リチウムイオンバッテリーの寿命が機器の寿命に?5つの対策で長持ちさせる方法
目次
●前回のコラムではパソコンの電源コードは終了後にコンセントから外したほうが良いのかどうか・・・についてお話しました。
「パソコンの電源コードは「つないだまま」でいいのか、それとも・・・ 」
https://mbp-japan.com/saga/pc-pro/column/4008465/
●今回はIT周辺機器の電源についてもお話したいと思います。
PC周辺機器のコンセントを抜く、タップでOFFが習慣に?

出張サポート先では、4~8個口の電源タップにそれぞれON/OFFできるスイッチが付いた製品を使い、パソコンやIT周辺機器の電源をまとめて管理している環境をよく見かけます。
パソコンを終了したあと、タップのスイッチでパソコンだけでなく周辺機器までまとめてOFFにしている方も多いのではないでしょうか。
しかし、使い終わるたびに周辺機器をコンセントから抜いたり、タップでOFFにしたりすることは、良いことなのか、それとも悪いことなのか、少しは疑問に思ったことはありませんか?
今回は、PC周辺機器の電源コードは使用後にコンセントに差したままでいいのか、それとも抜いたほうがいいのかについて、ITサポートの経験をもとに解説したいと思います。
電源を抜く動機は省エネと安全面への不安から?
たとえばONU(光回線終端装置)やホームゲートウェイ(いわゆるNTTなどのモデム)、Wi-Fiルータ、プリンタなどを同じタップにつないでいるケースがあるとします。パソコンの終了後、それらの機器も毎回OFFにしたり、コンセントから抜いてしまっても問題はないのでしょうか。
省エネという観点だけで考えれば、使っていない機器の電源を切ったり、コンセントから抜いておくことにはわずかですが意味があります。近年のIT機器は低消費電力化が進んでいるとはいえ、待機電力はゼロではありません。
夜間、暗い部屋でONUやWi-Fiルータ、プリンタなどのランプが点灯し続けているのを見て、「本当にずっと電源を入れっぱなしで大丈夫なのか」と気になったことがある方もいるでしょう。
また、パソコンを終了したあとも、ネット回線機器が24時間常時インターネットにつながっていることに、漠然とした不安を感じる方もいるかもしれません。
しかし、単純に全部の電源を落とせばよいというわけでもありません。IT機器は利便性やセキュリティ、機器寿命などとも関係しているため、使い方によっては逆に不便やトラブルにつながる場合があります。
コンセントからネットワーク機器の電源を抜くメリット

ONUやホームゲートウェイ、Wi-Fiルータ、Wi-Fi対応プリンタなどは、基本的にコンセントから電源コードを抜いても設定した内容などが消えることはありません。
これらの機器の設定情報は、不揮発性メモリという電源が切れても内容が保持される領域に保存されているためです。再び通電すれば通常は元通りに動作します。
また、Wi-Fiルータなどのネットワーク機器は長期間連続稼働していると、内部状態の不整合や通信セッションの蓄積などによって動作が不安定になることがあります。
そのような場合、一度再起動することで状態がリフレッシュされ、通信速度低下や接続不安定が改善することがあります。
そのため、「調子が悪い時に再起動すると直る」というのは、実際によくある対処法のひとつです。
また、電源を切っている間は待機電力を消費しませんので、省エネには一定の効果があります。
さらに、長期間留守にする場合は、ネットワーク機器の電源を抜いておくことにセキュリティ上の意味もあります。電源が完全に切れている間は、外部から通信できなくなるため、不正アクセスや攻撃の対象になりません。
また、雷の多い地域では、落雷による過電圧(雷サージ)から機器を守るという意味でも、長期不在時にコンセントを抜いておくことは有効です。特にWi-FiルータやONUは雷で故障しやすい機器のひとつです。
以上のように、電源を抜くことのメリットは確かにあります。では、デメリットはないのでしょうか?
コンセントから電源を抜くことによるデメリット

もちろん、電源を抜くデメリットもあります。
まず注意したいのは、光電話を利用している環境です。
ONUやホームゲートウェイの電源を切ってしまうと、インターネットだけでなく固定電話まで使えなくなる場合があります。
そのため、固定電話を光回線で利用している家庭では、ネットワーク機器の電源を常時入れておく必要があります。
また、ONUやホームゲートウェイ、Wi-Fiルータなどは、電源を入れてすぐには使用できません。
回線事業者側との認証や通信確立処理が必要になるため、数分程度、場合によってはそれ以上接続に時間がかかることがあります。
Wi-Fiルータも起動直後は不安定なことがあり、スマホやパソコンが正常につながるまで少し待たされる場合があります。急いでいる際には、すぐに使えない場合があります。
セキュリティ対策のために、ネット利用後に毎回Wi-Fiルータの電源を切っているというユーザーがサポート事例でもいましたが、今はそこまで気にする必要はありません。
それよりも日常的なセキュリティ対策として本当に重要なのは、電源を抜くことではなく、Wi-Fiパスワードの適切な設定やファームウェア更新を怠らないことです。
ネットワークプリンタは定期使用の場合は電源は抜かない

さらに、家庭用インクジェットプリンタは注意が必要です。
最近のインクジェットプリンタは、待機中でも自動的にヘッドメンテナンスや内部循環を行っている機種があります。
毎回コンセントから電源を抜いてしまうと、再起動時にヘッドクリーニング動作が頻繁に実行され、かえってインク消費が増えたり、ヘッド詰まりの原因になることがあります。
また、Wi-Fi再接続や内部初期化処理にも時間がかかるため、すぐに印刷したい時には不便に感じるでしょう。
基本的にネットワーク機器は常時接続が前提

最近では家庭内でWi-Fiを常時利用する機器も増えています。
スマホやタブレットだけでなく、スマートテレビ、見守りカメラ、スマート家電、NASなど、常時接続を前提とした機器も珍しくありません。
そのため、毎回ルータの電源を切っていると、
・スマート家電が正常動作しない
・自動アップデートに失敗する
・録画機器やNASにアクセスできない
・外出先からの確認機能が使えない
などの問題につながる場合があります。
そのため、現在では「必要な時だけネットにつなぐ」というより、「家庭内インフラとして常時稼働させる」という使い方が主流になっています。
利便性と安全性のバランスを考えて管理する

もちろん、消費電力の削減や安全性を重視して電源を切る運用自体が悪いわけではありません。
ただし、現代のIT機器は常時接続を前提とした設計も多いため、単純に「節電のため全部抜く」のではなく、
・長期不在時は抜く
・雷が近い時は抜く
・普段は必要機器のみ常時通電
・ファームウェア更新を行う
といった形で、利便性と安全性のバランスを考えて管理するのが現実的でしょう。
電源管理ひとつでも、利便性、省エネ、セキュリティ、機器寿命など様々な要素が関係してきます。IT機器は単純に「切れば安心」というものではなく、利用環境に応じた適切な管理が重要なのです。
筆者実績:http://www.kumin.ne.jp/kiw/#ss



