「墓じまい」を考える前に読んでほしい物語(6)「泣き虫」/藤田徹朗さん(46歳)
お墓にまつわるエピソード集「お墓物語」
一見、同じように見えるお墓だが、実はそれぞれのお墓には、
それぞれの思いと数々のエピソードがあります。
全国の墓石を含む石材関連業者約1,300社が加盟する、
日本最大の業界団体である、(一社)日本石材産業協会では、
お墓にまつわる感動的なエピソードを集めた小冊子、
「お墓物語」を、2011年3月に発行いたしました。(非売品)
「お墓物語」を発行するにあたり、作品を募集したところ、
全国各地から数多くの応募作品が寄せられました。
その中から33名の方の作品がこの小冊子に収められています。
涙あり、笑顔あり、驚きありの素晴らしい物語ばかりです。
マスコミ等で「墓じまい」ばかりが大きく取り上げられる昨今において、
「お墓ってこんなに素晴らしいものなんだよ」ということを、
今一度、一人でも多くの人に気づいていただければと思い、
ここに、33話、全ての物語を順にご紹介させていただきます。
これまでに、以下10のをご紹介いたしました。
「お墓物語」作品紹介(1)「祖母との出会い」/三浦るるさん
「お墓物語」作品紹介(2)「お墓参りの不思議」/伊東徳久さん
「お墓物語」作品紹介(3)「祖父のお墓で」/水野真由美さん
「お墓物語」作品紹介(4)「おはからい」/漣ほたるさん
「お墓物語」作品紹介(5)「星よりも近く」/倉木敬人さん
「お墓物語」作品紹介(6)「泣き虫」/藤田徹朗さん
「お墓物語」作品紹介(7)「田舎のお墓を訪れて」/長坂隆雄さん
「お墓物語」作品紹介(8) 「祖母の墓を抱きしめて」/梅山太郎さん
「お墓物語」作品(9) 「祖母VS母・お墓バトル」/森下純一さん
「お墓物語」作品紹介(10) 「一片の桜」/咲ママさん
今回は、高知県在住の棚橋すみえさん(60歳)の作品、
「心の掛け橋」をご紹介させていただきます。
心温まるエピソードを通じて、家族や大切な方との絆や、
命の尊さを考えていただくきっかけになればと考えております。
「心の掛け橋 /棚橋すみえさん(60歳・高知県)
いま思えば、母は自分の死期が近いのを、
本能で感じとっていたのかもしれませんね。
「そうや、すみちゃん、私が死んだら納骨堂(※)にしいよ。
お父ちゃんは土倉やったき、その骨を拾うて、
私と一緒に納骨しちゃってよ!」
母は日ごろの何でもない会話をしているときでも、
ふと思いついたように、
こんなことを口にするようになってから、
一年後あっけなく逝ってしまったのですから…。
もっとも、私はその度「なに良いゆうぞね。
そんなに元気ながやき、まだまだ死にやせんわえ」
と笑いとばしていたのですが…
「結婚して18年目にやっとあんたが出来て喜んだのも束の間、
お父ちゃん100日目に死んでしもうたわえ。
その後、あんたを育てるに必死で病気する間らなかったぞね」
何度となく聞かされたこの話通り、
確かに母は父から引き継いだ酒屋を切り盛りし、
朝から晩まで働きづめだったものです。
だから、私は心のどこかで母は、
百も二百も生きるのだと、ずっと思い切っていた。
でも、母はやはり逝ってしまった。
それも、脳梗塞で倒れ、わずか一週間で…。
「死ぬまで元気に働いて、あんたの世話にならんように、
トンコロリンと逝きたいもんよ」
と生前本人が望んでいた筋書きどおりに…。
あれから17年。
夫のおかげでなんとか建てられた納骨堂には、
いま母の遺言通りに父と母の遺骨が納められています。
先日の彼岸にも夫と共に墓参りに行きました。
「お母ちゃん、この不景気で酒屋もいかんなりゆう。
ごめんでえ」と、まず近況報告。
無論、母は何も応えてくれないけれど、
墓前で合掌しているだけで心の会話が弾み、
気持ちがスーッと安らいでくるから不思議です。
多分、それはお墓が黄泉の国の母と、
私の心の掛け橋になっているからなんですよね…。
「来年の春はひ孫をつれてくるきにね」、
と声をかけながら、墓地を後にしたことでした。
※本文中の「納骨堂」とは、
この地方では先祖墓のことを言います。
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FAX・メールには、"「お墓物語」希望/マイベストプロ神戸"とご記入の上、
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・FAX:078・515・2737(24時間受付)
・メールでのお申込みはこちらまで
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「お墓物語」は、近畿地方の方限定でお送りさせていただきます。
なお、部数に限りがありますので業者の方のお申し込みはご遠慮ください。
~つづく~
次回は、匿名希望さん(20代・千葉県)の作品、
「おじいちゃんがくれたもの」をご紹介させていただきます。
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