社員の温度差はなぜ生まれるのか【コンサルの視点7】
経営者は孤独だ、とよく言われます。
実際、多くの経営者がその感覚を持っています。
周りに人はいるのに、どこか一人で判断している感覚がある。
なぜそうなるのか。
それは、役割の問題です。
経営者は、最終的な意思決定を引き受ける立場にあります。
どれだけ意見を聞いても、最後に決めるのは自分。
この構造がある以上、完全に孤独をなくすことはできません。
ただ、実際の孤独は、それだけではありません。
多くの場合、
「考えていることをそのまま話せる相手がいない」
という状態が重なっています。
社員には、すべてをそのまま伝えるわけにはいかない。
外部の人には、どこまで話していいか迷う。
結果として、頭の中で考え続ける時間が増えていきます。
さらに、経営者の考えていることは、
どうしても抽象度が高くなります。
方向性、優先順位、将来の構想。
これらを日常的に共有できる相手は、限られています。
そのため、言葉にしないまま思考が進み、
整理されないまま判断を迫られる。
これも孤独感を強める要因です。
もう一つは、「正解がないこと」です。
経営には、明確な答えが用意されているわけではありません。
どの選択にもリスクがあり、結果は後からしか分からない。
だからこそ、誰かに相談しても、
最終的には自分で決めるしかない。
この繰り返しが、重なっていきます。
では、どうすればいいのか。
孤独をなくすことはできませんが、
軽くすることはできます。
そのためには、
・考えていることを言葉にすること
・外に出して整理すること
・視点を増やすこと
が重要です。
誰かに答えを求めるのではなく、
思考を整理するための相手を持つ。
それだけでも、判断の質は大きく変わります。
経営者の孤独は、弱さではありません。
それは、責任を引き受けている証でもあります。
ただ、そのまま抱え続ける必要はありません。
少し外に出し、整えていくことで、
孤独は「考える力」に変わっていきます。


