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松田友和

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松田友和(まつだともかず) / 内科医

糖尿病内科まつだクリニック

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コラム

インクレチンで血糖コントロール?

2019年9月20日

テーマ:糖尿病治療薬

コラムカテゴリ:医療・病院

コラムキーワード: 糖尿病 食事糖尿病 症状糖尿病 予防

血糖値が高い時だけ膵臓からのインスリン分泌を促し、血糖値が低いときはインスリンを出さないので、低血糖が起こらない薬があることをご存知ですか?

専門的な内容となり恐縮ですが、これはDPP4阻害剤という薬で、実は日本の糖尿病治療薬の中で、最も多くの患者さんが内服されています。今から約10年前に登場したばかりですが、あっという間にシェアナンバーワンになりました。

人が食事をした際に膵臓からインスリンが分泌されて、血糖値を一定に保っています。このインスリンの分泌を促進させるホルモンが食事による刺激で小腸から分泌されることが知られていました。このホルモンをインクレチンと言います。通常であれば、食事刺激で小腸から分泌されたインクレチンは、DPP4という酵素で数分以内に分解されます。DPP4阻害剤は、この酵素の働きを邪魔することで、インクレチンの働きを強めて、インスリンの分泌を増強させます。もともとインクレチンは血糖値が高い時だけしかインスリン分泌を促進させないので、このDPP4阻害剤も血糖値が低いときは、働かないのです。
低血糖だけでなく、その他の目立った副作用もないので、あっという間に多くの患者さんに利用してもらえるようになったのです。

腸管から分泌されるインクレチンには、インスリンを出す働き以外にも、腸管の運動を抑制したり、食欲を抑えたりと、様々な働きがあることもわかっています。これらの働きを利用した注射薬も登場しており、体重抑制などに貢献していますので、またの機会にご紹介させていただきます。

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