「墓じまい」を考える前に読んでほしい物語(22)「桜咲く春の奇跡」/サカナさん(50歳)

能島孝志

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テーマ:お墓物語

お墓にまつわるエピソード集「お墓物語」 

一見、同じように見えるお墓だが、実はそれぞれのお墓には、
それぞれの思いと数々のエピソードがあります。

全国の墓石を含む石材関連業者約1,300社が加盟する、
日本最大の業界団体である、(一社)日本石材産業協会では、
お墓にまつわる感動的なエピソードを集めた小冊子、
「お墓物語」を、2011年3月に発行いたしました。(非売品)


お墓にまつわるエピソード集「お墓物語」

「お墓物語」を発行するにあたり、作品を募集したところ、
全国各地から数多くの応募作品が寄せられました。


その中から33名の方の作品がこの小冊子に収められています。


涙あり、笑顔あり、驚きありの素晴らしい物語ばかりです。


マスコミ等で「墓じまい」ばかりが大きく取り上げられる昨今において、
「お墓ってこんなに素晴らしいものなんだよ」ということを、
今一度、一人でも多くの人に気づいていただければと思い、
ここに、33話、全ての物語を順にご紹介させていただきます。

これまでに、以下の21作品をご紹介いたしました。

(1)「祖母との出会い」/三浦るるさん
(2)「お墓参りの不思議」/伊東徳久さん
(3)「祖父のお墓で」/水野真由美さん
(4)「おはからい」/漣ほたるさん
(5)「星よりも近く」/倉木敬人さん
(6)「泣き虫」/藤田徹朗さん
(7)「田舎のお墓を訪れて」/長坂隆雄さん
(8) 「祖母の墓を抱きしめて」/梅山太郎さん
(9) 「祖母VS母・お墓バトル」/森下純一さん
(10) 「一片の桜」/咲ママさん
(11)「心の掛け橋 」/棚橋すみえさん
(12)「おじいちゃんがくれたもの」/匿名希望さん
(13)「お墓物語」/寺田聡さん
(14)「温かい土」/渡辺笑子さん
(15)「父の死と我が使命」/匿名希望さん
(16)「孫に引かれて歩む道」/今野芳彦さん
(17)「墓石は語る」/伊東静雄さん
(18)「癒しの園」/加納一馬さん
(19)「家族の縁をつなぐお墓」/ももいちごさん
(20)「プロポーズはお墓で」/仁平井清次さん
(21)「お墓が仲人」/岡部晋一さん

今回は、福岡県在住のサカナさんの作品、
「桜咲く春の奇跡」をご紹介させていただきます。
心温まるエピソードを通じて、家族や大切な方との絆や、
命の尊さを考えていただくきっかけになればと考えております。


「桜咲く春の奇跡」/サカナさん(50歳・福岡県)

このお話は、私がお墓の仕事について間もない頃の話です。


平成18年4月、少し肌寒い風が残る春の日のことでした。


正午前、ご年配の男性が霊園を訪ねて来られました。


「ここに○○家と言うお墓がありますか?」
と訊かれたため早速探してみると、二つのお墓があり、
案内をするために一緒に墓地へ行きました。

一つ目のお墓は別の男性がお参りしていたので、
もう一つのお墓へ行くと、男性は霊標を覗き込みました。

すると「やっぱりここです」と言い、
続けて「これが私の父と母です。私は○○と言う者ですが、
20歳のときに父に追い出され、今まで親兄弟にも会っていなかった。
大阪の親戚から今になって、
ここにお墓があることを聞き探しにきました」
と話しお参りをされました。


しかし、お墓参りが終わり帰り道のことです。


先ほどもう一つのお墓にいた男性とすれ違いましたが、
○○さんは気になったのでしょう、その男性に話しかけていました。


少し離れたところでお待ちしていたところ、様子が変です。


その男性は目頭を熱くしている様でした。


長くなりそうなので、私は事務所に戻りました。




ようやく、○○さんが事務所に戻ってきたとき、
○○さんの目は真っ赤になっていました。

「先ほどの方はお知り合いですか?」と尋ねると、
声を震わせ、「今日は来てよかった、あの人は私の弟です」


その瞬間私の目からも熱いものが込み上げてきました。


「私は今80歳を過ぎ、一人で暮らしています。
20歳のとき家族と別れ、今の今まで両親も兄弟も、
どこに居るのかも知りませんでした。顔も忘れていました」


奇跡的な60年後の再会です。


こんなことが本当にあるのですね。


私は他人ですが、この仕事についてよかったと思いました。


不思議な思いが体の中から湧き出てきました。


帰りにお二人と話をしましたが、
分かったときは言葉もなかったそうです。

「今でも何を話していいのやら、
ただただ両親が呼んでくれたのです」
と言葉少なく二人は涙と笑顔でした。


あと30分ずれていたら60年ぶりの再会は無かったかもしれません。


お墓の力って凄いですね。


お兄様は「これからはお参りに来ます」、
弟様は「今は姉と暮らしています。
兄は死んだと思ってました。兄弟が一人増えたけど、
これからどうしたらいいか解らんです」
と言いながら帰って行かれました。




今も別々ですが、お二人のお花が○○家のお墓には、
絶えずお供えされています。


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なお、部数に限りがありますので業者の方のお申し込みはご遠慮ください。


             
            ~つづく~



次回は、前田喜久子さん(60歳・兵庫県)の作品、
「お墓で集うイトコ会」をご紹介させていただきます。


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