キャリアコンサルタントについて
平成27年度の改正派遣法では希望者に対してキャリアコンサルティングを行う義務が新たに生じました。そこで「キャリアコンサルタント」という言葉はご存知でしょうか。
本日は「キャリアコンサルタント」について第一部・第二部と2回に分けてお話ししたいと思います。
第一部「キャリアコンサルタントとは」「キャリアコンサルタントの試験について」
キャリアコンサルタントと聞くと就業支援というイメージが強いかと思いますが、ここでの「キャリア」とは単なる「職歴」ではなくその人の積み重ねてきた「経験や個人の生き方」を指します。例えば、ブランクがあるけど就職したい主婦の方がブランク中に培ってきた子育てや家事も立派な「キャリア」になります。キャリアコンサルタントとは就職・転職の際の助言行為だけではなく、個々人が自分の内面・環境について理解を含め、さまざまな選択や目標設定を行い相談者がいきいきと働き、いきいきと生きることを支援します。平成27年4月には国家資格が創設され、今注目されている資格の一つです。
キャリアコンサルタントのお仕事と活躍の場所
キャリア形成支援で行われている場所や機関によって求められるそれぞれの役割があります。
①学校・教育機関
大学生の就職支援や就職ガイダンスや、学生指導や相談、自発的学習・課外活動への支援などがあります。
②一般企業
従業員の入社から定年退職まで携わり、その中で昇進、昇格、復職など各キャリアステージでの課題支援を行い、
また人事部門や健康管理部門など関わる部門と連携し組織的な視点も必要とされます。
③公共機関(ハローワーク等)
幅広い年齢層の就業支援、自己分析や求人紹介を行います。
キャリアコンサルタントの試験について
~受験資格~
1.厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した方
2.労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する方
3.技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した方
4.平成28年3月までに実施されていたキャリアコンサルタント能力評価試験の受験資格である養成講座を修了した方(平成28年4月から5年間有効)
~試験内容~
・職業能力開発促進法その他関係法令に関する科目
・キャリアコンサルティングの理論に関する科目
・キャリアコンサルティングの実務に関する科目
・キャリアコンサルティングの社会的意義に関する科目
・キャリアコンサルタントの倫理と行動に関する科目(マークシート、50問 100分)
・事例記録を読み、設問に解答する (記述式、50分)
・ロールプレイ(実技試験、20分、自らキャリアコンサルタント役となりコンサルティングを行う)
科目だけでは内容がわかりづらいかと思いますが、キャリアコンサルタントは職業生活設計や職業の能力開発において助言できるよう労働基準法等の法令知識やコンサルティングを行う上で心理学的な知識、そして労働市場や経済状況の把握を求められますのでそういった科目が試験内容になっています。
次回第二部では、「キャリアコンサルタントの合格率」「派遣先でのキャリアアップ支援」についてお話していきたいと思います。