AR/MR関連出願で使用されるクレーム表現の考察が面白かった。
プロシード国際特許商標事務所の弁理士の鈴木康介です。
特許法93条には、公共の利益のための通常実施権の設定の裁定の規定が書かれています。
ただ、こちら今まで行われたことがありません。
今回、初めてこの公共の利益のための裁定請求が行われました。
裁定制度の運用要領には、
(i ) 国民の生命、財産の保全、公共施設の建設等国民生活に直接関係する分野で
特に必要である場合。
(ii) 当該特許発明の通常実施権の許諾をしないことにより当該産業全般の健全な発展を
阻害し、その結果国民生活に実質的弊害が認められる場合。
と書かれています。
今回の請求は、(ii)の当該産業全般の健全な発展を阻害し、
と言った理由なのではないかと予測しています。
中山先生の本によれば、(i)の場合であっても、単にコストの関係で必要な場合や、
その特許発明を利用しなくとも実現可能な方法があるような場合等においては、
裁定の請求はできないとしています。
また、経済的な理由ではなかなか認めることが難しい旨を書かれています。
私も経済的な理由で認めてしまうと、
公開の対象として、独占権を得るという特許法の趣旨から考えると
なかなか難しいと思います。
一方で、研究所側などは他社にライセンスをしないと、
特許権の収益化がなかなか難しいところがあると思います。
共同出願する際に、一定の条件下では他社にライセンスができるように(73条2項)
契約を結ぶなどの自衛手段があっても良いと思います。
(自由にライセンスだと、企業側にメリットがないですし、一定の条件が必要かなと。)
参考:裁定制度の運用要領
工業所有権法 上 特許法 第二版増補版 中山信弘
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弁理士 鈴木康介(特定侵害訴訟代理権付記)
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