「減少するオフィス」を逆転の発想で売上の武器にする 株式会社フォーワード

松本尚典

松本尚典

テーマ:コロナ禍でも躍進する中小企業


1.コロナ禍でも躍進する中小企業 Vol.1 プロローグ


今回から、数回のコラムで、僕が経営顧問を務める企業のうち、コロナ禍の2年間、大きく業績を躍進した中小企業の事例をご紹介します。

URVグローバルグループの、新型コロナ対応について


クライアント企業のご紹介の前に、僕の足元の事業における、コロナ禍対応から話をはじめたいと思います。

コロナ禍が襲来した2020年2月。

僕が投資する企業のグループである、URVグローバルグループでは、「未知のウイルス」に対して対応力を失って混迷する、日本政府や日本のメディアの発信する情報に依拠せず、冷静な経営戦略を進めるため、新型コロナウイルスに対する、世界の医学的・科学的な情報を収集に努めました。

そのうえで、世界の医学や科学で解明しきれていない事実に基づく、政府や医療官僚・メディア・医師会などの判断が、政治的なバイアスがかかる可能性があるため、一切従わないという経営方針を打ち立てました。

加えて、「コロナと闘う企業」という経営方針を社内に発信し、独自の経営方針で、コロナ禍に臨みました。

URVグローバルグループは、世界に展開する企業の集団ですから、コロナが襲来するはるか以前の創業当時から、テレワークを前提に、仕事を組み立てていました。それに適合して自律できない人材は、絶対に、組織には入れないという強い方針で人事政策を組み立ててきました。従って、コロナ禍においても、すべての構成員が、自分のアタマで判断しました。世間の混迷した情報に右往左往するような人材は、一人もいませんでした。

そのため、中国武漢でコロナ禍が発生した初年度の2019年度にグループ総売上を対前年比で、77%まで落としたものの、2020年度は139%で売上高を回復させ、2021年には、106%の売上高上昇で、グループ創業来最高売上を更新し続けました。

僕の、コロナ禍を迎え撃つ、経営コンサルティング方針


この強い経営姿勢は、僕の顧問先企業様への経営コンサルティングの方針でも発揮しました。

コロナウイルスが人類にとって脅威だったのは、その実態も、防衛策も、治療策も、発生段階で、医学的に解明されていなかったことにあります。従って、アンチウイルスワクチンも治療薬も、ありませんでした。

従って、ヒトや組織が最優先に考えなければならないことは、「ウイルスを、ヒトに絶対に近づけない」策のはずです。ヒトがウイルスを近づけないためには、

・厳重な防護マスクの着用
・飛沫のとんだ可能性のある場所への消毒の徹底
・換気による飛沫の分散化によるウイルス量の縮小


このような策を徹底的にとることが重要です。事実、世界のウイルス専門学者は、そう唱えていました。

しかし、日本政府は、ウイルス専門学者の意見を遠ざけ、医師免許を持っているが、ウイルス臨床やウイルス研究に程遠い、医官官僚や、医師免許を持つ政治家(日本医師会の幹部を含む)の、「ヒトとヒトの接触を80%減らす」という政策をまともに信じ込みました。

ウイルスとヒトを引き離す目的の、最終的なパンデミックに至った場合の緊急手段であった、「ヒトとヒトを引き離す」とおう政策を、スタート時点から採用してしまいました。

コロナ禍は、ウイルス学者たちによって、数年間、続くと予測されていたにもかかわらず、政治家は、ヒトとヒトを引き離した場合の、経済的な損失や、ヒトの精神に与えるダメージを無視して、近視眼的に、緊急事態宣言を出したわけです。

URVグローバルグループでは、ヒトとヒトの接触を減らさずに、「社員とウイルスが接触しない」ことを重視しました。そして、僕は、同時に、コロナ禍が齎した新しいマーケットに経営資源を投下し、成長を続けることを、顧客企業に発信し続けました。

残念ながら、僕の顧客企業の中には、僕の指導に従わず、業界団体が発信する休業要請を真に受けて、長期間の営業を停止し、到底、支援金では賄い切れない赤字と顧客の離反を招いて、倒産した企業もあります。

こんような企業の社長は、今、コロナの他責で事業が駄目になった、と言っています。

しかし、それは、違います。

経営者というものは、すべて自己責任で、経営を行わなければなりません。自分の判断で、非科学的な政治や業界団体の指導に従って、その結果、倒産するのは、それは、まさしく、経営者の無能、そのものの証明に他なりません。

経営環境とは、常に変動し、不確実性のあるものです。それに適合し、場合によっては、その外部環境そのものを創造することこそ、経営者の仕事です。いかなる環境の変化に対しても、業績を伸ばすのが、優れた経営者です。

一方、これからご紹介する会社は、このコロナ禍に、自分たちのアタマで冷静な判断で、新しい日常に自社の事業を適合させ、マーケティング活動を継続し、見事に、コロナ禍でも、業績を伸ばした企業です。

その事例として、以下の企業のご紹介を、お読みいただき、参考にしていただければと思います。

2.株式会社フォーワードのご紹介


さて、コロナ禍でも、業績を躍進させた企業で、今回、ご紹介をするのが、川崎にある、株式会社フォーワードです。

株式会社フォーワードのコーポイレイトサイトは、こちら
https://fourword.co.jp/


株式会社フォーワード(以下、フォーワードと呼称します。)は、オフィスの引っ越しや、オフィス工事を専門とする建設会社です。
実際、オフィスの設計施工をする建設会社というのは、東京にもたくさんあります。

その中でも、フォーワードは、誠実な仕事と、地道な営業活動で、固定的な企業の御客様を抱え、非常に、固い業績を構築してきた会社です。

通常、オフィスの設計施工をする建設会社は、クレーム産業と言われ、固定顧客は、ほとんど着かない企業が多い産業といわれています。そのため、広告に大量な予算を投入し、新規の顧客の案件に力をいれている企業が多いわけです。

しかし、フォーワードは、そのような業界の方針と一線を画し、リピーター案件が受注の殆どを占めるという、会社である点が特徴です。

企業の安定的な売り上げと収益の向上には、リピーター層が厚く、受注に占めるリピート率が高いということが、重要な条件です。リピート率の高い企業は、結果的に、広告費や営業経費が固定化しないため、投資収益率(ROIC)が向上します。その結果、経営基盤が安定し、新規成長に欠かせない新規事業投資の原資を、利益から生み出しやすくなります。

そのような意味で、フォーワードは、御客様の信頼を維持するための努力に、会社としての資源を全力投球し、結果的に、ROICが安定していたことが、コロナ前からの特徴でした。

3.コロナ禍で、減少するオフィス需要 オフィスソリューションビジネスの逆転劇


さて、このような中で、2020年にコロナ禍が襲ってきました。

僕は、同社の経営顧問として、当初、ヒトとヒトを引き離す政治の方向性を受け、オフィス需要に大きな減少が来ることを予想しました。そこで、同社の資金調達に力を込めていただき、潤沢な流動性を準備して、コロナを迎え撃つことにしました。

株式会社フォーワード 田中 章寿社長
https://urv-group.com/works/works-002/


スタートは、資金を厚くしての、籠城戦で、コロナ禍をやり過ごそうと考えたのです。

しかし、当初、一旦、大きく減少したオフィスの建設が、コロナ禍の途中から、大きく反転攻勢に出る機会がやってきたのです。

テレワークにより、オフィス収容人数を抑制する形で、経営者に、オフィスの縮小移転を開始する動きが出てきました。

ここで、フォーワードは、単にオフィスの縮小にとどまらず、アフターコロナに備えた、従業員の方が、働きやすいオフィスへの、攻めの営業提案に転じました。

多くの企業経営者は、経費縮小によるコスト削減を行いつつも、アフターコロナでの企業の成長にむけた、従業員のモチベーション向上や、生産性の向上を摸索されていましたので、この提案は、多くの経営者の方々から、ご賛同をいただきました。

オフィスの縮小の機会をとらえて、働き方の改革に関する提案を行い、マイナス面ととらえられていたコロナ禍を、大きなチャンスに変える営業活動が、実を結びました。

これにより、株式会社フォーワードは、2022年2月の決算で、創業来最高の売上高を出す企業となりました。

4.コロナ後のオフォスを考える企業への進化へ


アフターコロナにおける、オフィスの縮小傾向は、今後も続くと予想できます。

同社は、今後、企業の生産性向上の提案を更にレベルアップし、オフィスというハード面の建築という面にとどまらず、ヒトの働き方を総合的に提案する企業に進化するマーケティング戦略をたてています。

企業の健康経営を支えるサイトの構築も、その経営戦略の一環です。

株式会社フォーワードが主催する健康経営ラボ
https://www.kenkokeiei-labo.com/


建設会社という枠を超え、企業の生産性向上と働き方の総合提案企業へ。

この進化の軸を、フォーワードの経営陣は、成長の基軸に据えて、アフターコロナに、更なる飛躍を目指しています。

続く

松本尚典の中小企業経営者支援コンサルティングサービス

https://mbp-japan.com/tokyo/yoshinori-matsumoto/service1/5002501/

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