HDDからカリカリという音がする!異常?正常?故障の前兆?「HDDの音」について

古賀竜一

古賀竜一

テーマ:機器と端末の管理と保守

HDDの仕組みと音との関係

●今回のコラムは 「パソコンと音」 編の「HDDの音」についてです。

●HDD(Hard Disk Drive)は、パソコンのデータを保存するための代表的な記憶装置の一つです。OS(基本ソフト)やアプリケーション、写真や動画、各種データなどを格納しています。現在ではSSD(半導体ストレージ)が主流になりつつありますが、大容量を比較的安価に扱えることから、HDDもデータ保存用途などで今なお広く利用されています。

●最近では、OSをSSDにインストールし、HDDを写真・動画・バックアップなどの保存用ドライブとして利用する構成も一般的になっています。しかし、たとえサブドライブであっても、大切なデータが保存されている以上、その重要性は変わりません。

●HDDは内部に機械的な駆動部を持つ「精密機械」です。構造としては「プラッタ」と呼ばれる円盤が高速回転しており、その表面には磁性体がコーティングされています。ヘッドアーム先端の磁気ヘッドが、電磁気的にデータを記録・読み出ししています。



正常なHDDの通常の作動音とは

●現在のHDDはかなり静音化が進んでおり、通常使用時は耳を澄まさないと聞こえない程度のものも多くなっています。一昔前のHDDでは、ガリガリ、ゴロゴロ、ガーッという大きな音が普通でしたが、近年ではかなり静かになっています。

●それでも、アクセス時には「カリカリ」「コリコリ」といった小さなシーク音(ヘッド移動音)が聞こえることがあります。これはデータを読み書きしている正常動作の一つです。

●パソコンの電源を入れると、まずHDD内部のモーターが回転を始めるため、「キューン」という回転開始音が聞こえることがあります。その後、OSやデータを読み込むためにヘッドが動作し、アクセス音が発生します。

●これらの音にはメーカーや機種ごとの個性があり、長年扱っている人の中には、音だけでメーカーや世代の違いがある程度わかる場合もあります。

●OS起動中やアプリケーション起動時には、データアクセスが増えるため、一時的にアクセス音が増えることがあります。逆に待機状態では、ほとんど音がしなくなる場合もあります。

●また、一部のHDDでは省電力制御やヘッド退避(ロード/アンロード)機構によって、「ココン」「カチッ」という小さな音が定期的に発生することがあります。これだけで直ちに故障と判断することはできません。

●ただし、以前より明らかに音が大きくなった、異音が増えた、アクセス速度が低下したなどの変化がある場合は注意が必要です。SMART情報の確認や、早めのバックアップを推奨します。

●さらに、HDD本体ではなく、筐体の共振や固定不良によって「ビビリ音」が発生している場合もあります。特に金属製ケースでは共振によって音が大きく感じられることがありますので、どこから音が出ているかを確認することも重要です。

HDDの異常発生初期段階の音とは

●では、HDDに異常が発生し始めた場合、どのような音が出るのでしょうか。

●起動時に「カコン」「ガキッ」「カチャカチャ」といった不自然な音が繰り返される場合、ヘッド制御異常や読み取りエラーなどが発生している可能性があります。

●また、通常のアクセス音とは異なる、一定間隔で「カコン、カコン」と規則的な音が続く場合、読み取りリトライやサーボ制御異常、不良セクタ発生などの可能性があります。

●この段階ではまだ動作していることも多いため、重要データはできるだけ早くバックアップしましょう。状態によっては、ユーザー自身で安全にデータを退避できる最後のタイミングになる場合があります。

●さらに、「ブーン」と回転し始めた後に停止を繰り返す、「チューン、チューン」と断続的な異音が出る場合は、電源供給異常、制御基板、接続不良など、HDD以外の部分に問題があるケースも考えられます。

●SATAケーブルの接触不良、電源ユニットの劣化、マザーボード側の問題などが原因となることもあるため、HDD単体だけで判断しないことも重要です。

HDDの異常発生、危険領域の音とは

●「シャリシャリ」「キーッ」「擦れるようなシャー音」「引きずるようなズズズ音」が発生している場合、ヘッドクラッシュなど深刻な物理障害が発生している可能性があります。

●これは磁気ヘッドがプラッタに接触している危険な状態の可能性があり、通電を続けることで記録面に傷が広がり、データ復旧がさらに困難になる場合があります。

●このような音が出ている場合は、安易に電源を入れ続けたり、復旧ソフトを試したりせず、必要なら専門業者への相談を検討した方が安全です。

●また、「カチャカチャカチャ」と激しく繰り返すクリック音が出ている場合は、ヘッドの位置決めが正常にできず、読み込みを繰り返し失敗している状態の可能性があります。いわゆる「クリック音障害」と呼ばれる典型例です。

●この状態では動作が極めて不安定で、データコピー中に停止してしまうことも少なくありません。無理な通電や繰り返しの再起動は、症状悪化につながる場合があります。

HDDの異常、最終段階の音は?

●そしてHDD最大の危険な音の状態、それはどんな音かというと!!!

ドラムローーーーーールっ!!



    ーーー「無音」ーーー     です。(^o^)>

●つまりHDDは完全に動いていません。おしまいになってます。音がしない場合は最悪の状態です。

●完全に無音になった場合、モーター故障、制御基板故障、ヘッド固着(スティクション)など、重大な障害が発生している可能性があります。

●さらにBIOSやUEFIから認識されない場合、個人レベルでの復旧は非常に困難になります。



●ただし、認識不能=完全復旧不可能とは限りません。専門のデータ復旧業者では、部品交換や特殊装置によって復旧できるケースもあります。しかし、クリーンルームでのラボ作業が伴うことがあり、費用は非常に高額になりやすく成功率も極めて低くなる場合があります。

日ごろのチェックを忘れずに

●HDDは異常発生時、「音」として前兆を出すことがあります。普段から動作音の変化を意識しておくことで、故障の早期発見につながる場合があります。

●ただし、異音に気付いた時点では、既に劣化や障害が進行しているケースもあります。大切なデータを守るためには、日ごろからSMART情報(自己診断情報)などを確認しておくことも重要です。

●なお、SMART情報も万能ではありません。正常表示のまま突然故障する場合もありますので、異音、転送速度低下、エラー発生なども含め、総合的に状態を判断する必要があります。

●また、停電や落雷、瞬停などによってパソコンの電源が異常停止した場合、HDDやSSDだけでなく周辺回路にダメージが発生していることがあります。異常が無いように見えても、一度は状態確認を行った方が安全です。

●最近のスマートフォンやタブレット、SSD搭載PCなどは、HDDのような機械的駆動部を持たないため、ストレージ由来の動作音は基本的にありません。そのため、HDDのように「音の異変」で故障の兆候を察知しにくいという特徴があります。

●SSDも非常に高速で便利なストレージですが、突然認識不能になるケースもあります。SSDだから絶対安心というわけではありません。HDD・SSDを問わず、日ごろのバックアップが何より重要です。

九州インターワークス
「パソコンの安定化対策」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/antei.htm

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ITのユーザーサポートの現場で実際に問題を解決しながら、ITの最新の状況とその問題点を追及している専門家です。多様で複雑になってきたITのことをユーザーにわかりやすく丁寧にお伝えします。

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