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ACアダプタはコネクタが同じでも互換性があるとは限らない

2015年4月7日 公開 / 2020年7月27日更新

テーマ:機器と端末の管理と保守

コラムカテゴリ:くらし

コラムキーワード: パソコン修理パソコントラブルパソコン修理 業者


ACアダプタの故障は修理よりも交換を推奨

●掃除機や扇風機など、コンセントの交流100V電源がそのまま使える一般家電製品と違い、IT機器の多くは直流電源で動作する弱電製品です。ノートパソコンは大体15~20Vの直流を電源としているものが多いのでコンセントの交流100Vを直流電源に変換する必要があります。ですから、IT機器類にはその機器専用の電源変換器、いわゆる"ACアダプタ"が付属されています。

●見た目が黒く四角い箱状なので一見どれも同じように見えますが、同じメーカー、同じシリーズであっても機種によって対応電圧や電流は様々で一様ではありません。

●ACアダプタは持ち運びや移動などで配線が傷んだり落としたりぶつけたりで長年使用している間に故障したり、配線が切れかかったりすることも多くサポート事例でもよく相談があります。また、静置していても劣化などで故障することもまれにあります。


切れかかったDC側配線

●そこで、修理を依頼される場合もあるのですがACアダプタは修理代より新たに購入したほうがほとんどの場合安くなります。それ以外にも「電源」という危険な部位の修理は安全性の観点からも避けたほうが現実的です。修理というのは、元の強度などを再現できない場合があるからです。ですからACアダプタの故障の場合は多くが「交換」となるわけですがこれも意外とハードルが高い問題なんです。

●機器に付属しているACアダプタは、メーカーではすでに部品保有年数が過ぎていたりした場合、純正品の入手には困難を極める場合があります。その機種専用のものですから、ロットが少ない機種は「レアもの」になってしまうのでさらに入手は難しくなります。

「動くなら問題ない」という流用のしかたは危険

●そこで、家で余っていた同じメーカーの違う機種のパソコン用ACアダプタや、身近な別の機器のACアダプタを外して拝借し、使えないだろうか?ということで相談をされることもあります。確かにコネクタ形状が偶然合っていて機器に接続ができれば解決する問題のような気もするかもしれませんが、この問題は実はそんな簡単な問題ではないのです。

●ノートパソコンに限らず、弱電の精密機器は必要な電圧、容量など定格が設計上厳格に決まっていて、その機器に付属している専用のACアダプタを必ず使用しなければいけません。ところが、ほかの機器のACアダプタのコネクタ形状が偶然合ってしかも電源が入り機器が動き出し、異常は見当たらない、動くなら問題ないのでは?ということになると「これはラッキー!」とそのまま流用したくなると思います。でも実は無理に動いているだけかもしれず、こういった根拠のない判断は危険です。

必ずその機器専用のACアダプタを使用する

●ACアダプタ関係で以前あった実例ですが、事務所の配線整理をしていた際につなぎ直しなどをしていてよく確かめずに他の機器のACアダプタコネクタを差し込んでしまい、バチッと火花や音が出て外付けHDDが動かなくなった・・というトラブル相談がありました。このような場合、過電流や過電圧で機器の電源部基盤などが焼けてダメになっていることがあり、メイン基盤にまで損傷が及んでいると修理が不能になることもあります。

●このように、目に見えてすぐにはっきりと合わない事がわかる場合は良いですが(わかった時点ですでに手遅れなので「良い」とは言えませんが)、違う電源を差し込んでダメージが出るまで時間がかかる場合や目には見えない形で無理が進行して、後日トラブルが起きる事があります。

●電圧や容量が違うACアダプタの使用はACアダプタ側、または機器側双方に負荷やダメージを与え、場合によっては発煙や焼損に及ぶ場合もあります。そこまで至らなくても、変なにおいがしてきたり、ACアダプタ、または機器が異常に熱くなり樹脂部分が変形したりすることもあります。

●ACアダプタには安全回路が内蔵されていますのでいきなり爆発したり燃えたりすることはありませんが、配線やコネクタが傷んでいる場合は過負荷に耐えきれない可能性があり大変危険です。

●弱電機器類は、必ずその機器専用の純正ACアダプタを使用することが基本です。取扱説明書には最初のほうに注意書きが記載されているはずです。


※様々な種類のACアダプタ。 どれも同じではない。
※コネクタ形状が同じでも使えるとは限らない。

どうしても使いたい機器があるけど電源がない場合

●どうしても使いたい機器があるけれどもACアダプタが無くなった、故障した・・という場合は、その機器の仕様を良く確かめた上で互換を保障したサードパーティ製などの代替製品を購入する方法があります。また、中古の同型品をネットなどから購入すれば安心して使うことが可能です。

●ノートPCなら、下記のような互換品が販売されています。

●互換ACアダプタを販売している周辺機器メーカー

バッファロー BUFFALO
https://www.buffalo.jp/product/child_category/laptop-adapter.html

エレコム ELECOM
https://www2.elecom.co.jp/cable/ac-adapter/serch.asp

サンワサプライ
https://direct.sanwa.co.jp/contents/sp/tapfunc/acadapter/

●事情通ならば、他社製品のものでもOEM製品なら基本的に同じものであることを理解していたりしますので、純正にこだわらず上手くそのようなものをネットなどで見つけて、自己責任の下使っている人もいます。

※電圧や容量など規格を確かめる。
 OEM品なら互換性が見込める場合がある。

●しかし、それでも見つからない場合は、電圧と容量表記が同じものを探してきて代用する手もないわけではないですが、これは余程の事情通か専門的知識を持っていなければお勧めはできません。電圧と容量表示が同じだからといっても全く別の製品のACアダプタですから無条件にOKという事はなく、実際に使って何が起きるかわかりません。

同じ電圧、電流値表示でも仕組みが違うものがある

●ACアダプタには、安定化電源(スイッチング)と非安定化(トランス型)があり、それぞれ仕組みが違いますから同じような仕様でも使えるとは限りません。ノートパソコン用ACアダプタはスイッチング電源です。電圧と電流値が同じ表記だからと言ってほかの非安定化電源を投入することはトラブルを招きます。

●ACアダプタ内部に安定化回路を持ったものは機器側には安定化回路がありません。逆にACアダプタがトランス型で安定化回路を持たず、機器側に組み込まれているものもあります。そのACアダプタ同士は電圧と電流の値が同じであっても、仕組みが違いますから互換性はありません。非安定化のアダプタは実際に供給される電圧は表記よりもかなり高いため安定化電源投入を前提で作られている機器には高過ぎます。

●また、安定化回路を持たない機器とACアダプタの組み合わせ同士で使用してしまうと負荷変動などで電源として正流(正しい流れ)ではないため機器側に異常が出てしまいます。そのため、メーカーではその機器付属の専用のものを使うように注意しているのです。同じメーカーの製品であっても製品毎にその仕様は違います。余程の事情通でなければ流用は冒険でしかありません。


※機器とACアダプタの標準的な組合せ


※やってはいけない組合せ

●最近では、スマホやタブレット用の充電用電源が雑貨屋や100円ショップなどでも売られていますが、耐久性などが低くて断線などを起こし思わぬトラブルになることがあります。また使いたい機器に本当に合っているものかどうかなど、購入前に仕様をよく確かめる必要があります。

九州インターワークス 注目のページ
「パソコンの安定化対策」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/antei.htm

この記事を書いたプロ

古賀竜一

コンピューターサポートのプロ

古賀竜一(九州インターワークス)

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