【第二日】フィリピン マニラ経済圏 マカティ市から、市場調査状況をリアル発信します
1、調査対象を絞り込む
到着日・第一日の2日間で、市場の価格感や各エリアにいるヒトの感覚など、大まかな情報を肌で感じて、マクロ的な感覚を掴みました。
海外の都市は、どこでも、そのエリアによって、ヒトの構成層が全く違います。日本の東京では、中央区と江東区では、動いているヒトが皆、同じ顔をした日本人ですから、「墨田川を渡ると、ヒトの構成層やマーケットが激変する」という状態に、日本人は慣れていません。
しかし、欧米であれ、アジアであれ、都市では、エリアを一区画動くだけで、構成層や所得層が全く異なります。したがって、ターゲットにする構成層の異なるエリアにビジネスを展開しても、全く成功しません。ですから、日本でいくら地図を眺めても、ターゲットエリアは、全くわかりません。それが、現地でのマーケット調査の絶対的必要性なのです。
そこで、新しいビジネスエリアのマーケット調査を行う場合、まずはじめは、日本で、徹底的に信頼できる書籍やデーターベースを使い、どこのエリアにビジネスターゲットがいるのかを綿密に調べます。宿泊するホテルも、そのエリアのホテルに予約して、行動拠点とします。
そして、現地では、自分の足(絶対に、クルマで移動するのでは、現地の微妙な感覚は掴めません)で歩き、事前の調査情報を現地で確認しながら、調査ターゲットエリアを絞り込んでいきます。
僕は、新しい進出エリアのマーケット調査は、必ず一人で単独行動し、そのエリアを自分の足で動き回ります。目・耳(現地の人たちからの英語での情報収集)はもちろん、舌(食に関する情報)・鼻(町の匂いに関する情報)・触覚(商品を手に取る)の五感を総動員し、第六感(長年、海外ビジネスで培ってきた勘)をフルに動員して、自分の感性で、あらゆる情報を吸収しながら、街を歩き、次第に、調査ターゲットを絞ります。
日本人は、海外で語学力や自衛力に自信がないために、よく、同僚や友達と、新しい都市にみんなで調査に行きます。あれは、バカンスや遊びであって、マーケット調査にはなりません。
マーケット調査は、事前の情報収集・現地にたって総力を結集する現地情報の収集・長年の海外マーケットの勘、の、三本の要素を総動員して、一人で行うのが、最も効果的です。
今回のフィリピンのマカティ市の調査でも、そのようにして、滞在3日めには、ビジネスターゲットを絞り込んだ、最終の調査に入りました。
2、調査の最終の絞り込みへ
調査のまとめを行う3日目は、今回の依頼を受けているクライアント企業様の、ビジネス・スキームに適合する店舗エリアを確定させるため、絞り込んだエリアを歩きます。
3日めになると、交通状況も呑み込め、エリアのマップもアタマに入るため、最初の日に比べて、格段に調査スピードも上がってきます。
報告用の写真を大量に撮影し、周辺の環境を確認し、物流やトラック配送の便宜を確認します。
同時に、進出に必要な細かい情報(電気・水道・災害対応・トイレ事情・交通事情・大気汚染状況・その他環境情報など)を、取りまとめて、クライアントに報告を行います。
3、マーケティング調査は、その後の事業のスキーム作りの礎
海外進出をご依頼いただくクライアント企業様では、進出担当の方が、社内報告をおこなうための企画書を作成されて、マネジメント層に御報告をされるため、その基礎情報を提供することが、僕たち、進出支援コンサルの重要な仕事になります。
多くの海外進出支援コンサルは、現地法人設立などの、現地代理人と英語のやり取りをするだけの、「英語さえ出来れば誰でもできるコンサル」が殆どで、クライアントの事業の最終的な事業の成功・拡大まで視野に入れて、総合的に行動し、ビジネス・スキームまで構築するようなコンサル会社は、おそらく、今の日本では、URVグローバルグループしかないと自負しています。
かつて、日本が高度成長を遂げ、日本企業と日本のビジネスマンが、世界から、「サムライ
」と恐れられた時代がありました。
当時、日本の海外進出の旗手だったのは、今の三井物産や住友商事など、日本を代表する総合商社の、日本人商社マンたちでした。
彼らは、アラブの砂漠を自分の足で歩きながら、原油掘削に立ち会い、オイルの権益を握る国のトップを現地で接待し、現地法人を自ら立ち上げて、一人で、ビジネスを創ってゆきました。この時代の彼らが、太平洋戦争終戦という、日本が焼け野原になった状態から、40年弱で、世界第二位の経済大国日本を創りあげた原動力になったのです。
しかし、それから40年たち、今の日本で、当時の商社マンたちのような行動をとれる日本のビジネスマンは、非常に少なくなりました。
大企業の現地駐在員の方々は、約3年間の現地駐在が昇進の要件という見地で現地に赴任し、日本人会の仲間だけとゴルフをして、帰国を待ちます。そして、日本に帰ると、現地での人脈もさしてないのに、その国の専門家のように振舞います。
一方、中小企業の経営陣は、現地のガイドに闇雲に連れまわされるだけで、事前調査も現地での調査も、現地法務も現地の情報も不十分なまま、事業に見切り発車し、結局、すぐに行き詰まって、撤退します。
海外事業では、事業コンセプトに基づく事業戦略、現地法務や現地財税務に基づく法務財務戦略、現地の雇用で生産性をあげる現地雇用や教育戦略、販路開拓やクロスボーダーで商品を動かす貿易販売戦略、そして、現地の事情と事業主体の強みを両立する事業モデルの開発など、総合戦で勝たなければなりません。
そのスタートに位置するのが、現地でのマーケティング調査なのです。
4、高いポテンシャルを確認したフィリピンでの調査
今回は、僕の過密なスケジュールを調整し、土日を含む4日間で、マーケット調査にフィリピンを訪問しました。
そして、事前に日本でたてたビジネスモデルの仮説を検証し、具体的な出店エリアを現地で絞り込み、現地での生活状況や消費者動向・価格調査などを、総合的に、一人で行ってきました。
その結果、日本でたてた事業スキームに問題がなく、市場には高いポテンシャルを見出し、事業の進め方に、確信を持つことができました。
最後の夜は、地上32階のデッキで、眼前に展開する超高層ビル群から吹く風と、ジャックダニエルのロックを楽しみ、明日は、日本の成田に向けて、帰国を致します。
2025年.僕は、更に周到を極めた総合的な事業戦略を持って、年初にフィリピンに戻ってきます。そして、2025年は、この国で、クライアントの事業を成功に導き、URVグローバルグループも、ここで、事業展開の礎を打ち立てます。
以上、3日連続で発信した現地発信でした。