失礼な電話
大手のメーカーが部品を運んできて組み立てる方法で建設している住宅は、年間10万件前後かと思います。戸建て住宅の年間着工件数は80万戸ほどですので、残り70万戸は大工さんの建てる家になります。
テレビ等メディアに露出する住宅CMの殆どが大手ハウスメーカーのCMですので、一般的にそう思われるのも無理はありません。業界トップのセキスイハウスは売り上げ一兆円を越えますが、商業施設や収益物件の建設も含めての売り上げです。
住宅着工ベースのシェアで云えば2~3%程度のものです。
メディアあれだけ宣伝費を掛けて、2万人を越える従業員を抱えて、絶対的なブランド力を保有しながら、このシェアは逆に不思議なくらいです。これだけの売り上げがあれば、他産業では2~30%のシェアがあっても不思議ではありません。
ただ、世界的に見て一兆円を越える売上高を誇る住宅メーカーは日本にしか存在しません。住宅と云うのは地域の風土に根ざした地場産業です。その意味では日本のハウスメーカーは奮闘しているとも云えます。
平成24年度から「地域型住宅ブランド化事業」が始まります。これは中小の工務店10社以上がグループを作って地域に根ざした長期優良住宅を造ることにより、住宅の質を高めて行こうとする施策です。この「地域型住宅ブランド化事業」には一住戸当たり100~120万円の助成金が付きますので、この事業が本格始動すればハウスメーカーにとって脅威となるでしょう。
ハウスメーカーが選ばれてきた大きな理由はブランド力・信用力でした。地域ごとにブランド力・信用力のついたグループが登場すれば、大手メーカーと中小工務店との差がなくなってしまいます。この事業が定着すれば、日本の住宅産業界の構図も大きく変わることになるでしょう。
【地域型住宅ブランド化事業とは?】
http://mbp-japan.com/osaka/oado/column/13265/