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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

夏場屋根面は全外壁面の3倍の熱量を受ける

2018年8月11日

テーマ:【エコ住宅】

コラムカテゴリ:住宅・建物

暑さ対策は屋根・天井面が重要

このグラフは、一年間に受ける単位面積当たりの熱量を、方位別に表したものです。縦軸は熱量の多さ、横軸は季節の推移を示しています。黒い線は東西面、紺色は北面、赤は南面、緑は屋根面を表しています。
これを見ると夏場、屋根面は圧倒的な熱量を受けている事が良く分かります。

このグラフのモデルは、サイコロの様な立方体で熱量を計測していますので、この程度の差でしかありませんが、実際の家では、屋根の占める面積の割合がもっと多くなり、屋根面は全外壁面の約3倍の熱量を受けています。
ソーラーパネルを屋根に置く理由もここにあります。

熱はどの様に伝わるか

屋根面が、太陽から受ける熱は輻射熱です。つまり、反射する事の出来る材料で屋根を覆えば、太陽の熱量をカットする事が出来ます。人口衛星がアルミ箔で覆われているのは、宇宙空間で太陽から受ける強烈な輻射熱をアルミ箔で反射させているのです。
屋根も、黒い色よりも、白っぽい色で仕上げれば、輻射熱を大幅にカット出来ます。
それでも、鏡で仕上げでもしない限り、熱は侵入します。侵入した熱は伝導熱として、建物の構造体を温めます。伝導熱を防ぐには、熱貫流率の小さな材料を構造体の中に仕込む事で防げます。簡単に云えば断熱材です。断熱材は素材そのものの性能を高くするよりも、厚みを厚くする方が効果が上がります。安い断熱材をより厚く覆う方がコストパフォーマンスが良くなります。構造上・意匠上厚く覆う事の出来ない部分のみ、性能の高い断熱材を選ぶと云う考え方が正しいです。
新築や屋根を改造する場合は、屋根に通気層を設ける工夫をすれば、対流熱もカットする事が出来ます。
熱の侵入を防ぐのが、暑さ対策の第一歩ですが、それだけでは、室内温度を外気温以下の温度にする事は出来ません。しかし、世の中には、外気温よりも室内温度の方が低い家も存在するのです。
では、どうしたら、室内温度を低くする事が出来るのでしょうか。

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