日本的雇用慣行の見直しが重要

鈴木圭史

鈴木圭史

政府は7月、令和元年度の「経済財政白書」を公表しました。

白書では、長期雇用や年功的な賃金制度を特徴とする「日本的雇用慣行」が、多様な人材の活躍に向けた弊害になっているとして、見直しが重要だと強調しています。

かつては一定の合理性があった日本的雇用ですが、現在の日本経済を取り巻く環境を考えると、限界が見られています。

例えば、企業内の訓練や職場経験だけで育った従業員は、思考や知識が同質的になりがちで、創造的な仕事が苦手な傾向があること、技術の進歩が速い現在では若いころに身に着けたスキルが陳腐化しやすいことなどを指摘しています。

このほか日本的雇用慣行については、出産・育児等が女性に不利に働く、中途・経験者採用・外国人材等の外部の優秀な人材が活躍できない、生産性に応じた賃金が支払われない、年功制度維持のため定年後の再雇用時に処遇が悪化する、といった様々な問題が指定されています。

白書では、「労使間の意識が変化していくことで日本的雇用慣行の見直しが加速していくことが見込まれる」としています。

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鈴木圭史
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鈴木圭史(特定社会保険労務士)

ドラフト労務管理事務所

社労士として20年以上の経験を誇り、労務相談から発展した、労務リスクの回避につながる労務監査を推進。IPOやM&A支援でも実績があります。「船員の働き方改革」に対応する海事代理士業も。

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