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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

外壁サイディングの塗り替え時期

2018年3月21日

テーマ:【メンテナンス】

コラムカテゴリ:住宅・建物

外壁にコケが生えてきた

先日電話で、飛び込み業者に外壁の塗り替えを勧められたとの相談がありました。建物の築年数はまだ浅く築後7年くらいしか経っておらず、見た目はまだまだ綺麗なのですが、家の裏(北側)に回るとなんでもコケが生えているそうで、放置するとサイディングの中に湿気が回り込み、壁の中が湿気てシロアリの巣になると云われたそうです。
新築する際には、メンテナンスフリーに心がけて、当時としては耐久性を考えるとベストな材料を選定したつもりだったのに、シロアリが巣を作ると言われてショックを受けているとの事でした。

飛び込み営業は殆どが営業マン

「どの様な人にそう云われたのですか?」と質問すると「リフォーム工事をこの地域一円で展開している工務店」との事でした。容姿を訪ねると「作業服を着た職人さん風の人」との事でした。作業服はペンキで汚れていましたか?と聞くと「パリっとした真新しい清潔そうな作業服でした」との返事です。
塗装の劣化具合が分かる職人さんや技術者さんであれば、作業服でも汚れています。
「その人は営業専門の人で、建物に関してあまり知識の無い人ですよ。汚れていて自分でも塗り替えが必要と思うなら別ですが、耐用年数的にはまだ大丈夫です」と説明しました。

湿気が壁の中に入り込む事はないの?

「でも塗装が完全でないと湿気が徐々に壁の中に入り込んでしまいませんか?」とまだ不安そうにしておられます。そこで、「最近のサイディングの家は通気工法と言う、壁の中に外気を取り込んで常に乾燥状態を保つ工法になっているので、構造体にまで湿気が及ぶ事は雨漏れでもしていない限りありません」と説明すると、「新築工事の時もそう言う説明を受けました」とようやく納得されたご様子でした。

シロアリは大丈夫?

阪神大震災以降基礎が丈夫になり、床下全面にコンクリートを打設するべた基礎が一般化しており、床下からシロアリが入り込む事は無くなりました。外部から侵入する場合も犬走りに土間コンクリートを施す事により防げます。
通気工法は乾燥を嫌うシロアリ対策として考えられた工法ですので、サイディングが劣化して徐々に湿気が蓄積されると言う事は考えられません。

相見積もりを取る事が重要

外壁の塗り替えを依頼する場合でも、価格の比較は大切です。業者により10万円位は簡単に変わります。見積もり内容を公平に比較する為に、第三者に見積もりを比較検討してもらう事も大切でしょう。工事に関与する事のない設計事務所等に見積もり比較をお願いすると良いでしょう。

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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