生前贈与で不動産を渡す前に知るべき3つの注意点
「親が元気なうちに不動産を譲り受けたい」
「相続で揉めないように、今のうちに名義を変えておきたい」
こうしたご相談を、最近とても多くいただきます。不動産の生前贈与は、相続対策として有効な手段のひとつですが、安易に進めると思わぬ落とし穴にはまることも。今回は、実務で実際にあったケースをもとに、生前贈与で後悔しないための注意点をお伝えします。
①贈与税の負担を甘く見ない
不動産の生前贈与で最も見落とされがちなのが、贈与税の負担です。相続税と比べて贈与税の基礎控除は年間110万円と少なく、不動産のように評価額が大きい財産を一度に贈与すると、高額な贈与税が発生します。
たとえば、大阪市内の築20年のマンション(固定資産税評価額1,500万円)を子どもに贈与した場合、数百万円の贈与税がかかるケースも珍しくありません。「相続税対策のつもりが、贈与税で手痛い出費になった」というご相談は実際によくあります。
相続時精算課税制度を利用すれば2,500万円まで贈与税を非課税にできますが、一度選択すると暦年課税に戻せないなど制約もあります。税理士と連携した事前シミュレーションが欠かせません。
②不動産取得税・登録免許税も忘れずに
贈与税だけでなく、不動産取得税や登録免許税も発生します。特に注意すべきは、相続による名義変更と比べてこれらの税率が高い点です。
相続の場合、登録免許税は固定資産税評価額の0.4%ですが、贈与では2.0%と5倍になります。また、不動産取得税も相続では非課税ですが、贈与では課税対象です。
「今すぐ名義を変えたい」というお気持ちはわかりますが、トータルコストを比較してから判断されることをおすすめします。
③将来の売却や住宅ローンへの影響
生前贈与を受けた不動産を将来売却する際、取得費の引き継ぎにも注意が必要です。贈与で取得した場合、贈与者の取得費をそのまま引き継ぎます。親が数十年前に安く購入した不動産であれば、売却時の譲渡所得が大きくなり、所得税・住民税の負担が膨らむ可能性があります。
また、贈与を受けた不動産に住宅ローンが残っている場合、債務の処理や金融機関との調整が必要になるケースもあります。
まとめ
不動産の生前贈与は、ご家族の将来を見据えた大切な判断です。しかし、「とりあえず名義を変えておこう」という安易な進め方は禁物です。贈与税・取得税・将来の売却コストまで含めたトータルの視点で検討し、税理士や不動産の専門家に相談しながら進めることが、後悔しない生前贈与の第一歩です。
大阪で不動産の生前贈与についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。お客様それぞれのご事情に合わせた最適な方法を、一緒に考えてまいります。


