【Vol.5】どうしたらいいのか、の答えをどこで見つけたらいい? -ケアラーの違和感を評価軸に育てる方法-

西岡惠美子

西岡惠美子

テーマ:ケアラーの閉塞感をほどく

【Vol.5】どうしたらいいのか、の答えをどこで見つけたらいい? -ケアラーの違和感を評価軸に育てる方法-



1.私たちが感じる違和感の正体


前回(第4回)で、私たちケアラーが時間が経過することで感じ始める「違和感」についてお話ししました。

専門家のアドバイス、私的、一般的な「ケアする家族像」とは。
これらは間違っているわけじゃない。
けれど100%実践しようとすると、どうしたって無理な部分が出て来たり、要らないものがあったりする。

「確かにその通りかもしれない、だけど……」

という気持ちがわいてくるようになります。
この気持ちが、私たちケアラーが次のステップへ進むためのサインとなる「違和感」なのです。

2.この違和感って、どこで顔を出す?


「違和感」って、ケアに限らず今までもどこかで感じたことがあるはずです。

  • 何か変?
  • これじゃない気がする
  • 何か合わない


感情、というほどホットじゃない。
考え、というほど論理的でもない。
でも時々顔を出して、私たちの足を止めてきます。

些細だからスルーしようと思えばできます。
でもケアラー役割の中で感じた「でも、それ(一般論)ってさぁ」みたいな違和感は、出来る限りスルーしないでいただきたい。

なぜならそこで感じている違和感こそが、「自分が無理せず続けていけるケア生活」への入り口だからです。

とはいえ、普段感じる違和感動揺些細だから、忙しさや疲労に紛れてスルーしてしまってもおかしくありません。
どうやって気づけばいいでしょう。

それは例えばこんな場面です。

「頑張って我慢して家族を支えてすごいわね」と言われて嬉しく思えなかった
「本人が静かにゆったり過ごせる環境を用意してください」と言われて「私は?」と思った。
「病気になる前の状態に戻ることを目指しましょう」と言われて、心がワクワクしなかった


としたら、これが違和感です。

3.違和感が示す「評価軸」って何だろう


ではなぜ違和感が大事なのでしょう。
前回もお話ししましたが、ケアする中で違和感を感じ始めたら、それは「専門家が示す理想的な状態」や「世間一般のステキなケア家族イメージ」が、自分たちにそっくりそのまま当てはまらないと分かった、ということです。

つまり「自分たちに合うケア生活・療養生活とは何か」を作っていくための、最初のサインがこの違和感なのです。

とはいえ、違和感だけだとやはり弱い。というか「じゃあどうしたらいいの?」を考えるには足りません。

たとえば先ほどの事例を見てみましょう。

「頑張って我慢して家族を支えてすごいわね」と言われて嬉しく思えなかった。

字面だけ見れば褒め言葉です。きっと言った人も褒めてる。でも言われたこちらは嬉しくない。
嬉しくないということは、今やっていることを自分で評価してない。いいと思ってない。
だとしたら、どうすることが良いと思っているのか。
どう言われたら、自分は嬉しいと思うのか。

×頑張って ⇒ ○色々考えて
×我慢して ⇒ ○無理なく両立して
×家族を支えて ⇒ ○あなたはそれでいいの?


言ってもらいたいこと、気づいてほしいこと、問うてもらいたいことが出てきます。
それに対する答えこそが、これからあなたがケアを続けていくなかで悩んだ時に活用できる「評価軸」になるのです。

4.評価軸を持つことで、私たちはどう変われるか


自分の意思を反映させた評価軸が確立すると、どうなるでしょうか。
評価軸がある、ということは、迷ったときにそれを元に判断出来る、ということです。
ですから、

  • どちらにしようか決められない、ということが減る
  • 他人の声、他人の目を重視しすぎることが無くなる
  • 自分の選択・決断・行動に一貫性が生まれる
  • 「自分で決めている」という実感が自信を高めてくれる
  • 間違った!と思っても、もう一度評価軸に戻って考えなおせる


ようになっていきます。

ケアの負担が無くなるとか、評価軸が生まれたから家族が劇的に回復する、ということではありません。
私たちの一番の壁「不安」と「迷い」を減らし、整理し、必要な選択肢を導きやすくしてくれる。

それが自分の違和感から育てた「評価軸」の効果です。

5.テンプレートなケアから離れて自分たちらしさを掴む


最初は誰でも初心者です。
専門家の意見を聞いてその通りにやってみることが、一番正しいやり方です。

でもそれは「最初は」です。
ずっとその通りにやり続けなきゃいけないわけじゃない。
専門家の意見で土台を作ったら、あとは自分と家族の状態を見ながらカスタマイズしていく必要があります。

それが「自分達らしいケア生活」で、つまりは「自分達だけの人生」の入り口なのです。


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西岡惠美子
専門家

西岡惠美子(カウンセラー)

惠然庵(けいぜんあん)

◆うつ病患者家族支援…うつになった家族を支えるご家族を支えます(家族側のカウンセリング・コーチング)◆自分軸構築コーチング…充実した人生の土台となる「自分軸」の構築をお手伝いします

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