ホームページは作るより育てる【経営者のための低予算マーケティング戦略6】

ここまで7回にわたり、中小企業のための低予算マーケティングについて考えてきました。
第1回では、
マーケティングとは広告ではなく、売れる仕組みづくりであること。
第2回では、
誰に売るのかを決めることの重要性。
第3回では、
お客様が買っているのは商品ではなく価値であること。
第4回では、
信頼こそが最大の資産であること。
第5回では、
情報発信は未来のお客様への接客であること。
第6回では、
ホームページは作るより育てるものであること。
第7回では、
SNSは集客ツールではなく信頼構築ツールであること。
についてお話してきました。
そして最終回となる今回は、それらすべてを統合する視点として、
「選択と集中」
について考えてみたいと思います。
なぜ中小企業は忙しいのに成果が出ないのか
経営相談の現場で、
「忙しいのに利益が残らない」
という悩みを耳にすることがあります。
仕事はある。
毎日忙しい。
社員も頑張っている。
しかし思ったほど利益が残らない。
経営者自身も余裕がない。
こうした状態です。
この原因は一つではありません。
しかし、その背景には、
やることが増え続けている
という共通点があります。
新しい商品。
新しいサービス。
新しい販路。
新しいSNS。
新しい広告。
新しい取り組み。
もちろん挑戦は大切です。
しかし、
足し算ばかりの経営
になると、経営資源は分散していきます。
中小企業に最も不足している資源
低予算マーケティングというと、
お金の話だと思われがちです。
しかし実際には違います。
中小企業にとって最も不足している資源は、
時間
です。
社長は営業もしなければなりません。
現場も見なければなりません。
採用も考えなければなりません。
資金繰りも管理しなければなりません。
つまり、
限られた時間をどこに使うか
が最大の経営課題なのです。
だからこそ、
何をやるか
以上に、
何をやらないか
が重要になります。
マーケティングは「選ぶ仕事」である
マーケティングというと、
広告やSNSの話だと思われることがあります。
しかし本来のマーケティングは、
選ぶ仕事
です。
誰に売るのか。
誰には売らないのか。
どんな価値を届けるのか。
どの価値は捨てるのか。
どの媒体を使うのか。
どの媒体は使わないのか。
つまり、
限られた資源をどこに集中するか
を決めることなのです。
第2回で、
全員に売ろうとする会社ほど誰にも伝わらない
とお話しました。
これは経営全体にも当てはまります。
すべてをやろうとする会社ほど、
何も強みが見えなくなるのです。
うまくいっている会社ほど地味である
私はこれまで多くの中小企業を見てきました。
その中で感じることがあります。
本当にうまくいっている会社ほど、
実は地味です。
派手な広告を打っていない。
流行を追いかけていない。
SNSで騒いでいない。
しかし、
やるべきことを決めている。
やらないことも決めている。
だから強いのです。
例えば、
紹介を大切にする。
地域との関係を大切にする。
ホームページを継続的に更新する。
顧客との関係を深める。
社員教育に力を入れる。
こうしたことを何年も続けています。
特別なことではありません。
しかし、
継続できる会社は少ないのです。
「増やす経営」から「磨く経営」へ
売上が伸び悩むと、
新しいことを始めたくなります。
しかし、
本当に必要なのは新しいことではなく、
今あるものを磨くこと
かもしれません。
既存顧客との関係。
既存商品の価値。
既存サービスの品質。
既存ホームページ。
既存SNS。
既存の紹介ネットワーク。
実は、多くの会社にはすでに価値があります。
問題は、
その価値を十分に活かし切れていないこと
なのです。
だからこそ、
増やす前に磨く。
広げる前に深める。
という発想が重要になります。
低予算マーケティングの本質
このシリーズのタイトルは、
「低予算マーケティング戦略」
でした。
しかし、ここまで読んでくださった方ならお気づきかもしれません。
実はこのシリーズは、
お金の話をあまりしていません。
なぜなら、
低予算マーケティングの本質は、
お金を使わないことではない
からです。
限られた経営資源を、
最も成果につながる場所へ集中すること。
それこそが本質です。
広告費を増やす前に、
ターゲットは明確か。
価値は伝わっているか。
信頼は積み上がっているか。
ホームページは育っているか。
SNSは機能しているか。
こうしたことを確認する方が、はるかに効果的な場合があります。
実はマーケティングの問題ではない
私は経営コンサルタントとして、
マーケティングの相談を受けることがあります。
しかし実際には、
マーケティングが問題ではない
ことも少なくありません。
売上が伸びない。
問い合わせが少ない。
集客できない。
そう言われて現場を見ると、
商品設計の問題だった。
組織の問題だった。
顧客対応の問題だった。
利益管理の問題だった。
ということがあります。
だから私は、
マーケティングを単独で考えません。
マーケティングは経営の一部だからです。
そして経営とは、
限られた資源をどこに配分するか
を決める仕事です。
最後に
もし、このシリーズを通じて一つだけ持ち帰っていただくとしたら、私は次の言葉をお伝えしたいと思います。
「やることを増やす前に、やらないことを決める。」
中小企業は大企業にはなれません。
しかし、大企業と同じ戦い方をする必要もありません。
限られた人員。
限られた時間。
限られた予算。
だからこそ、
誰に届けるのか。
どんな価値を届けるのか。
どのように信頼を積み上げるのか。
そこに集中することができます。
低予算マーケティングとは、
小さな会社が小さな会社らしく勝つための戦略です。
そしてその出発点は、
最新のSNSでも、
最新の広告手法でもありません。
自社の強みを見つめ直し、
本当に大切なことに集中すること。
それこそが、
中小企業にとって最も強いマーケティングなのです。
8回にわたりお読みいただき、ありがとうございました。


