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福味健治

建築主の思いを形にする注文住宅の専門家

福味健治(ふくみけんじ) / 一級建築士

岡田一級建築士事務所

コラム

メガクウェイク津波

2012年4月9日 公開 / 2014年5月23日更新

テーマ:【免震住宅・地震対策】

コラムカテゴリ:住宅・建物

東日本大震災の場合、津波の脅威を思い知らされました。昨日NHKスペシャルで、何故ここまで巨大津波が発生したのか、最新のデータを基に説明していました。
震源地付近の断層がずれた際に発生した津波と直ぐ後に、プレート境界付近のズレも発生し、盛り上がった津波を更に高く押し上げたとの事でした。
それ以外にも、海底地すべりによる津波も観測されている模様です。

恐ろしい話しですが、現在の建築基準法では、津波に対処する構造的検討は何も記載されていません。重力以外の対処する荷重として、雪・風・地震の取り決めがあるだけです。
津波が来れば、どの様な建物も安全とは云えないのです。海際に建てなければならない建物以外は津波の来ない場所に建てる事が唯一の対策です。
最大で34mに達すると予想されている津波です。30m以上の上り下りを毎日繰り返すのも多大な労力です。免震装置同様に、免波装置の開発が急がれます。

建物を津波被害から免れる方法として、国は堤防を高くしようと考えている様ですが、これは耐震構造の発想と同じで、限界があります。また30m以上の堤防を何kmも造ってしまえば日本の美しい海岸線の景観が台無しになります。
津波の映像を見ていると、堤防には激しく襲い掛かるようにぶつかっていましたが、堤防を越える津波は水が溢れる様な感じで、侵入していました。ある程度の水嵩になると、家が浮き始め流されて行きました。
津波被害を最小限に抑える方法として、浮き桟橋の様なモノの上に家を建ててはどうでしょうか。日頃は地面の下に隠れていますが、津波が来て水嵩が上がるとプカプカと浮き始めるのです。また浮き桟橋の様にどこか頑丈なアンカーに係留しておけば流される心配もありません。水が引けば普段の生活に戻れます。
また、地面より下で水を張っていれば水が免震装置の役目も果たしますから、地震にも効果的です。

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福味健治

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福味健治(岡田一級建築士事務所)

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