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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

地盤改良

2018年11月28日

テーマ:住宅建築工事実況中継(只今工事中!!)

コラムカテゴリ:住宅・建物

砂上の楼閣にしない為に

 阪神大震災以前は、地面より下の事は無関心と云う人が大半でした。私も阪神大震災前までは、知識としては持っていましたが、余程地盤の悪い場所でない限り、地盤改良を行いませんでした。

 神戸市東灘区青木付近を震災当日走りましたが、液状化現象の為に道路は、雨も降っていないのに泥にまみれていました。
液状化する土地は勿論の事、そうでない土地に対しても、地耐力に不安があれば、地盤改良を行うべきです。建物が竣工してから10~20年で影響が出て来るものではありませんが、30年以降経過すれば、地盤改良がなされていない建物は、不同沈下を起こしています。
 中古市場が最近注目されていますが、地面より上の構造物に対しては新築と変わらないくらい補強は可能ですが、地盤の補強は現状では、非常に高価で現実的ではありません。そこまでお金を掛けるなら、新築を考えようとなってしまうのです。
 中古住宅のリノベーションと新築住宅の寿命の差は地面から下の地盤の強度で決まってしまいます。リノベーションには新築よりも安価に住まいが手に入ると云うメリットがありますので、その建物に何年くらい住むのかを目安に、生涯建設投資コストを考えられることをお勧めします。
新築の場合は、地盤調査したうえで、地盤に不安があれば、地盤改良を行うのが常識化しています。砂上の楼閣にしないためにも、地盤改良をお勧めします。

地盤改良

 この現場も地盤調査を行いました。木造住宅の場合大まかな土質が分かればある程度の判断は可能ですので、標準貫入試験は行わず、スウェーデン式サウンディング試験を行いました。現場は丘陵地の上の方で、地盤の良さはある程度分かっていたのですが、大規模造成されていましたので、表面の地盤の強度に不安がありました。案の定、サウンディング試験を行うと、地面より2mの深さまでは、自沈層こそありませんでしたが、相当軟弱でしたので、2mの柱状改良を行いました。

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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