「断れない」を卒業したい人へ|そのまま使える、やさしい断り方の例

飯塚和美

飯塚和美

テーマ:生きづらさを感じる時

「また引き受けちゃった」と帰り道で思う方へ

 頼まれたときに「無理かも」と思ったのに、口から出たのは「いいですよ」。

 そのあと、帰り道や布団の中で「どうして断れなかったんだろう」と自分を責めてしまう。そんな経験はありませんか?

 カウンセラーとして13年、8,000件を超えるご相談をうかがってきましたが「断れなくて苦しい」というお話は、本当によく聞きます。

 最初にお伝えしたいのは、断れないのは、あなたの性格が弱いからではない、ということです。

断れない人の心の中で起きていること

 断れない方の心の中には、こんな気持ちがあることが多いです。

・断ったら、嫌われるかもしれない
・相手をがっかりさせたくない
・自分が我慢すれば、丸くおさまる

どれも、相手を大切に思う気持ちから生まれています。

 ただ、その優しさがいつも自分のほうに向いていないと、少しずつ心が疲れていきます。
「人間関係に疲れた」
「気を遣いすぎてしんどい」
と感じるのは、そのサインかもしれません。

断る前に、まず「すぐに答えない」

 断り方を考える前に、ひとつだけ覚えておいてほしいことがあります。それは、その場で返事をしなくていい、ということです。

 断れない方は、頼まれた瞬間に「はい」と言ってしまいがちです。だから、まずは時間をもらいます。

「ありがとうございます。予定を確認して、あとで返事しますね」

 これだけで、気持ちが落ち着きます。そのあとで、引き受けるか、断るかを考えれば大丈夫です。



角を立てない断り方の例

 ここからは、そのまま使える言い方をご紹介します。
どれも「ありがとう+できない理由+代わりの案」の形です。
全部そろえなくても「ありがとう」と「今回は難しい」の2つがあれば、十分に伝わります。

■職場で頼まれたとき
「声をかけてくださって、ありがとうございます。今は手がいっぱいで、お引き受けできません」
「今日は難しいのですが、明日の午前中なら見られます」
 理由をくわしく説明しすぎなくても大丈夫です。説明が長いと「それなら、こうすればできるよね」と言われやすくなります。

■友だちに誘われたとき
「誘ってくれてうれしい。でも今回は休みたいから、またね」

■家族に頼まれたとき
「手伝いたい気持ちはあるけど、今日は少し休ませてね」
 家族だと「なんで?」と言われやすくて、断るのがいちばん難しいという方もいます。そんなときは「気持ちはある」ことを先に伝えると、やわらかくなります。

断ったあとの罪悪感は、悪いことをした証拠ではありません

 断ったあとに
「あんな言い方でよかったかな」
「嫌な人だと思われたかも」と、
胸がざわざわすることがあります。

 でも、その罪悪感は、あなたが悪いことをしたから出てくるのではありません。今まで「断らない」ことで人間関係を守ってきたので、心がまだ慣れていないだけです。

 はじめは、胸がざわざわしても大丈夫です。何度か断る経験をして「断っても、関係は壊れなかった」と体で分かってくると、少しずつ楽になっていきます。

 断ることは、冷たいことではありません。自分の心と、相手との関係を、長く大切にするための方法のひとつです。



おわりに

 断れない自分を、責めなくて大丈夫です。
断れないのは、これまで人のことを大切にしてきたからです。

 今日のひと言を、すぐに使えなくてもいいんです。
「こんな言い方もあるんだな」と知っておくだけで、次に頼まれたとき、少し心に余裕ができます。
Instagramでは「心が軽くなるリール」を、短くまとめて投稿しています。
 断れなかった日の夜、自分を責めてしまいそうなときに、のぞいてみてください。
「相談するほどじゃないかな」と思う方も、気軽に見に来てくださいね。


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飯塚和美
専門家

飯塚和美(心理カウンセラー)

カウンセリングルーム『大空』

電話相談含め8,000千人のカウンセリング実績。幼い頃からしみついた考え方の癖や枠を取り除き、生きづらさを解消します。リピーターが多く講座を含め日常で壁にぶつかると訪れたくなる、親しみやすさが好評

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