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コラム

生産性を上げる、戦略的人事考課・その2-実践事例 【商人舎magazine1月号】原稿

スーパーマーケットの経営戦略

2018年1月11日 / 2018年8月17日更新

人事評価(考課)制度は経営戦略であり、生産性を向上させるための重要ツールとして捉え、その仕組みをつくるという考え方を12月号で解説しました。
今回は、その具体例を説明することになります。

会社のコンセプト(理念)や戦略を再確認して、社内やチームで共有する。そしてそれを実現していくためには、社内に埋もれている人材や技術を発掘すること。そして結集することです。
1.人という最大の経営資源をフルに活用する
2.人財レベルを上げる
そのことが、お客に提供する商品やサービスのレベルを向上させることになり、結果として、売上や利益を最大化することに繋がります。

そして、結果(業績)だけではなく、正しいプロセスとその評価の仕組みにより、会社の一年後、二年後、三年後、五年後と成果が確実に表れることになります。


資金繰りに苦しみ、優秀な人材は集まらず、お客からの多くのク


今回ご紹介する事例は、弊社の業務改善コンサルティングを行っているクライアント(A社)に導入した人事評価制度の実例です。
コンサルタントとクライアントの守秘義務の都合上、その全てをお伝えすることは出来ませんが、本質的な部分は十分ご理解いただけるものと思います。

A社は、ある地方でスーパーマーケットを複数店舗展開されています。
私が訪問した当初、頑張ってはいるものの、低い営業利益で悩んでおられました。
そして、正月や盆明けの資金繰りに悩まされることが常態化していました。時にはそれ以外の月の資金繰りにも苦慮していた状態でした。

現場では、不良在庫が多く、売場の鮮度感も低く、欠品も多い。当然のことながら社内に生産性などという用語は存在していません。
また、レジの担当者を中心に、お客からの接客対応に対してクレームが頻発。
実際店内では、担当者の不機嫌な対応が見てとれたり、売場で大きな声で堂々と携帯電話を使う社員がいたり、という状態です。
この様な状態ですから、優秀な人材も集まらず、離職率も高い状態でもありました。


クレームが減り、離職率が減り、営業利益が拡大した


A社の現状をお伝えすると、評判の悪い社員は退社して、離職する社員はほとんどいませせん。逆にお客からの評判も上がり、新入社員の質も上がっています。最近は、躾の出来た人が多く入社してくれるようになりました。

在庫も激減し、鮮度感も生鮮品を中心に高く安定しています。
なんと言っても、営業利益は拡大し安定しています。資金繰りに悩まされることも殆どありません。

これらを実現できたのは、業務改善を進行しながら、
1.コンセプトを見直し戦略を策定
2.お客様に、美味しさ、楽しさを体感してもらうことに重点を置いたこと
3.お客様目線で品質と鮮度を見直したこと
4.接遇(おもてなし)、クリンリネス、にフォーカスしたこと
そして、
5.人時売上高、人時生産性を上げることを目標にしたこと
6.営業利益を上げることに集中したこと
7.残業を無くすことに集中したこと
などが、上げられます。
そして、
8.それらの目標やゴールを見える化したこと
9.1~7のことを織り込み人事考課制度を策定し、実行したこと
などです。


リーダーのメインの主体業務は、教育訓練とフォローと評価


私たちがコンサルティングをするときに、一番悩まされることは、リーダーシップです。
ここで言うリーダーシップとは、経営者や経営幹部のことです。

現場で具体的に教育訓練を行っても、なかなか定着しない時が有ります。
その原因の多くは、現場の従業員ではなく、経営者や経営幹部の日々のフォローの無さです。

習ったことを習慣化するように、リーダーが主体的に理解する努力をして、現場の部下をフォローすることによって、確実に各個人の能力は向上し血肉化していきます。
業務改善は確実に進行していくことになります。

このプロセス全体に対して、マネジメントの仕組みを作ることも人事評価の重要な役目なのです。現場の一担当者、チームリーダー、上司。それら全ての職位に対して、行動の評価を行うのです。

ビジネス発展のために、会社の生産性を上げるという視点が今後さらに重要であり、「リーダーの成長」が、「会社の成長」を支える原動力になります。
戦略的に考えられた人事評価は、実績評価に留まらず、目標達成のためのプロセスに焦点を当てて考える必要が有ります。


人事評価の体系・事例(リーダー用)


下記の表が、A社のリーダーの評価制度の体系図になります。

            ◇人事評価・体系図【リーダー用】

実績評価と行動考課、そして、職務等級に分かれています。
実績評価は、評価時点の実績を中心に評価します。
行動考課は、会社のコンセプトや戦略、方針を基に自己とチームの目標設定を行い、その取り組みの進捗状況に対して評価を行います。

更に、
実績評価は、
①利益貢献度
   営業利益高、粗利益高、在庫高、人時売上高、人時生産性、売上高
②売り場完成度
   開店時100%品揃え、ピーク時(午前・午後)100%ボリューム陳列、
   関連陳列の徹底、マグネット売場の完成度
③計画力
   売り場づくりの4P、52週販売計画、月間稼働計画、加工指示書、陳列指示書
④指導力
   接遇、品揃え計画、品質鮮度管理、クリンリネス、欠品対策、生産性の向上
⑤行動力
   折衝・交渉力、責任性、協調性、コミュニケーション

行動考課は、
①達成力
   営業利益高、粗利益高、在庫高、人時売上高、人時生産性、売上高
②今期重点課題
   接遇、品揃え計画、品質鮮度管理、クリンリネス、欠品対策、生産性の向上

職務等級は、
①接遇スキル(全社員同一)
となっています。


実績評価(リーダー)の事例・・・定量評価、定性評価


1.利益貢献度・・・営業利益高、粗利益高、在庫高、人時売上高、人時生産性、売上高
            などの定量データを基に評価を行います。

2.売り場完成度・・・開店時100%品揃え、ピーク時ボリューム陳列、関連陳列の徹底、
             マグネット売場の完成度など、お客に接する日々のプロセス管理に
             ついて評価します。

3.計画力・・・売場づくりの4P、52週販売計画、月間稼働計画、加工指示書、
         陳列指示書など、行動前の日々の計画力を評価します。

4.指導力・・・接遇、品揃え計画、品質鮮度管理、クリンリネス、欠品対策、生産性の
         向上など、重点課題について、チームの指導状況や結果についての評価を
         行います。

5.行動力・・・折衝交渉力、責任性、協調性、コミュニケーションなど、リーダーとして
         の主体業務について評価します。



行動考課(リーダー)の事例


基本的には、経営層と話し合い、個人の目標設定を行います。
A.項目詳細・・・各課題の業績向上に向けて、取り組む具体的な行動
B.目標水準・・・どの程度(数値)
C.達成方法・行動規準・・・具体的方法・対策・計画・時期
D.進捗状況・・・達成状況(成果・効率・反省点)
E.評価(自己・上司)

1.業績改善・・・営業利益のアップ、在庫高の低減、人時売上高のアップ、人時生産性の
          アップ、売上高のアップなど、マネジメントについて、自身とチームの
          目標設定を行い、その進捗結果について評価します。

2.重点課題・・・接遇、品揃え計画、品質鮮度管理、クリンリネス、欠品対策、
          生産性の向上など、社内や重点課題について、自身とチームの
          目標設定と、その進捗状況について評価します。



人事評価の体系・事例(パート・一般社員用)


「会社のルール(理念やコンセプト)に則って行動したか」と同時に、
1.会社やチームの目標に対して、どう貢献したか
2.個人の目標は、達成できたか
3.その為の行動は、問題なく実行できたか
などが、重要な評価課題になってきます。

下記の表が、A社のパート・一般社員用の評価制度の体系図になります。

            ◇人事評価・体系図【一般社員・パート社員用】

実績評価と行動考課、そして、職務等級に分かれています。

実績評価は、
①能力
   仕事貢献度、行動力、理解・応用力、知識・技能、指導力
②行動
   報・連・相、規律性、責任性、協調性、積極・自主性

行動考課(戦略課題)は、
①接遇
②作業指示書
③マテハン
④品質鮮度管理
⑤クリンリネス
⑥発注

職務等級は、
①業務スキル(全部門統一項目+部門別項目)
②接遇スキル(全社員同一)
となっています。


実績考課(パート・一般職)


1.能力評価・・・仕事貢献度、行動力、理解・応用力、知識・技能、指導力について、
          評価します。

2.行動評価・・・報・連・相、規律性、責任性、協調性、積極・自主性について評価
          します。



行動考課(パート・一般職)


A社の行動考課については、接遇、作業指示書、マテハン、品質鮮度管理、クリンリネス、発注など、会社の設定した戦略課題や重点課題に対しての取り組みについて評価します。

基本的には、上長と話し合い、個人の目標設定を行います。
項目としては、
A.目標水準・・・どの程度(数値)
B.達成方法・行動規準・・・具体的方法・対策・計画・時期
C.進捗状況・・・達成状況(成果・効率・反省点)
D.評価(自己・上司)
です。

但し、接遇、作業指示書、マテハン、品質鮮度管理、クリンリネス、発注については、A社のこの時点の重点課題ということであり、戦略や競合状況など設定時点の課題に対して変更され、今後その内容が変更されることとなります。


職務等級…専門知識・技能


職務等級についても、戦略的に考えてつくることをお奨めします。

社員個人の賃金や賞与、昇進などを公平に決めるためツールとしても重要なのですが、
会社の進むべき方向に則して、
1.そのために遣るべきことを教える
2.そのために必要な知識や技能を計画的に習得させる
3.成長度や貢献度に対して、どうなるか(昇給や昇進)を教える
4.次の課題(目標設定)を教えて、更に個人の成長を促してあげる
という、戦略的な視点で策定することで、個人は成長し、チーム力は確実に高くなります。

            ◇人事評価・職務等級表【一般社員・パート社員用、青果部門用】・事例

また、A社の場合、部門ごとの専門知識技能の他に、接遇などに関しても全社共通の職務等級が存在します。
何れも、等級を取得すれば加点されて個人の基礎報酬に加算されます。


人事評価の採点


全ての評価項目は、得点で数値化されますが、それぞれの重要度や戦略の優先度などによって、各項目の評点が割与えられます。 (※ 点数×評点=得点)

            ◇人事評価・採点表【リーダー用】


            ◇人事評価・採点表【一般社員・パート社員用】




「何をすれば、褒められるのか」を教えるツール


会社運営で重要なことは、会社が従業員に対して、明確な指針を出すことです。
ここが解りにくい会社が多いのです。
従業員からしたら、「どう動いたらいいのか分からない」という不満の元になります。

1.「何をすれば、認めてくれるのか」という行動指針
2.「何をすれば、褒められるのか」という報酬との関わり
などを、会社が全従業員に対して解りやすく説明することが、組織力を高めるという上でも重要なことです。

その為の重要なツールが、人事評価制度であり、各項目が行動マニュアルの役目をしてくれることになります。


会社の成長は、従業員の成長が支える


「次世代を担う人材をつくる」ということが、マネジメント層の重要な仕事です。

会社の理念を理解してくれて、無駄が行動少なく、仕事が出来る従業員。
正しいルールの基、会社に利益をもたらす従業員。を、一人でも多く育てることです。

その為には、第二領域課題(緊急性は低い、重要度は高い)への戦略的取り組みを確実に進めることが必須になります。
※商人舎Magazine2016年7月号【営業利益を倍増する、時間管理術】で詳しく解説

            ◇第二領域(緊急性は低い、重要度は高い)


1.良い企業風土をつくること
2.「人を育てる」教育制度をつくること
3.評価制度をつくって仕事への意欲を高めること
4.良い影響を与えるリーダーを育てて配置すること
です。

繰り返しになりますが、「従業員の満足」は、確実に「お客様の満足」に繋がります。
そして、その人やチームが、目標達成に向けて「良い気分」で効率よく、仕事に取り組んでくれれば、生産性は確実に向上します。
このことに焦点を当てて、人事制度を考え人事評価の仕組みをつくれば、会社の発展への可能性は確実に高いものとなるでしょう。


評価制度の策定プロジェクト


人事評価制度の策定に当たっては、人事部だけで行ってはいけません。
現場を熟知した人、改善意欲の高い人、また、複数の職能(セクション)職位(階級)の人などが参加して、定時定例で時間を確保して策定に当たることです。

そのことで、評価制度の充実度の高まりとともに、作成メンバーが多くいれば、それだけ社内にマニュアルを正しく理解した従業員が多くなるという、大きなメリットが有ります。
またその分、現場への落とし込みがスムーズに進めやすくなるのです。

更に、コンサルティングが出来る社会保険労務士やこれらのことを熟知したコンサルタントなどが参加できれば、更に生産性を高めることの出来る『仕組み』が出来上がると思います。
コストは掛かりますが、
1.戦略の実効性を高めること
2.会社の将来を安定、成長させる
など、費用対効果を考えれば、全く問題ない投資だと考えます。
また、これに関しては、国や地方の助成金制度を利用することも可能でしょう。


人事評価制度を、『会社のビジョン実現のための目標管理ツール』 だと考えて、戦略的見地で創ることを、強くお薦めします。
また、会社の方向性がハッキリしていれば、皆が目標実現のためのアイデアを出しやすくなります。経営者が考えもつかなかった、イノベーションが起こるかもしれません。


■ 『スーパーの営業戦略』 その他の参考記事
  参考記事はこちらから、ご覧ください ⇒ スーパーの営業戦略 


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