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ビジョンは「作るもの」ではない【コンサルの視点18】

橋本貢

橋本貢

テーマ:コンサルの視点


経営計画を作るときや、理念を見直すとき、

「ビジョンを作りましょう」

という言葉を耳にすることがあります。

もちろん間違いではありません。

しかし、私は少し違う考え方をしています。

ビジョンは、「作るもの」というより、

「見つけるもの」

ではないかと思うのです。

なぜなら、本当に力を持つビジョンは、経営者の中にすでに存在していることが多いからです。

例えば、

なぜこの事業を続けているのか。

なぜその商品やサービスにこだわるのか。

どんな未来になったらうれしいのか。

こうした問いに向き合っていくと、その人らしい答えが少しずつ見えてきます。

ところが、ビジョンを「作ろう」とすると、話が変わります。

立派な言葉にしようとする。

他社に負けない表現にしようとする。

流行のキーワードを入れようとする。

すると、確かに整った文章はできます。

しかし、それが本当に自分たちの言葉なのかは別問題です。

経営者自身が語れないビジョンは、社員にも伝わりません。

社員が自分の言葉として話せないビジョンは、組織にも根づきません。

だから私は、ビジョンづくりの場で、

「何を目指しますか?」

よりも、

「なぜ今の仕事をしているのですか?」

という質問をすることがあります。

未来を考えるために、過去を振り返るのです。

創業時の思い。

苦しかった時期。

乗り越えてきた経験。

お客様から言われてうれしかった言葉。

そうした話を聞いていると、その会社が本当に大切にしているものが見えてきます。

そして、その延長線上に未来があります。

ビジョンとは、突然どこかから降ってくるものではありません。

これまで歩んできた道の先に見えてくるものです。

だから、作り込むことよりも、

掘り起こすこと。

飾ることよりも、

言葉にすること。

そちらの方が大切なのだと思います。

私自身、多くの経営者の話を伺ってきましたが、

本当に魅力的なビジョンは、会議室でひねり出されたものではなく、

何気ない会話の中から見つかることが少なくありません。

「実は、こういう会社にしたいんだよね」

そんな一言の中に、その人らしさが詰まっているのです。

ビジョンは、未来の設計図です。

しかし同時に、その会社らしさを映す鏡でもあります。

だからこそ、無理に作ろうとする前に、

自分たちの中に何があるのかを見つめてみる。

そこから始める方が、遠回りのようでいて、実は一番の近道なのかもしれません。

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橋本貢
専門家

橋本貢(経営コンサルタント)

しずおか経営サポート

表面的な課題ではなく、売上・組織・戦略の根本構造を見極め、本質的な打ち手を実行まで伴走支援します。経営者の意思決定に寄り添い、成果に直結する改善を行います。

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