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コラム
最近の建売住宅
2012年3月10日
知人に住宅を購入するので、見て欲しいと云われて建売住宅を調査しに行きました。
物件は木造3階建てです。
3階建ての木造は、建築確認申請で許容応力度計算を義務付けされますので、検査済み書さえ受けていれば、ある程度の構造強度の裏づけにはなります。
施工状態のみ確認すれば、一定判断は出来ますので、屋根裏と床下を覗きました。
限られた空間しか覗けませんでしたが、見えた範囲内においては問題点は見つかりませんでした。
ただ、温熱環境は、幾ら建売と云ってもお粗末です。壁・屋根裏共グラスウール10K100mmでは、3階は夏はサウナ状態になるでしょう。施工方法も繊維が袋から飛び出していたり、温熱環境の概念が工事管理者に欠如しているのが、施工状態から判りました。
建売住宅と注文建築の最も大きな違いは、やはりプランニングにあると思います。建売住宅は部屋数だけ取っておけば後は入居者が勝手に使うだろう、と云う意思が見えてしまいます。
3階は居室が3部屋あったのですが、知人の家族構成を考えると大きめの二部屋の方が使いよいはずです。もっと収納スペースを設けた方が部屋の中も整理されるはずです。恐らく、住んでみて既製服の様な窮屈さを覚えるでしょう。
また、3階建てですので、構造用合板を多用して気密性が良くなっている事が考えられますが、そうなると壁面内結露が気になります。部屋も細切れ状態で、家全体としての温熱環境が考えられていません。ある部屋を集中的に暖めると、ヒートショックが起こったり、廊下や洗面所廻りの結露が激しくなるでしょう。
家は買う物ではなく、建てるものです。
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