尿から糖分を捨てて血糖値を下げるお薬
1つの薬の中に複数の薬効成分が配合された薬のことを、「配合剤(合剤)」と言います。
糖尿病領域においても、近年配合剤が使用されることが増えてきています。
エクア(DPP4阻害剤)+メトグルコ(メトホルミン製剤)=エクメット
ネシーナ(DPP4阻害剤)+メトグルコ(メトホルミン製剤)=イニシンク配合錠
カナグル(SGLT2阻害剤)+テネリア(DDP4阻害剤)=カナリア
スーグラ(SGLT2阻害剤)+ジャヌビア(DPP4阻害剤)=スージャヌ
ジャディアンス(SGLT2阻害剤)+トラゼンタ(DPP4阻害剤)=トラディアンス
などなど。。。
これら以外にも多くの配合剤が登場し、多くの方が内服されています。
配合剤のネーミングも、何と何の合剤なのかがわかるようによく考えられています。
配合剤の利点は2つあると言われています。
1、飲み忘れの防止
内服薬の飲み忘れは、血糖コントロールがうまくいかない大きな原因の1つであると言われています。
2つの薬を1つにまとめることで、内服薬の数を減らすことで、飲み忘れを減らすことができることが明らかになっています。
内服薬数のアンケート結果でも、10個以上の薬を飲んでいる方でも、配合剤にすることで内服薬が1つでも減ることを望んでいる方が多いことが報告されています。
2、お薬代が安くなる
配合剤にすることで、それぞれ単剤の価格を合わせた額より安くなります。
例えば、1錠あたりの価格(2019年11月時点)で考えてみますと、
カナグル(182円)+テネリア(147.7円)=カナリア(280.1円) 差額 47.6円
スーグラ(197.5円)+ジャヌビア(127.7円)=スージャヌ(256.3円) 差額 68.9円
ジャディアンス(193.5円)+トラゼンタ(146.4円)=トラディアンス(283.2円) 差額 56.7円
それぞれ、1日1錠の内服薬ですから、1ヶ月で1500円~2000円くらい安くなることがわかります。
これらは、それぞれの単剤をそのまま合わせたものが配合剤になっていますので、効果は配合剤にしても変わりません。
つまり、例に挙げた3つの配合剤は、それぞれの単剤を別々に内服した場合と比べると、効果は同じで負担額は3割負担の方で月に500円程度お得になります。
内服薬を数多く飲んでいらっしゃる方は、ご自分のお薬の組み合わせで配合剤に出来るものがないか確認されてみても良いかもしれません。