新型コロナウイルス感染症の後遺症に対する糖尿病治療薬であるメトホルミンの影響
体重を落としながら、血糖値を下げる飲み薬が注目されています。日本では2014年から登場している薬なのですが、最近使用量が増えてきています。
このSGLT2阻害剤と言われる薬には、尿糖を増加させることで、1日に80g〜90g程度の糖分を体外に排出させる作用がありまます。糖は、1g当たり4kcalですので、この薬には1日に約350kcal程度のエネルギー軽減効果があります。その結果、約2〜3kgの減量効果と、HbA1cを約0.6〜0.8%低下させる効果が報告されています。
350kcalと言えば、おにぎり2つ分やバナナ4本分に相当しますので、この薬のパワーが想像しやすいかもしれません。
さらに、心筋梗塞の既往がある方や動脈硬化が進行している方が内服する事で、新たな心筋梗塞の再発を予防するという効果が、いくつかの大規模臨床試験で報告されています。
腎不全や心不全の予防に対する効果も期待されており、「元気で長生き」に貢献出来るお薬ではないかと注目されています。
勿論、お薬ですので注意点もあります。
1つは、陰部のかゆみや膀胱炎です。「尿糖をだすお薬→尿に糖をだすお薬」であり、陰部が不潔になる可能性があるため、清潔にしておく事が大切です。特に尿道が短い女性は注意が必要です。
2つ目は、痩せ過ぎです。体重を落としたい方には良いかもしれませんが、体力が低下している高齢者などの痩せたくない方は要注意です。
どんなお薬でも良い点と注意点があります。お薬の特徴を把握して、ご自身に合ったお薬を一緒に選んでいきましょう。