売上5億円を超える事業を起業するタイミング ~逆風を利用して事業を起業する~

松本尚典

松本尚典

テーマ:起業 タイミング


1、飛行機は逆風に乗らなければ離陸できない


飛行機は、上空で飛行する場合、ジェット気流などの順風(後ろから吹く風)に乗ると、速度があがります。上空にあがった飛行機は、順風に乗って速度をあげ、逆風(前から吹く向かい風)に向かうと速度はおちます。

では、逆風は、常に飛行機にマイナスかといえば、そうではありません。

飛行機が、空港から離陸して、高度をあげる場合、逆風にのらなければ、順調に高度をあげることはできません。

強い順風がふく滑走路での離陸は、非常に高度な操縦技術がいるとされています。

2、逆風の時こそ、事業は上昇するチャンスだ


この飛行機と風の関係は、事業でも同じことが言えます。

事業が一定のレベルに達した場合、市場を取り巻く機会が順風であればあるほど、事業の売り上げがあがる速度は速くなります。一定のレベルに達した事業は、市場の脅威が強ければ、売り上げの成長の速度は落ちます。

しかし、事業を起業し、上昇させなければならに時点では、市場の脅威が強い逆風の時のほうが、起業が成功する可能性が高いのです。

起業が下手な人は、順風の外部環境に乗って起業をしようと企てます。しかし、それは、起業にとって、非常に難しいタイミングなのです。

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例えば、僕は、副業での起業を、「失われた30年」と言われた逆風の時期を通して、成功させました。また、本業にしていた大企業の役員の立場を離れ、独立をするためのURVグローバルグループの創業も、東日本大震災下の時期に計画し、実行に移しました。そして、いま、コロナ禍で、新規事業を、いくつも成功させて、売り上げを大きく上昇させました。

僕は、本業での独立も、その前の副業も、逆風の環境を利用して、上空まで上昇したのです。


逆風こそ上昇のチャンス

3、なぜ、逆風の時に、事業は上昇するのか?


では、事業はなぜ、逆風の時に起業するのが、よいのでしょうか?

それは、次の3つの理由によると僕は思っています。

  1. 逆風の時は、覚悟が決まる
  2. 競合が参入してこない
  3. 事業アイデアがわきやすい


逆風の時は覚悟が決まる


人間は、順風が吹いていると、既存の事業がうまく進みます。

新しい事業に進出をしなければならないという意欲は、ある意味、既存事業では限界があると認識したときに生じやすいといえます。

そして、新規事業の起業とは、どんな事業でも非常に覚悟がいるものです。実行に移す覚悟と、継続する覚悟です。

人間は、順風の時には、どうも、この覚悟が決まらず、かつ背水の陣をひくことができないものです。背水の陣をひくことこそ、最も、新規事業の起業にとって、成功する確率が高くなる状態なのです。

僕自身の事例


僕自身も、自分の人生の中で、新しい環境づくりに乗り出す決意や、新規事業の起業の決意をしたときは、逆風の時でした。

例えば、最近の事例で言いますと、2020年前半から世界を襲ったコロナ禍という逆風時です。

僕自身の事業は、2020年時点で、世界各国との連携の中で行っているグローバル事業が多く、新型コロナによって分断された世界の中で、僕は、想定していた事業の動きを止めなければなりませんでした。

2019年11月に、中国の武漢で発生した新型コロナウイルスによる世界の防御の体制の中で、URVグローバルグループの世界での売上高は、2019年12月単月で、対前年の半分にまで落ち込みました。

日本では、第一回の緊急事態宣言は、2020年の3月からスタートしますが、世界では、これより早く、コロナ禍の激震が始まっていましたので、URVグローバルグループの打撃は、非常に早かったのです。

日本でコロナ禍の第一回緊急事態宣言が出たのは、2020年3月でしたが、グルーバルマーケットで事業投資を行っていた僕は、その3か月前には、その投資事業の停止という、「想定外の大損害」を受けていました。そこで、思考停止に陥ったら、いくら資本の蓄積があっても、僕は、坂道を転げ落ちるように、転落をしてしまいます。

逆に、一方、僕は、その分だけ、他の日本企業よりも、この逆風に対する身構えが早かったのです。

僕は、2020年1月には、長期にわたる世界の分断が、過去になかったほどに続くことを覚悟しました。そして、分断に向けた各国のスタッフやパートナーの体制の整備を進め、僕が世界を動けなくても、各国の事業が推進できる体制を整えました。

そして、覚悟を決めて、分断による喪失した売り上げを奪回する新規事業の起業を開始したのです。

この新規事業の起業の結果、2019年度にマイナス30%に落ち込んだグループ総売上が、2020年度には、プラス50%以上に回復し、コロナ禍のマイナスを、1年で埋めることができました。

僕自身、コロナ禍という逆風で覚悟が決まり、コロナ禍時代に適合した新規事業を、次々に生み出して、コロナ禍前よりも、1年で大きく成長を回復したのです。

競合が参入してこない


逆風の時というのは、他の人が首をすくめているタイミングです。そのため、自分のアイデアを追随してくる競合が発生しにくく、参入障壁を築きやすいタイミングにあるといえます。

順風が吹いているときは、起業も多く、したがって、起業する人が情報を集めています。

例えば、自分のアイデアでベースに新しい事業を起業し、それが、初期段階で、メディアに取材されて報道される場合、その後、類似の競合が多数現れて愕然とする、ということは、多々あるものです。

特に、IT系の事業にはそれが激しく、投資をして開発したサイトやアプリが、課金開始から数か月で、類似サ-ビスに、座を奪われるということは、珍しくありません。

類似サービスというものは、それが、零細な起業に真似をされるのであれば、それほど怖くはないのですが、自分よりも資本力が大きい企業に真似をされると、自分を広告力で追い抜いてゆく事態も発生します。

資本力がない事業体の起業は、独自のアイデアを駆使して、世の中にないアーリーステージの商品・サービスを生み出し、地道に育てることが成功する方法です。他方で、資本力と既存事業の売り上げ規模が大きい事業体は、新規事業のスターティング段階から、一定の売り上げをあげるインパクトが必要なため、成長軌道にあったり、成熟したりしている商品・サービスに、一気に投資を投下して売り上げを奪いに行くことが成功する方法なのです。

零細な資本の事業体にとって、自分よりも圧倒的に資本力と売り上げ規模の大きい事業主体に、起業アイデアを真似されることは、非常に痛いことなのです。

このような事態は、順風が吹いているときは、非常に頻繁に起きますが、資本の大きい企業ほど、逆風がふくと、首をすくめるため、逆風の時には、起きにくくいなり、競合が現れずに、事業をある程度まで、成長させることができやすいのです。

事業アイデアがわきやすい


人間は、既存事業の業務におわれていると、なかなかアイデアをしっかり出そうとする時間がとれないものです。逆風の時は、新型コロナ禍で「おうち時間」が増えたように、時間ができるようになります。

例えば、サラリーマンの方が失業をすると、それまでに考えられなかったことを、じっくりと考えることができる時間が増えます。

このような環境は、新しい事業アイデアが沸き上がるのに、とても好都合です。

4、逆風の時に離陸して上昇し、順風に乗って前進する


多くのヒトは、順風のときは、喜んで前進しますが、逆風では立ち止まってしまいます。

株式投資などでは、安い時に買って、高い時に売るのが投資利益を出す秘訣です。安い時というのは、周囲がおびえて買えないときです。一方、高い時というのは、周囲が強気になっていて、更にあがると思っているときです。

株式投資では、このように、周囲の心理とは逆の心理を自ら作り出して投資する方法を「逆張り」と呼びます。

これと同じように、事業投資では、逆風の時に新規事業を離陸させて立ち上げ、順風にのって、推進をさせて投資利益を回収するのが、優れた事業投資家の行動パターンです。

5、逆風の中で事業を上昇させる事業家の発想


天候と同じに、社会もまた順風と逆風が吹きます。
そして、独りのヒトの人生にもまた、順風満帆な時もあれば、逆風が吹くときもあります。

順風の時に、調子に乗り、逆風になると落ち込むというには、人情なのかもしれませんが、それは戦略的な生き方とはいえません。

今の自分に順風が吹いているのか、あるいは逆風の時なのかを、冷静に見分ける目を賢人は持っています。順風の時と逆風の時には、それぞれ、仕事の進め方の内容が異なるのです。

特に逆風の時には、それを悟って、無理に既存事業を風に逆らって進めるのではなく、時宜になった事業を、逆風を利用して、事業を綿密に計画して上昇させることに集中することがその後の成功を導きます。

逆風の時は、収穫が少なくてもそれに耐え、その後の成功を見据えて、しっかりと種まきの投資を行うことこそ、とるべき道なのです。

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松本尚典(経営コンサルタント)

URVグローバルグループ 

経営者の弱みを補強して売上を伸ばし、強みをさらに伸ばして新規事業を立ち上げるなど、相談者一人一人の個性を大切にしたコンサルティングで中小企業を成長させる。副業から始めて、独立で成功したい人も相談可能。

松本尚典プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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