援デリ・派遣型の個人売春トラブル|店を介さない危険
性風俗店とのトラブルでは、店舗の担当者ではなく弁護士が窓口となるケースが増えています。今回は、自宅でデリバリーヘルスを利用したAさん(男性)が、相手方代理人弁護士から自宅ではなく職場宛てに書面を送付され、対応に苦慮した末に弊所へご相談いただいた事案をご紹介します。
ご相談の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相談者 | Aさん(男性) |
| 利用形態 | デリバリーヘルス(自宅への呼び出し) |
| 問題となった行為 | 店のルールに反する行為への該当が疑われた |
| 相手方からの対応 | 代理人弁護士から職場宛てに書面が送付された |
| 請求額 | 80万円~100万円程度 |
| 解決金 | 支払なし |
| 刑事処分 | 警察の介入なし |
ご依頼に至る経緯
Aさんは、以前から性風俗店をホテルなどで利用したことはありましたが、自宅にデリバリーヘルスを呼んだのはこの時が初めてでした。
サービスの提供を受ける中で、Aさんは店のルールに反する行為に及んでしまいました。女性から明確に拒否するような言動が見られなかったことから、Aさんは女性が応じているものと考えていたとのことです。
女性が帰宅した直後、店舗の従業員と思われる人物がAさんの自宅を訪ねてきました。Aさんは何らかのトラブルになったのではないかと感じましたが、対応するのが怖く、そのままにしていました。
その後も数日間、同様の訪問が続きましたが、Aさんは対応せずにいたところ、見知らぬ番号から「顧問弁護士に連絡させる」という趣旨のメッセージが届きました。
このメッセージにも返信しないでいたところ、なぜか自宅ではなくAさんの職場宛てに、相手方代理人弁護士からの書面が届きました。書面には事実関係が詳細に記載されており、これによって職場にAさんのトラブルが知られる結果となりました。
自分一人での対応は難しいと判断したAさんは、弊所にご相談にいらっしゃいました。
店舗側に弁護士が就いたとき、その弁護士がどのような立場で動いているのかについては、店側の顧問弁護士は何をしているのか|客が知っておくべき店側の動き方で詳しく解説しています。
弁護士の対応と解決への流れ
既に女性側には代理人弁護士が就いていたことから、ご依頼をお受けした後、当職から速やかに相手方代理人へ連絡をとりました。
まず疑問に感じたのは、自宅にデリバリーヘルスを呼んでいる以上、店舗側はAさんの住所を把握できていたはずであるにもかかわらず、なぜ職場宛てに書面を送付したのかという点でした。この点を確認したところ、相手方代理人からは「Aさんの住所が分からなかったため職場に送った」との回答が繰り返されるのみでした。
当職から、Aさんが自宅でデリバリーヘルスを利用していたことや、店舗の従業員と思われる人物が自宅を複数回訪問していた事実を伝え、事実関係の確認状況についても質問しましたが、要領を得ない回答にとどまり、職場を把握するに至った経緯についても明確な説明はありませんでした。
その後、請求内容の確認に話を進めたところ、相手方代理人からは「最低でも100万円程度の請求を考えている」との説明があったものの、金額の根拠についてはそれ以上の具体的な説明はありませんでした。
Aさんには早期解決を望むお気持ちがあったことから、双方の認識に違いがある点、Aさんとしては強いて行為に及んだという認識はないものの、店のルールに反した行為によって女性に不快な思いをさせた可能性があるとの認識を前提として、10万円の解決金を支払う用意があることを相手方に伝えました。
これに対し、相手方代理人からは10万円では受け入れられず、80万円程度であれば和解可能との回答がありました。もっとも、落ち着きを取り戻したAさんは、早期解決への希望はあるものの、職場に突然書面を送ってきた相手方の対応には納得がいかないとの考えに至り、10万円を超える提示はしない方針とされました。
相手方代理人からは訴訟提起も検討している旨の連絡がありましたが、その後は特段の動きがないまま数年が経過し、終件となりました。
解決結果と弁護士のコメント
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 請求額 | 80万円~100万円程度 |
| 解決額 | 支払なし |
| 刑事処分 | 警察の介入なし |
| 職場・家族への影響 | 相手方代理人弁護士から職場宛てに書面が送付され、事実が知られる結果となった |
近年、性風俗店とのトラブルでは、店舗の責任者やオーナーではなく、顧問弁護士や普段付き合いのある弁護士が代理人として交渉に出てくるケースが増えています。
店舗側に弁護士が就くことには、良い面と注意すべき面の両方があります。良い面としては、店舗の責任者との直接交渉で生じがちな不当な圧力を受ける可能性が低くなる点が挙げられます。一方で、弁護士費用の分だけ解決金の水準が上がる可能性がある点には注意が必要です。
本件の相手方代理人については、事実関係を十分に確認しないまま、店舗側の説明のみを前提に対応していたように見受けられました。仮にAさんの住所が分からなかったのだとしても、Aさんの電話番号は把握できていたはずですから、弁護士会照会などの手続きによって契約者情報を調べ、住所を特定する方法を検討することもできたはずです。また、店舗の従業員が行っていたように、電話やメッセージで連絡を取ることも可能であったと考えられます。
さらに、事実関係を詳細に記載した書面を、誰が開封するか分からない職場宛てに送付することは、Aさんの私的なトラブルであり職場には関係がないことを踏まえると、適切な対応であったとは言い難い面があります。
当職が相手方代理人のこうした点を指摘し、説明を求めるようになってからは、相手方の回答は歯切れの悪いものとなり、その後の請求も具体的な進展のないまま終わりました。どのような経緯で請求や訴訟提起が見送られたのかは分かりませんが、対応の不自然さが影響した可能性も考えられます。
このように、相手方に弁護士が就いている場合であっても、その対応が常に適切であるとは限りません。相手方が弁護士であっても、こちらが何らかの義務を負うといえるかどうか、負うとしてその金額が妥当であるかどうかを、証拠に基づいて検討することに変わりはありません。
弁護士が相手方に就いたことで動揺し、想定以上に高額な解決金を支払ってしまう方もいらっしゃいます。ご自身での対応に迷われた場合には、早期解決を急ぐあまりすべてを受け入れてしまう前に、一度立ち止まって弊所にご相談いただければと思います。
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同種のトラブルでお悩みの方へ
性風俗店の利用をめぐるトラブルは、相手方に弁護士が就いた場合であっても、請求内容や対応の経緯を丁寧に確認することで、結果が変わる可能性があります。同様の状況でお困りの方は、お一人で抱え込まず、早い段階で弁護士にご相談ください。


