変わらないものと、変わるもの
日本では、「笑う門には福来る」ということわざがあ ります。日本だけではなく、国外でも笑うことが健康 に良いということが、経験的に知られています。これ までは、笑いと健康について、科学的根拠に関しては 不十分な研究がほとんどでした。しかし、近年では、 質の高い研究が報告されるようになり、大きな変化が みられるようになっています。
笑いは自立した生活をつくる
笑うことは、高血圧、糖尿病などの生活習慣病のリ スクを下げて、それに関連する心筋梗塞や脳卒中など の循環器疾患のリスクを減らしてくれるという研究レ ベルの高い結果がでています。年齢と共に、笑いの頻 度が少なくなります。これは、老化の指標の一つとも 言えます。また、笑いの頻度が減ると認知機能も低下 しやすくなります。 日本の要介護になる主な原因は、1位認知症、2位 脳血管疾患、3位高齢による衰弱です。これまでの研 究結果から、笑いは、要介護になりにくくなるという ことがわかります。寿命が延びているにも関わらず、 自立した生活を送れる期間である健康寿命はそこまで 伸びていません。年を重ねても自立した生活を送りた いと皆様が願うことだと思います。そのためには、ま ずは笑うことです。「笑う門に健康来る」です。 この笑いは、偽笑いでもいいと言われています。面 白くなくても笑う偽笑いと、面白くて笑う笑いは、共 にリラックスした時に働く副交感神経が活発に働き、 ストレスホルモンであるコルチゾールの減少も認めら れます。また、笑い声を聞くだけでも同じ効果がみら れます。見ているものが自分に影響を与えるので、周 りが明るいと自分も明るくやる気がでます。これは、 ヨガも同じで、ヨガの動画をみて一緒に呼吸をしてい るだけでもリラックス効果があると言われています。
笑いのツボ探し
友人、家族、会いたい人に会える時間はあるのに、 会うことが制限されているので笑いの回数がより減っ ています。それだけでも大きなストレスです。言うま でもなく、ストレスが健康を害します。手軽にできる
文面での会話ではなく、会えなくても電話やテレビ電 話を使って大切な人と大切にしたいものを共有し、笑 顔をみせてあげましょう。私も素敵なもの、楽しいこ とをみつけると、家族や友人にテレビ電話で共有します。 これは、いい意味でとても便利な世の中です。 笑いは、自分だけでなく、周りまでも、社会までも 変えてくれるものかもしれません。偽笑いでもいいので、 その場で少し口角をキュッとあげてみましょう。最初 はぎこちなくても、いつの間にか、笑いの“ ツボ ”に ハマるはずです。
えみぃーで「笑いの力」を引き出す
https://mbp-japan.com/shizuoka/mutsugoro/column/5118981/