年収のカラクリ ~年商5億円を超えた経営者たちの、自分の年収の決め方の技~
目次
1、老化は、高齢化と同時に進行していない
高齢化は食い止められないが、老化を食い止めることはできる
日本は、世界でもっとも進行が早く少子高齢化が進んでいる社会です。
この少子高齢化とは、国民の平均年齢がアップし、生産人口が減少し続けることを意味しています。
しかしながら、高齢化よりも深刻なことは、老化が進むかどうかです。
高齢化と老化は、必ずしも一致しているわけではありません。
このコラムを書いている僕も、毎年、年をとっていきますし、僕自身で、高齢になることを防ぐ方法はありません。しかし、老化は、これを努力と習慣で、ある程度、食い止めることができます。
人間は、不老不死にはなれませんが、老化を遅らせることはできるのです。
経営者やビジネスマンにとって、高齢化を食い止めることはできませんが、老化をある程度食い止める努力をすることは重要だと、僕は思います。
高齢化は、必ずしも経営者やビジネスマンにとって、悪いことではありません。人間は、年齢があがると、流動性知能が衰えるかわりに、結晶性知能が発達します。経営やビジネスの成功は、むしろ、流動性知能よりも、結晶性知能のほうが、重要な要素になります。これが、高齢者のほうが、若者よりも、事業で成功する理由です。
しかし、経営やビジネスにとって、大敵なのは、老化です。老化が進むと、これは、経営やビジネスにとって、決定的にマイナスに働きます。
よって、経営やビジネスを行う人は、高齢化が進んでも、老化をできる限り食い止めれば、その成功の可能性は大きくあがります。
老化の、3つのファクター
老化は、3つの要素から成り立っています。
- カラダの老化
- アタマの老化
- ココロの老化
そして、この3つの要素は、バラバラに進むのではなく、相互に関連しながら、進みます。
したがって、老化を食い止めるには、カラダ・アタマ・ココロの3つの老化を、同時に食い止める必要があります。
高齢者の多くは、老化をカラダの老化を中心に、「健康法」でこれを食い止めようとしています。これは確かに、大切なことです。
しかし、他方、カラダだけ老化を食い止めようとしても、アタマとココロの老化を食い止めないと、カラダも、老化も進んでしまいます。
老化は対策を意識的にたてないと、35歳程度から進み始める
そして、老化は決して中高年だけの話ではありません。
現在の私たちは、医学の驚異的な発展で、平均寿命が80歳をこえています。しかし、つい100年前くらいまで、人間の平均寿命は、50~60歳程度でした。したがって、人間のカラダは、対策をたてずに放置しておけば、35歳程度から老化が進み始めます。したがって、寿命としては80歳まで生きているが、健康年齢的には、人生の半分で、活力や気力を失い、身体の不調を訴え、周囲に老害をさらして迷惑をかけることにもなりかねません。
一方で、カラダ・アタマ・ココロの老化をしっかりと食い止める努力を行えば、80歳程度まで、老化の進行を遅らせて、元気に生き生きと活動を続けることもできます。
老化の有無が、経済力にも大きく影響する
この差は、経済力にも大きく影響します。
カラダ・アタマ・ココロのすべてが健康なまま、経験を積み重ねていくことができれば、その生産性は、向上し続けてゆきます。そのため、極めて高い生産性が実現でき、その経済力は、向上します。
昔から言う、「大器晩成」といわれるヒトは、経験を積み上げながら、カラダ・アタマ・ココロの健康を維持し、その結果、中高年に至って、モノゴトを成し遂げるヒトを指します。
若くして成功し、その後、人生の下り坂に入るヒトに比べて、世界でも、高い信用と敬意をえることができるのが、「大器晩成」型のヒトです。
カラダ・アタマ・ココロの健康は、大器晩成にとって、必須の要件となります。
2.体が健康でも、老化が進むヒトの典型例
ここからは、カラダ・アタマ・ココロの健康の重要性を具体例でみていきましょう。
僕の周囲の事例
まずは、僕の周囲のヒトの話から入ります。
僕は、26歳のアメリカの大学院留学から、40歳までの間、アメリカで勉強と仕事をしていました。そのため、この間、仕事の関係をのぞく、日本での友人関係などが、途絶えていました。
40歳で日本の東京に居住を移した後、小学校から大学まで、様々な同窓会のメンバーから、同窓会を誘われるようになりました。コロナ禍の前まで、こうして、中高年になった同い年の旧友と会うようになりました。
ちなみに、2023年6月の本コラムを執筆している現在、僕は、56歳になっております。
同窓会というのは、同年の人たちばかりが集まる会であるわけです。このような年齢が同じ会に出ると、逆に、同じ年齢の間でも、老化の進行の程度が、本当に違うのだなということが、よくわかるのです。
同窓会というのは、どこの会でも同じですが、すべてのクラスメイトが集まるわけではなく、同窓会が好きな固定メンバーだけが集まるようになるものです。ですので、集まっている人というのは、どちらかというと、社交性が高く、人間関係に好奇心が強いタイプの方になります。
このようなタイプの方は、どちらかというと、ココロの老化が進みにくく、カラダも同窓会に出てくる体力があるわけですから、老化が、比較的進んでいない方が多いと思います。そして、経済的にも、ある程度、余裕があるメンバーなのだと推察できます。
ただ、そうであったとしても、やはり、その中には、
「この人、学生時代は、あんなに活発だったのに、老けたな」
と感じる人がおられます。
そうかと思うと、活き活きとれていて、
「昔は、そんなに目立たなかったけど、この人とは、改めてお付き合いをしていきたいな。」
という人もおられます。
同じ年齢でも、環境や生活の仕方で、老化の程度が大きく異なるという実感を、同窓会で受けるわけです。
若くても老化が進む経営者
先に書きました通り、老化は、僕のような中高年の問題だけではありません。数世代前まで、平均寿命が50歳から60歳程度だった人間は、35歳あたりから、老化が進み始めるといわれています。
特に、アタマとココロの老化は、カラダの老化と異なり、本人は老化とは気づきにくく、その食い止め策が遅れる傾向にあるようにかんじます。
アタマとココロの老化は、脳の組織の衰えにより、前頭前皮質のパフォーマンスの低下によって引き起こされるというのが、有力な説です。前頭前皮質は、成人するあたりから最初の衰えがはじまります。
経営者としては、まだ若手の、35歳程度の方でも、僕のような経営コンサルサントからみて、「素早い分析や創造的な発想ができなくなる」「マルチタスクが面倒になる」「気が散りやすく、集中力がもたない」などの傾向が、同時に進んでくるヒトを時々見かけます。それが、前頭前皮質の機能低下のサインとなり、アタマと、それに続くココロの老化の兆候となります。
年齢が高くても、老化していない方
一方、年齢が高くても、老化が進んでいない方にも、仕事上、よく出会います。
先日、エンターテイメント事業の仕事で、女優の由美かおるさんにお目にかかりました。由美さんは、1950年生まれですので、すでに、70代でいらっしゃいます。しかし、外見的にみても、僕と同じ程度の年齢にしか見えず(僕は55歳ですが、実際、僕も40代くらいに見られます)、身体の老化が進んでおられません。
そして、それ以上に、お話を伺うと、非常にアクティブかつ前向きな生き方をされており、アタマとココロの老化がまったく進まれていませんでした。
フレンチのディナーをご一緒したのですが、好き嫌いもないそうで、何でも、とても美味しそうに召し上がります。
女優さん故に、身体には相当に投資をされていると思いますが、それ以上に、前向きで、アクティブな生き方で、アタマとココロが若く保たれ、それが、身体の若さを保つシナジー効果に繋がっておられるようにかんじました。
では、カラダ・アタマ・ココロの老化を食い止める具体的な戦術論を、以下、書いて参りたいと思います。
3.カラダの老化を食い止める生活習慣と自己投資
カラダの老化を食い止める方法は、次の4つの適切な組み合わせにあります。
- 運動(適量の運動の継続)
- 食事(高栄養・低カロリの食事と、サプリメントよる補充)
- 医療(身体の継続的な検査と、問題に対する適切な投薬)
- 睡眠(十分で深い睡眠の継続)
運動については、若者が行う競技スポーツは、カラダの老化を早める場合もあります。激しい運動は、それが趣味であれば別の意味でよいと思いますが、老化を食い止める運動としては、逆効果をきたす場合があります。
また、休日のゴルフにように、平日に一切運動をせず、週末にゴルフを終日行うような方法よりは、毎日、フィットネスクラブで、1時間ずつ、トレーニングをするほうが、老化を食い止めるには、適切です。
健康は、適切な筋肉量によって、基礎代謝をあげることで保たれます。そして、このような運動や、アタマとカラダの維持のための活動の疲労から、カラダを回復させるのが、睡眠です。
一日7時間から8時間を、毎日、深い睡眠にあてることが、非常に大切です。
食事は、高栄養で低カロリーの食事を、一日3食とり続けることが大切ですが、現代人には、これが最もできにくいので、その場合には、信頼できる企業が販売するサプリメントで、食事を補うことも大切です。
そして、最後に、科学的にカラダを検査し、適切な投薬を行うことも大切です。
健康志向の人の中には、医療が嫌いな方も多いですが、これは完全な偏見でしょう。
先に挙げた4つの項目は、すべてがバランスよく行われることが重要です。
過度な運動をして医療を嫌ったり、サプリメントを絶対悪視したりするような、アンバランスで非科学的な考えを持っている人をみると、やはり、中長期的に、身体は衰えていっています。
この4つの要素を、生活習慣にバランスよく取り入れ、アラダに自己投資を行うことが身体の健康を保たせる方法だと僕は、周辺の方を観察して、思っています。
そして、現に、僕は、この方法で、執筆現在、56歳ですが、経営者として、年間を通してほとんど休みをとらずに、一日16時間程度の仕事を継続する生活を、難なく、こなして、自分の投資する企業グループのすべての経営を、毎日楽しく行っています。
4.アタマとココロの老化を食い止める生活習慣と自己投資
アタマの老化の原因は、先に書きました通り、脳の組織の衰えにより、前頭前皮質のパフォーマンスの低下によって引き起こされます。
前頭前皮質は、脳の中で、ワーキングメモリーや実行機能・抑制機能を担う部署です。
前頭前皮質の低下の程度は、以下のような現象に現れてきます。
- 身体の動きが遅くなる
- 新しいことや創造的な仕事が面倒になる
- マルチタスクができなくなり、一つの作業しか進められなくなる
- ひとつのことに集中できなくなり、作業中でも、あれこれ別のことに手を出す
この4つの状態に、心当たりのある方は、自分は、前頭前皮質の機能低下をしていると思ったほうがよいでしょう。
前頭前皮質は、機能低下をはじめると、それが加速をします。したがって、アタマの老化は加速し、新しいことや新しい試みが面倒になることから、ココロも老化をはじめ、そして、カラダに老化に影響を与えるという、マイナスのシナジー効果が生まれます。
カラダの老化は、努力を積んでも、ある程度は進むものなのですが、前頭前皮質の老化は、完全に止めることができると言われています。老衰で亡くなるまで、前頭前皮質が健康に機能している人もたくさんおられます。
一方で、年齢や外見は若くても、前頭前皮質の老化が非常に進んでいる人もいます。
前頭前皮質の機能低下を止めるためには、食事と生活の2つの面から、対策を行うことが重要です。
食事面の対策
カラダの老化を防止する食事の工夫に、アタマの老化を防止する食事の工夫を加える必要があります。
人間の脳の老化をとめる栄養素は、必須脂肪酸と呼ばれる、ARA・DHA・EPAなどの脂肪です。人間の脳は、脂肪でできており、これらの脂肪を食事でとらなければ、脳の老化は進んでしまいます。これらの物質は、レバーや卵などに多く含まれていますが、これを食事でとり続けると、今度は、コレステロールが過多となり、身体の健康に問題が生じてしまいます。
したがって、これらを理想的にとり、脳の老化を防ぐのは、専用のサプリメントを活用するしかありません。信用できるメーカーを選び、サプリメントを継続的にとることが、最も効果的です。
生活面の対策
サプリメントだけをとっても、脳の老化を防ぎ続けることはできません。
- 仕事や生活を、できるだけスピードをあげ、タイムパフォーマンスをアップさせる
- 「いつものこと」に加え、新しいこと(旅行や趣味)や創造的な仕事に取り組む
- 一つのことをやりつづけるのではなく、マルチタスクを行う
- ひとつのことに、短時間でも集中して作業を行う習慣を身に着ける
このように生活を改善することが、脳の老化を防止し、それが、ココロの老化防止に繋がり、そして、身体の健康の増進に役立つ運動にもつながるという結果が生まれてきます。
5、カラダとアタマ、ココロの老化を防ぎ、高齢でも、高い生産
高齢になっても、老化を防げば、新しいことに挑戦する活動は続きます。そうなれば、それだけ経験を積むことに繋がります。年齢があがり、記憶力などの流動性知能が衰えるかわりに、経験によって、結晶性知能が発達します。
経営やビジネスの成功は、むしろ、流動性知能よりも、結晶性知能のほうが、重要な要素になりますから、高齢者のほうが、若者よりも、事業で成功するのです。
そして、老化を防げば、活き活きと活動が続けられ、生産性は上がり続けて、豊かな生活ができるようになります。
このような人がおおくなれば、高齢化社会は、決して怖いものではありません。
是非、皆さんも、カラダとアタマとココロの老化の進行の停止策に取り組んでください。
僕の経営コンサルタントのお客様である経営者の方々も、皆さん、活き活きとされて、豊かな生活を送っておられます。
松本尚典の中小企業経営者支援コンサルティングサービス
https://mbp-japan.com/tokyo/yoshinori-matsumoto/service1/5002501/