シンプルな治療 ( 病ましてまで、知らしてくれる? ) 聖路加国際病院理事長の医師日野原重明先生
戦国武将で知らない人がいない程有名な毛利元就。
広島安芸国の明智将は徳川家康公と同じ寿命(75歳)で、70歳で子を成し(家康公66歳)、頭を使う生き方は家康公と瓜二つ。5歳で実母を亡くし、10歳で父を亡くした生い立ちは、自分の命を助けてくれた漢方医「曲直瀬道三」に近いものがあります。戦国の世に二人を引き合わせた理由がそこにあるかも知れません。よく頭を使い、ぐっすり眠ることは健康の秘結と元就と家康公が教えてくれているようです。
よく頭を使い、先読みの天才元就公。有名な「三矢の訓」は末代まで残る有名な教えとなりました。また、この時代に、女性に敬意を払っていました。なんて先を見通す力があったのでしょう。600年後の時を超え、プロ野球の広島カープが女性に人気なのも、元就のホスピタリティがこの地に根付いていたのかもしれません。
健康法その①・・・早起き
元就は早起きでした。「早起きは得意不得意があるのではないの?」と思われるかもしれませんが、元就はちょっと違っていました。早起きするために、寝つきを良くする方法を考えていたのです。寝入り端90分が勝負。この時成長ホルモンの8割が分泌され、これが睡眠の質を高めてくれるそうです。
その方法とは (イ)常に「考えている」ことで、睡眠物質アデノシンを高めていた。
(ロ)寝る前のリラックス法として、「小言、愚痴、説教」を言葉に出してストレス解消をしていた。
(ハ)入浴後2時間で床に就く。これは、深部体温が下がる時間と言われている。
健康法その②・・・お灸
70歳で意識を失い倒れた元就は、曲直瀬道三のお灸で助けられました。お灸で皮膚を刺激すると、ヒストトキシンという有害物質が発生し、これを除こうと白血球などの免疫成分がふえて回復能力が増すというのがその治療メカニズムです。その時使ったツボは、「百会、大椎、肩井、曲池、間使、足三里」。奇跡の回復劇は、その後元就をお灸の虜にさせてしまったことに間違いはありません。
健康法その③・・・酒は小さな器で1−2杯
頭の使い過ぎは脳血管にダメージを与えたのでしょうか。お酒にも気を付けていた元就でしたが、やはり戦国時代のストレスは大変なものであったのでしょう。ここで私があえて漢方薬を出すなら「続命湯」です。この漢方薬は脳卒中によく使われます。
養生法でもよくならないことはあります。そこは漢方薬にお任せ下さい。
戦国武将に学ぶ健康法まとめ
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