【解決事例】メンズエステ利用後に示談金500万円を要求された男性が、弁護士の同行で支払い0円に解決した事例
この記事では、賃貸マンションと分譲マンションでの一般的な扱いを説明しています。実際の結論は、賃貸借契約書や管理規約・使用細則の文言、注意を受けた経緯によって変わります。
自宅マンションにデリバリーヘルス(デリヘル)を呼んだ後、管理会社から電話や書面で注意を受けると、「退去させられるのではないか」「家族や勤務先に伝わるのではないか」と不安が一気に広がるかもしれません。
もっとも、管理会社からの注意は、それだけで契約の終了や金銭の支払いが決まるものではありません。大切なのは、誰の立場で、何を根拠に、どのような行為を問題にしているのかを落ち着いて確かめることです。この記事では、賃貸と分譲の違い、注意を受けたときの受け答え、店やキャストとのトラブルが重なっている場合の考え方を順に整理します。
まず確かめたいのは「賃貸か分譲か」と「注意の根拠」
同じ「管理会社」でも、賃貸マンションと分譲マンションでは立場が異なります。賃貸では、管理会社は貸主(大家)から管理を任され、貸主の側の窓口として入居者に連絡してくるのが一般的です。分譲では、管理会社は区分所有者でつくる管理組合から業務の委託を受け、管理規約や使用細則に沿って注意や案内を行います。
どちらの立場かによって、注意の根拠になる決まりも、話が進んだ場合に問題になりうることも変わります。
| 項目 | 賃貸マンション | 分譲マンション(所有している場合) |
|---|---|---|
| 管理会社の立場 | 貸主の側の窓口 | 管理組合から委託を受けた窓口 |
| 根拠になる決まり | 賃貸借契約書、使用細則、入居時の案内 | 管理規約、使用細則、区分所有法 |
| 話が進んだ場合に問題になりうること | 契約違反を理由とする是正の求めや契約解除 | 理事会からの是正勧告や、行為の停止を求める手続 |
注意が電話だけで行われた場合は、日時と担当者名、指摘された内容をメモに残しておくと、後で内容を確かめるときに役立ちます。書面が届いた場合は、どの条項に触れるとされているのかを確認してください。
管理会社が問題にしやすいのは「呼んだこと」より「周囲への影響」
自宅に人を招くこと自体は、住まいの通常の使い方の範囲にあります。管理会社が注意に動くきっかけになりやすいのは、多くの場合、ほかの住民から苦情が寄せられたり、共用部分の防犯カメラで気になる出入りが確認されたりした場面と考えられます。
具体的には、次のような事情が指摘されることがあります。
- 深夜や早朝の出入りが重なり、話し声や足音、インターホンの音が響いた。
- 送迎の車がマンション前やエントランス付近に停まり、待機していた。
- オートロックの暗証番号を伝えた、または住民の後について入る「共連れ」があった。
- エントランスや廊下など共用部分で、待ち合わせや金銭のやり取りをした。
- 室内でのトラブルで大きな声や物音が生じ、住民が不安を感じた。
弁護士ドットコムにも、賃貸借契約書に公序良俗に反する行為や反社会的勢力の出入りを禁じる条項があり、デリヘルを呼んだことで管理会社からペナルティを受けないかと心配する相談が寄せられています。こうした条項があっても、すべての来客がただちに問題になるわけではありません。実際にどの行為がどの条項に当たるとされているのかを、一つずつ確かめることが出発点になります。
注意を受けただけで、すぐに退去になるのか
賃貸の場合は「信頼関係」が壊れたといえるかが問われる
賃貸借契約は長く続く契約のため、借主に契約違反があっても、それが貸主との信頼関係を壊すほどの程度に至らなければ、貸主からの契約解除は認められにくいと考えられています。これは裁判例の積み重ねで形づくられた考え方で、一般に「信頼関係破壊の法理」と呼ばれます。
そのため、一度の来客や一度の苦情だけを理由に、すぐに契約が解除される場面は限られると考えられます。ただし、注意を受けた後も同じことが繰り返された場合、ほかの住民の生活への影響が大きい場合、部屋を営業の場所として使っていると疑われる事情がある場合などは、評価が変わるおそれがあります。注意を受けた時点で行動を改め、そのことを管理会社に伝えておくことが、後の判断にも影響します。
分譲の場合は、規約違反の程度と管理組合の手続が問題になる
分譲マンションを所有している場合、区分所有法は、建物の管理や使用に関して区分所有者の共同の利益に反する行為を禁じています(区分所有法6条1項)。管理組合は、規約や使用細則に反する行為があれば、理事会の判断などを経て是正を求めることができます。
もっとも、所有している部屋の使用を禁じたり、所有権そのものに関わったりする手続は、ほかの方法では解決が難しいほど重大な場合に限られる仕組みになっています。来客をめぐる注意の段階で、そうした手続に進むことはまれと考えられますが、注意後も迷惑が続けば、書面での警告や総会での議論へと段階が進むことがあります。
注意を受けたときの受け答え
その場で全部を認めたり、強く否定したりしない
管理会社からの電話は突然かかってくることが多く、慌てて事情を詳しく話したり、反対に「何もしていない」と強く否定したりしがちです。まずは何が問題とされているのかを聞き取り、「内容を確認してお返事します」と伝えて時間をもらっても差し支えありません。
事実と違う点は穏やかに伝え、今後の対応を示す
指摘のうち事実と異なる部分があれば、その点だけを穏やかに伝えます。そのうえで、深夜の来客を控える、共用部分で待ち合わせをしない、暗証番号を人に伝えないなど、今後どうするかを具体的に示すと、話がまとまりやすくなります。来客の素性や利用の詳細まで説明する必要は、通常ありません。
書面への署名や金銭の支払いを求められたら
「今後違反した場合は直ちに退去する」といった誓約書への署名や、迷惑料・違約金の支払いを求められることもあります。署名や支払いの前に、次の点を確かめてください。
- 契約書や規約に、その書面や金銭の根拠となる定めがあるか。
- 金額が、清掃や修理など実際に生じた費用に見合っているか。
- 誓約の内容が、注意された行為の範囲を超えて広すぎないか。
- 署名した書面の控えを受け取れるか。
内容に納得できないまま署名すると、後で不利な材料として扱われるおそれがあります。迷う場合は、署名を急がず、専門家に相談してから判断しても遅くはありません。
注意の背景に、店やキャストとのトラブルがないか
管理会社からの注意が、店やキャストとのトラブルとつながっている場合もあります。たとえば、利用後に店のスタッフがエントランスで待っていた、インターホンを何度も鳴らされた、店側から管理会社に連絡が入ったといった経緯があると、住民からの苦情はその騒ぎをきっかけに寄せられていることがあります。
この場合、管理会社への対応と、店やキャストからの請求への対応は、分けて整理する必要があります。店側から「管理会社や家族に知らせる」と告げられて金銭を求められているときは、管理会社への説明よりも先に、請求そのものの中身を確かめることが重要です。自宅を知られていることへの不安が強い場面では、弁護士が窓口となって店側と連絡を取ることで、自宅への来訪や電話が落ち着くことがあります。当事務所が扱った事案として、【解決事例】デリヘル自宅利用時のトラブル|相手方弁護士の不適切な対応を追及した事案もご参照ください。
自分で交渉するか弁護士に任せるかの判断については、【風俗トラブル】店との交渉を自分でするか弁護士に任せるか|分かれ目になる5つの事情で詳しく説明しています。
弁護士への相談を検討したい場面
管理会社からの注意そのものは、受け答えを整えることで落ち着くことも少なくありません。一方で、次のような事情がある場合は、早めに弁護士へ相談することを検討してください。
- 契約解除や退去を求める書面が届いた。
- 根拠のはっきりしない違約金や迷惑料の支払いを求められている。
- 店やキャスト、店の関係者を名乗る人物が自宅に来たり、連絡を続けたりしている。
- 家族や勤務先、連帯保証人に伝わることを心配している。
- 室内で何があったかをめぐって、刑事事件になるかもしれないと告げられている。
よくあるご質問
管理会社から家族や勤務先に連絡されることはありますか
賃貸では、入居時に届け出た緊急連絡先や連帯保証人に、管理会社から連絡が入ることがあります。ただし、来客の中身まで詳しく伝えるかどうかは、管理会社の運用や個人情報の扱いによって異なります。来客をめぐる注意の段階で勤務先に連絡が入ることは、通常は考えにくいといえます。家族に知られることへの備えについては、家族・職場に知られずに風俗トラブルを解決する方法|弁護士が解説も参考になります。
防犯カメラの映像を見せてもらうことはできますか
共用部分の防犯カメラの映像は、管理組合や管理会社が定めた運用に沿って管理されています。ほかの住民が映っていることもあるため、入居者が求めても見せてもらえないことがあります。事実関係に食い違いがある場合は、映像の保存期間が過ぎる前に、保存をお願いしておくことを検討してください。
注意を受けた後、すぐに引っ越したほうがよいですか
注意を受けたことだけを理由に、急いで引っ越す必要があるとは限りません。行動を改めたうえで様子を見ることが多いでしょう。ただし、店やその関係者に自宅を知られていることへの不安が大きい場合は、住まいの安全という別の観点から転居を考えることもあります。その場合も、請求や連絡への対応を整理してから動くほうが、後のトラブルを避けやすくなります。
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まとめ
自宅マンションにデリヘルを呼んだことで管理会社から注意を受けても、それだけで退去や支払いが決まるわけではありません。賃貸か分譲か、どの決まりのどの条項が問題とされているのかを確かめ、事実と違う点は穏やかに伝えながら、今後の対応を具体的に示すことが基本になります。店やキャストとのトラブルが背景にある場合は、管理会社への対応とは分けて、請求の中身を早めに整理することが大切です。
同じような状況でも、経緯や残っている記録によって取れる手段は変わります。どこから手をつければよいか判断がつかない段階でも、事実を整理するところからご一緒できます。
当事務所では、電話・メール・LINEのうちご希望の方法でご相談をお受けしています。ご都合のよい手段をお選びください。
早い段階でご相談いただくほど、選べる手立ては多く残ります。迷っている段階でも、まずはお気軽にお声がけください。


