お墓は要る!要らない?(1)近年における葬送の変化
(1)近年における葬送の変化
(2)「生と死の尊厳」の回復
(3)『先祖の話』解説講演会開催
(4)『先祖の話』解説講演会①人は死んでも生きている?
(5)『先祖の話』解説講演会②お墓ってなんだろう?
(6)『先祖の話』解説講演会③肉体と魂の行き場所
〜上記のコラムからの続きです〜
以下は、2014年9月23日(火・祝)に神戸国際会館で行われました、
小畠宏允氏による、『先祖の話』解説講演会の内容を解説したものです。
どうやってご先祖様を呼ぶのか?
前回のコラムで、魂は天に帰り、肉体は大地に帰るという、
「魂魄(こんぱく)」についてお話をさせて頂きました。
このように、人間が死ぬと両者は分離して、
上下に飛散すると考えられていました。
大地に帰った遺骨をお墓に祀りお参りすることはできますが、
天に帰った魂、すなわちご先祖様を天まで探しに行くことはできません。
そうすると、天に昇ったご先祖様を地上に呼ばなければなりません。
どうやって呼ぶのかというと「招く」のです。
ご先祖様の霊魂を地上に招くことを「招魂祭祀(しょうこんさいし)」、
あるいは、「先祖祭祀(せんぞさいし)」「先祖まつり」と言います。
霊魂はお招きすると、天から降りて来てくれるのです。
そして、おまつりが終わると、また天に帰っていくのです。
では、どこにお招きするのでしょう?
それは「お位牌」などにお招きするのです。
お位牌は霊魂の「依り代(よりしろ)」なのです。
依り代とは、民俗学用語で「霊がよりつくための対象物」で、
ご位牌に依りついた霊魂をお祀りするのですが、普段は居ません。
普段は居ないが、呼ぶとすぐに入ってきてくれるのです。
ただ、ご先祖様は、いつ呼ばれているか分からないので合図をします。
仏壇の前でお鈴を「チン」と鳴らす。
神棚に向かって手をたたく。
神社に行って鈴を鳴らす。
これらはすべて、ご先祖様を呼ぶ合図なのです。
霊は「一瞬にして千里を走る」と言われるほど速いので、
仏壇、神棚など、呼べばどこにでもすぐに来てくれます。
そして、おまいりが終わると天に帰っていきます。
このように、霊は「生きている」のです。
分霊(ぶんれい)とは?
私(小畠宏允氏)は現在、横浜に住んでいますが、大阪に兄がいます。
では、仮に私たち二人がある日の同時刻に仏壇の「お鈴」を鳴らしたら、
亡くなった、親父とおふくろの霊はどちらに行くのでしょう?
長男のところに行くのでしょうか?
それとも、私のところに来るのでしょうか?
はたまた、兄と私の両方のところに来るのでしょうか?
実は、どちらにも来てくれるのです。
霊は分けることができるのです。
これを「分霊(ぶんれい)」と言います。
べつに、特に驚くほどのことではありません。
だって、八幡(はちまん)さんは、日本中にたくさんあるじゃないですか?
お稲荷さんもしかりです。
八幡さんなら、大分県の宇佐神宮(宇佐八幡宮)から分霊され、
お稲荷さんなら、京都の伏見稲荷大社から分霊されたものです。
みなさまの家の神棚に祀ってある、天皇家の氏神である、
「天照大神(あまてらすおおみかみ)」も分霊を頂いているのです。
また、霊はいくら分けても本来の持つ力と性質を発揮してくれます。
ちょうど、アメーバが細胞分裂をするような感じで、
「分霊」をしても霊の力は全く衰えることがないのです。
このように、霊(ご先祖様)をお祀りするということは、
誰でもが、いつでもどこでもできることなのです。
~つづく~
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