弱った胃腸に
あけましておめでとうございます。
皆さま、今年のお正月はゆっくり過ごせましたでしょうか。お正月関係なく仕事のかたは、大変お疲れ様でした。また、スタッフ一同、例年より長くお休みを頂き心身ともにリフレッシュさせて頂きました。今年一年、より充実した漢方相談が出来るよう頑張って参りますので宜しくお願い致します。
さて、今年は開局25年目の年となります。ここまで長く続けられたのも皆様方のお陰と心から感謝しております。25年前に健康に生きる秘訣を「むつごろう健康五ヶ条」にまとめたことを思い出します。その五番目に「真の健康とは心と身体が調和し常に自然体であること」と書きました。なんとなくその意味はご理解頂けると思いますが、「常に自然体」になることは難しいものです。そこでそのヒントを歴史上の人物に伺ってみました。
有名な「老子」の言葉に「希言は自然なり」、あります。その章を書いてみますね。
希言は自然なり
飄風(ひょうふう)は朝(あさ)を終(お)、暴(ぼう)雨(う)は日(ひ)を終(お)。たれかこれをなす。天地(てんち)にして久(ひさ)こと能(あた)、またいわんや人(ひと)に于(おい)てをや。
故(ゆえ)事(こと)に従(したが)いて道(みち)なれば道(みち)に同(おな)じくし、得(とく)なれば得(とく)に同(おな)じくし、失(しつ)なれば失(しつ)に同(おなじ)じくす。
何を言っているかと言いますと、「言い訳も宣伝もしない、その寡黙さこそ無為自然の道である。激しい風も翌朝にはおさまり、暴雨も一日中は続かない。誰がそれを司っているかというと天地である。天地でも不自然を長続きさせることができないのに、まして人間の賢さなど長続きするわけがない。ゆえに「道」があれば「道」に同化し、成功すれば成功したなりに、失敗すれば失敗したなりに対応して動じることはない。」(守谷洋訳参考)
無為自然とは、仕事や生き方に対して、作為や小細工をせず、あるがままに生きていくことです。無理は長続きしないと言っています。皆さま如何ですか。理解はできても、実行するにはハードルは高そうですね。
漢方は自然なり
漢方医学は約2000年続いてきました。多くの危機を乗り越え、漢方家の偉大な先生たちが今日まで繋いできました。日頃、私たちが風邪に使う「葛根湯」の起源も同じく2000年。実はたいへん貴重なものなのです。私達の周りで2000年続いているものは、何かご存知ですか。日本で考えますと弥生時代の生活で現代に残っているものですが、あるとしたら本能に近い習慣か、食べる物くらいかもしれません。それではなぜ、漢方薬がそれだけ長く続いてきたのかと言いますと全て自然のものから作られているからなのです。そして何よりも、それぞれに薬草の性格を考えてまるでバランスのよい食事のように無理がない組み合わせになっているからです。余談になりますが漢方薬は、原料の一部に玄米や山芋、果実などの食品が入っていますが、食べ物との違いは、味の美味しさと不味さです。食べ物は栄養を体に入れる為美味いものを選び、漢方薬は体内の毒素を外に出すために不味ものを選びました。私たちは美味しいものを食べ過ぎた分だけ漢方薬が必要になってきたのかも知れません。
やはり老子の言葉どおり「自然体」は長続きするのですね。