満18歳未満の労働者及び女性労働者の就労制限
平成27年12月1日に労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度が施行されましたね。事業所が行い労働者のメンタルヘルスの不調を未然に防ぎましょうという目的です。常時使用する労働者が50人以上(パートタイム労働者や派遣先の派遣労働者も含む)の事業場ではストレスチェックの実施と労働安全衛生規則様式第6号の2「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」を事業所ごとに管轄の労働基準監督署に提出することが義務づけられています。50人未満は努力義務にとどめられており報告書の提出義務はありません。報告書の提出は事業所ごとで設定することが可能で、1年以内ごとに毎年提出することが必要です。
<ストレスチェックの費用>
準備にかかる費用や産業医との面接料などは会社負担で行います。ストレスチェックをwebで行うか、紙で行うかで値段も変わってきますが、一人当たり約450円~800円が目安です。また産業医に係る費用は一人当たり5000円~20,000円程度と言われていますが、厚生労働省衛生課調べによると高ストレス者に認定された者で医師による面接指導を受けた労働者は0.6%と低位です。面接指導は高ストレス者からの申出があってから1か月以内に実施する義務があります。
<メンタルヘルス対策>
ストレスチェックだけではなく普段からメンタルヘルスの対策に取り組むことも大切です。メンタルヘルス対策や過重労働対策は事業者の社会的責任でもあり、働きやすい環境作りにも繋がります。病気リスクのある人や精神疾患者の早期発見・早期治療は労働者にとってもメリットですが、発見だけではなくストレス濃度を下げない限り新たな心の病を発症させることにつながりかねません。そのため企業組織全体へのアプローチが求められます。企業の規模や、風土、業務内容によって抱えている問題はさまざまです。産業カウンセラー、衛生管理者、産業医や人事労務担当者とのスタッフ間での会議や従業員の聞き取りを行い事業所の抱える課題や改善点を明確にしていく必要があります。
<メンタルヘルスの取り組み>
どう取り組めば良いかわからない方は厚生労働省による「こころの耳 働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」をご覧になると従業員から、その家族、上司や事業主、従業員の家族まで対象とする有益な情報を提供しています。
事業者、上司、同僚向けには3つのコンテンツが用意されています。まず「ストレスチェック制度への対応」では事業者向けの相談窓口、導入や実施に役立つ情報が案内されています。2つめの「社内研修ツール」では管理者がメンタルヘルスを学べるeラーニングなどツールを紹介し実際に取組みやすい工夫をされています。最後に「利用可能な支援等」では公的支援、各助成金、手引きなど多種多様な支援について紹介しています。その他従業員が気軽にチェックできるセルフチェックや身近な人が心の病気にかかった時の対策など情報を発信しているサイトです。
厚生労働省 こころの耳 職場のメンタルヘルスシンポジウム
心の疲れは身体の疲れにも繋がります。労働者の小さな変化に気づくことができれば、心の病は未然に防ぐことができます。労働者のメンタルヘルスを対策することでリスク回避にもつなげましょう。