地鎮祭の作法
上棟作業はほぼ一日で終わります
土台が敷き上がると、いよいよ上棟作業です。最近は接道等の制約が無い限り、レッカー車を用いて上棟していきます。上棟作業は一般的な家であれば、ほぼ一日で終了します。
上棟作業中は、柱と梁以外に斜めに止めてある木材をよく見かけます。これは、仮筋交いといいまして、柱が垂直に立つ様に固定する為に用いる斜材です。仮筋交いが無ければ、柱が真っすぐに立たないばかりでなく、強風が吹けば倒れてしまう事もあります。この事からも、在来の木造住宅は、柱の本数では地震に対する抵抗力が決まらず、壁の多さに依存している事が分かります。
通り掛りの人が、「これだけ沢山の柱が入っていれば、地震に強いですね」と声を掛けてくれる事が良くあります。別に逆らいもせず、「ありがとう御座います。」と返事はしますが、もっと木構造の事を知って欲しい衝動にかられます。
上の写真は棟が上がり、屋根仕舞作業中の外観です。ここまで出来れば、上棟式を行います。
上棟式は神事よりも現場慰労の意味合いが強くなります
家の中央の柱に御幣を取り付け、御神酒・洗い米・小豆・塩を小皿に盛り、簡易がな祭壇を設けます。御幣は南向き又は東向きになる様に取付、建築主を中心に北又は西に向かう様に並びます。御幣に向かい二礼二拍手一礼の作法で工事の無事竣工を祈念します。その後、備えてあった御神酒・洗い米・小豆・塩を拝戴し、建物の四隅に撒いて上棟式は終了します。
その後直会(なおらい)と呼ばれる宴会となります。直会は建築主さんのご厚意ですので、決まったやり方はありませんが、よくして頂くのは、折詰と日本酒の二合瓶をお土産として頂きます。現場ではノンアルコールビールやおつまみ、等々を振舞って頂きます。
これは、上棟式は神事と云うより、現場慰労の意味合いが強い為で、現場工事関係者が気持ちよくスムーズに工事に従事出来るようにと、気遣って頂いている為かと思っています。