの健康寿命はこれより約10歳くらい短いと推定されています。血糖値をしっかりとコントロールすれば、健康寿命もコントロールできるわけですが、この健康寿命を延ばす有効な方法として、「運動習慣」の重要性が報告されました。

新潟大学の研究チームが、県内の三条市の健康に関するビックデータを詳細に検討した結果、糖尿病患者さんであっても、運動習慣があれば、介護が必要な状態になる(健康寿命が尽きる)リスクを糖尿病でない方と同様にまで低減できていることを明らかにしました。この場合の運動習慣とは、「1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2回以上1年以上継続」と定義されています。

運動することで、認知症の予防効果があることも明らかになっています。これら以外にも運動には様々な効果が期待できます。
日常生活における身体活動でもたらされる健康効果

通勤時に歩くようにする、出来るだけ階段を使う、休日に散歩を始めてみる、など、ほんの少しずつでも生活習慣を見直してみませんか。

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