HDDからカリカリという音がする!異常?正常?故障の前兆?「HDDの音」について
電源を根元から切るという習慣にメリットはある?

ノートパソコン、デスクトップパソコン、プリンタ、モニタなど、複数のIT機器を使用していると困るのがコンセント不足です。トリプルタップやテーブルタップを利用している家庭も多く、最近では差込口ごとにON・OFFスイッチが付いた便利な電源タップも一般的になっています。
そのため、パソコンをシャットダウンしたあとに、電源タップのスイッチをOFFにして電源を根元から切るという習慣の方も少なくありません。タップにスイッチがない場合でも、コンセントから電源コードを抜いているという方もおられます。
理由としては、
・待機電力を減らしたい
・ 雷対策をしたい
・電源がつながったままだと何となく不安
・セキュリティ上安全だと思っている
などがあるようです。
確かに省エネという観点では、待機電力をゼロにできるため、電源を切ったほうが有利です。しかし一方で、パソコン本体にとってはどうなのかという点も気になります。
毎回コンセントから抜くことにデメリットはないのでしょうか。
今回は、パソコンの電源コードを「つないだまま」にする場合と、「抜く」場合、それぞれの特徴や注意点についてお話します。
基本的には「挿したまま」で問題ない
結論から言えば、通常の家庭利用であれば、パソコンの電源コードはコンセントに挿したままで特に問題ありません。
パソコンをシャットダウンすると、WindowsなどのOSは停止しますが、内部基板には待機電力としてわずかな電流が流れている状態になります。これはパソコンだけでなく、多くの家電製品でも同じです。
ですからコンセントがつながっている場合、完全に電源が切れているわけではありません。通電状態のままパソコンを分解すると、内部回路への接触によって基板破損やショートの危険があります。点検やパーツ交換、内部清掃を行う場合は必ず電源コードを抜いて作業する必要があります。
では、電源を抜いた場合はどのような状態になるのでしょうか?
コンセントを抜くとBIOS設定保持用電池に影響することがある

パソコンのメイン基板には、BIOS(現在ではUEFI BIOSと呼ばれることも多い)というハードウェア制御用プログラムがあります。
BIOSプログラム自体はROMなどの不揮発性メモリに保存されているため、電源が切れても消えることはありません。しかし、日時設定や起動設定などの各種カスタマイズ情報は、CMOSメモリと呼ばれる領域に保持されています。
このCMOS設定を維持するために、デスクトップPCではリチウムコイン電池、ノートPCでは小型充電池などが使われています。
特に古いパソコンや、長年使用されたパソコンでは、このバックアップ電池が弱っていることがあります。その状態で長期間コンセントを抜いていると、BIOS設定を保持できなくなり、
・日時が初期化される
・ 起動エラーが出る
・BIOS設定が初期状態に戻る
・パソコンが正常起動しない
などの症状が出ることがあります。
なお、CMOSバックアップ電池は、通電状態でも経年劣化する消耗品です。ただし、長期間コンセントを抜いた状態では、電池だけで設定保持を行う時間が長くなり、電池消耗の一因になることがあります。
古いPCや長期間使用しているPCは、頻繁にコンセントを抜いた場合、問題が出やすい場合があります。
逆に、コンセントにさしたままの通電状態では、基板側の待機電力で消耗が抑えられて、設定保持が補助される設計の機種もあります。
※デスクトップPCのマザーボードに搭載されるBIOSバックアップ用リチウム電池。一般的には充電式ではなく、数年単位で消耗する。
※ノートパソコンで使われるBIOSバックアップ用充電池の例。機種によっては基板側から充電される構造になっている。
BIOS設定の変更は慎重に
CMOS電池切れなどによってBIOS設定が初期化されると、起動順序やハードウェア設定が変化してしまう場合があります。
最近のパソコンでは自動復旧することも多いのですが、一部機種では設定変更が必要になる場合もあります。
BIOS設定画面は一般ユーザーには難易度が高く、設定を誤ると起動不良や動作異常につながることがあります。一度も扱ったことがない場合は、無理をせず専門業者へ相談したほうが安全です。
雷対策では「抜く」ことにも意味がある

一方で、電源コードを抜いておくことに大きな意味がある場面もあります。それが雷対策です。
落雷時には、家庭の電源線や通信線を通じて高電圧が侵入し、パソコンや周辺機器が故障することがあります。
そのため、雷が近い場合には電源コードを抜くことが有効な対策になります。
ただし、パソコン本体の電源コードだけ抜いても完全ではありません。
実際には、
* ルータ
* ONU
* モデム
* モニタ
* プリンタ
などの周辺機器側からも高電圧が侵入する可能性があります。
さらに、
* LANケーブル
* USBケーブル
* HDMIケーブル
* アンテナ線
などを経由して、他機器からパソコンへ電流が流れ込むこともあります。
そのため、本格的な雷対策を行う場合は、パソコンだけでなく接続機器やケーブルも含めて切り離す必要があります。
電源コードを抜いてもセキュリティ対策にはならない

「コンセントにつながったままだと、ウイルス感染や不正アクセスが心配」という理由で、毎回電源コードを抜く方もいます。
しかし、通常のシャットダウン状態であれば、OSやソフトウェアは停止しており、一般的な家庭利用環境であれば、電源コードがつながっているだけで不正侵入されることはありません。
近年のPCではUEFI BIOSレベルでネットワーク機能を持つものもありますが、通常の家庭内LAN環境で、シャットダウン中のPCが外部から乗っ取られるようなケースは現実的にはほとんどありません。
つまり、電源コードを抜くこと自体が、直接的なウイルス対策やセキュリティ強化になるわけではありません。
結局、抜くべき?つないだまま?
一般的な家庭利用であれば、パソコンの電源コードは基本的に「つないだまま」で問題ありません。
特に、
* 古いPC
* CMOS電池が弱っているPC
* 頻繁に使うPC
では、常時接続のほうがトラブルを減らせる場合があります。
一方で、
* 雷が近いとき
* 長期間使用しないとき
* 完全に待機電力をゼロにしたいとき
には、コンセントを抜くメリットもあります。
重要なのは、「常に抜くのが正しい」「絶対につなぎっぱなしが正しい」と決めつけるのではなく、使用環境や目的に応じて使い分けることです。
パソコンの電源コードを抜いたからと言ってセキュリティーが安全になったり、ウイルス被害の防止につながることはありません。しかし、ルータなどではある程度の問題も出てきます。そのあたりの詳しいことは以下のコラムもご参考ください。
●関連コラム
「パソコン周辺機器の電源は毎回切ったほうがいいのか、それとも・・・」
https://mbp-japan.com/fukuoka/pc-pro/column/8486/
九州インターワークス 注目のページ
「パソコンの安定化対策」
http://www.kumin.ne.jp/kiw/antei.htm


