個人の飲食事業経営で、年商5億円を確実に造る極意

松本尚典

松本尚典

テーマ:飲食業 5億円 売上 年商


1.飲食事業と、僕のかかわり


僕は、大学を卒業し、新卒で銀行に就職した後、本業で銀行系のシンクタンクで、経営コンサルタントの実務を積みました。当時、銀行系の経営コンサラウタントだった僕が、結婚に失敗して、銀座の高級クラブで、ホステスをしていた姉の独立を助ける形で、銀座に、姉と共同経営の割烹料理の店を出店しました。

これが、僕が副業で、飲食業に進出するきっかけでした。僕が24歳の時でした。

その後、姉が、店に通ってきていた男性(今の僕の義理の兄)と結婚して、店を畳みたいと言うことになり、
「それなら、僕が従業員を店長にする形で、単独で店の経営をしよう。」
と決意しました。

その後、アメリカの大学院に銀行から社費留学させてもらい、銀行を退行して、ニューヨークの金融系経営コンサルタントとして10年間、ニューヨークを拠点にしていた間にも、僕は、独自の方法で、この飲食事業を経営し拡大を続けました。

そして、2017年に、この事業をM&Aで売却するまで、26年の間に、飲食事業は、都内8店舗・年商5億円を超える企業に拡大しました。

一旦、売却した飲食事業は、その後、海外でのフランチャージーとして店舗の拡大を行い、中食事業を立ち上げ、そして、今は、焼肉事業を、日本国内外で展開をし、URVグローバルグループとしても、焼肉業を成功に導くための様々な飲食事業経営者の飲食経営コンサルティングをお引き受けしています。

URVグルーバルグループの飲食事業 事業例
焼肉泰山
https://urv-group.com/works/works-018/
焼肉黒田
https://urv-group.com/works/works-022/


以上、僕の飲食業とのかかわりの歴史と今、です。

2.外食事業は、新規参入率と撤退率が最も高い産業


中小企業庁が発表する中小企業白書によれば、日本の産業の中における新規参入率と撤退率の、いずれも最上位が、飲食事業です。

つまり、飲食事業、とりわけ外食事業は、店舗物件に、撤退と参入がもっとも頻繁に行われている業種といえます。

これは、飲食事業は、始めるのは簡単ですが、継続することが全産業の中で、最も難しい事業だということを意味します。居ぬき物件を探しやすく、それほどノウハウがなくても、手軽に始められるのが飲食事業です。しかし、その競争は激しく、顧客は飽きやすく、そして、よいサービスを提供できる従業員を維持することが非常に難しいのも、また、飲食業です。

したがって、スタートからしっかりとしたノウハウをつかみ、戦略的な事業展開を行わないと、失敗する確率が最も高いのが飲食事業の特徴です。

3.個人の飲食事業では、大衆店経営は非常に難易度が高い


そして、僕の経験からしますと、個人経営の飲食事業(大きな資本がなく、数店舗までしか拡大することができない経営事業体をいいます)が、最も難しいのは、大衆店経営です。

その典型が、ラーメン店経営だといえます。ラーメン店で、行列ができるほどの有名店でも、実際の利益は、相当に厳しいのが現実です。

外食の飲食業の売上高の構造


外食の飲食店の売り上げ日商の構成は、非常に単純です。

顧客単価×席数×使用率×回転率

顧客単価:一人が支払い平均単価
席数:店の総席数
使用率:満席状態で平均に、何席が実際に使用されているか(例えば、4人掛けに4人が掛け続けることはないため)
回転数:一日平均満席状態が何回転しているか


この式で求められます。

開店する店とその場所が決まっている場合、席数と使用率はほぼ固定値です。
一方、回転数を向上させることは、至難の業です。

したがって、飲食業の経営者が比較的簡単な努力で売り上げをあげる方法は、回転率をさげずに、顧客単価をあげることです。

しかし、大衆店の場合、顧客単価を少しでもアップしてしまえば、回転数は激減してしまい、売り上げは減少してしまいます。

大企業の飲食業の場合、その売上原価の最大の構成要素である仕入れ単価が、個人経営に比較して格段に低いため、大衆店を展開しても利益がでます。仕入れの量が強大で、セントラルキッチン方式によって売上原価を構成する費用を大きく削減することができるからです。

しかし、価格競争が極めて厳しい個人経営の店で、大衆店と同じ経営をすれば、売り上げに対する材料比率が上昇し、最終利益が出ません。最終利益が出ない財務構造では、いくら努力をしても、店舗の赤字閉鎖は時間の問題です。

したがって、個人経営で飲食業を行う場合、価格を、ある程度アップしても競争力のある料理とメニュー構成を行い、個人店ならではのきめ細かいホールサービスができる人材を揃える、個性ある店で、リピーターを中心とするマーケティングが、勝ちに行く常道です。

個人経営で、大衆店を経営し、経営がうまくいていない方は、早めに経営戦略の抜本的な見直しをしたほうがよいでしょう。

松本尚典の中小企業経営者支援コンサルティングサービス
https://mbp-japan.com/tokyo/yoshinori-matsumoto/service1/5002501/


4.飲食業の悩み 「客の流れが読めない」を乗り越えるために


飲食業は、イニシャルの投資がかかりますが、開店当初が最も顧客が来ます。しかし、多くの飲食業の個人経営者は、この初速の集客で、これをリピーターにする努力を怠り、調子に乗ります。

このようなやり方をすると、初速の集客が一巡してう段階から陥るのが、「客の流れが読めない」という悩みです。

飲食店では、混むときに来客数が集中し、そうでないときは、閑散としている、という現象が起きます。

天候や曜日など、「今日はすいているだろう」と思っても、非常に混み始めて手が回らなくなり、「今日は混むぞ。」と仕入れをしっかりしたのに、全く閑散としていて、材料にロスが生じるという現象です。

この「客の流れが読めない」現象は、競合店との間の顧客獲得競争の結果、生じています。

「今日は混むぞ」という日は、競合店が様々なマーケティング上の仕掛けや、サービス強化に努めています。そのため、客の出は多いのですが、その分、競争が激化し、弱い店は、競合店に客を持っていかれてしまっています。

客は、以前に来店したときの店のサービスを、よく見ているものです。

混んでいるときに、サービスがおざなりになったり、店の雰囲気が悪かったりすると、「混みそうだな」という日を避けるようになります。

「客の流れが読めない」店は、リピーターマーケティング政策に負けているか、サービスにムラがある店だということです。 換言すれば、「客の流れが読めない」という感覚は、今は採算がとれていても、近いうちに不採算店に転落する、注意信号だと思ったほうがよいでしょう。

僕は、経営コンサルタントの目線から、このような注意信号が出ている店を改善し、高い採算がとれる店に転換させる支援を行っています。

そんなサービスを利用して、自分では気づかない店の問題点を、早めにあぶり出し、改善をすることが必要です。

松本尚典の中小企業経営者支援コンサルティングサービス

https://mbp-japan.com/tokyo/yoshinori-matsumoto/service1/5002501/


5.新しい流行りのメニューや、インスタ映えを狙っても、継続的に成長する飲食業は造れない


インフルエンサーマーケティングが一世を風靡している今、飲食店の中では、インスタ映えを狙った料理のデザインが流行っています。

料理は、そもそも、盛り付けが命であり、盛り付けや、その美しさを図ることは、重要なことは言うまでもありません。それが、インスタ映えに繋がれば、それはとてもよいことだと思います。

しかしながら、一方で、結果的にンスタ映えした料理が売れることと、インスタ映えを過度に意識し、それによって集まる客層を主軸に経営を考えることは、まったく、別の問題です。

インスタ映えを目当てに集まるSNS発信志向の客層は、その店のファンになる客ではありません。「いいね」を獲得することに、フォロアーからの承認欲求が強い層か、あるいは、インフルエンサーとしての職業的情報発信型の層です。

彼らは、常にインスタ映えをするネタを探しているだけで、一見の客に終わる薄い客層です。彼らが、一時的に多く来店をしても、発信が一巡すれば、彼らは二度と店に来ることはありません。

また、インフルエンサーに影響されて来店する客は、インバウンドの外国人と同様、一過性の客です。次々に、流行りの店をめぐっているだけで、本当のリピーターになる、店の経営を長期的に支えるファンになる確率は、非常に低いです。

このようなことに努力をしても、継続的に成長し、店を継続できるわけではありません。

インスタ映えを目的にするではなく、お客様にとって、快適で美しい盛り付けを、味とともに追求し、それをいらしたお客様が感動して、SNSに発信することを目指すにとどめたほうがよいでしょう。

6.メニュー企画・料理の創出・サービスの維持向上 3つのバランスの重要性


個々の飲食店は、どんな店でも「地域産業」に該当します。広域に多店舗を展開する飲食事業の企業も、IT業などとは異なり、地域産業を多店舗で展開しているにすぎません。

「地域産業」の鉄則は、地域のリピーターを中心にマーケティングの施策を行うことです。新規顧客を入れる政策は、その新規客がリピーターになって通い続けてくれることが目標でなければなりません。

非常に基本的な話ですが、ヒトはなぜ、外食をするのかといえば、それは、その店の料理が好きで、その店の居心地がよいからです。

したがって、外食産業の店舗における施策は、3つの要素の組み合わせなのです。

  • お客様に気に入っていただいている、飽きない料理をベースとしたグランドメニューの設定
  • 季節ごとや日替わりなどの飽きさせない料理の創出
  • お客様が居心地がよいと感じるサービスの維持と向上


これらの点を検証し、維持発展させてゆく施策を続けることが、個別の飲食店の売り上げの維持にとって重要です。

松本尚典の中小企業経営者支援コンサルティングサービス

https://mbp-japan.com/tokyo/yoshinori-matsumoto/service1/5002501/

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松本尚典プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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